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カイロジャーナルの最新トピックス

榊原直樹先生と同行した思い出のミャンマー!

JR名古屋駅太閤口から徒歩10分足らずのところで、「スポーツ医学&カイロプラクティック研究所」を開業する榊原直樹D.C.は、これまで日本各地で勉強会等を行い、行った先々で本業のレクチャーもさすが然る者と評判を得ているが、その生き方、ものの捉え方に触れた参加者たちから、メンター的師事も受けている。

そんな榊原氏は数年前から、ミャンマーはヤンゴンの孤児院でボランティア活動を行っている。昨年11月、幾度目かのミャンマー行きに師事するメンバーたちに声をかけたところ、大阪・北浦氏と札幌・木瀧氏が家族連れでこれに応じた。今回、札幌の木瀧氏から訪問記を寄せてもらったので、これを紹介する。

ミャンマー訪問診療を終えて

ユニオン カイロプラクティック センター
木瀧 洋文

皆様はじめまして。札幌にあるユニオンカイロプラクティックセンターの木瀧といいます。北海道でカイロプラクティック業界に入り、早12年。名古屋のスポーツドクター、榊原直樹先生や和歌山の辻本善光先生からご教授いただきながら、日々いきいきと診療に明け暮れています。

今回、カイロ-ジャーナル・ドットコムに寄稿させていただく機会をいただけたのは、昨年11月22日から28日までの7日間、榊原先生からお誘いいただき大阪の北浦先生とともに、ミャンマーでの訪問診療に同行させていただいたので、その報告ということで私に白羽の矢が立ったからです。

息子の相談事から

今回のミャンマー訪問が計画されたのは約1年半前のことでした。ことの発端は榊原先生がセミナーで札幌に来られていたときに、「ウチの息子が言うことを聞かなくて手を焼いています」と何気なく相談したことからでした。先生は「それなら一度ミャンマーに連れていくといいよ! 向こうの孤児院の子どもたちと交流させれば、きっと大きな財産になると思うよ」と言われたからです。

先生が既に何度も訪問していたことは知っていましたが、正直ちょっと汚いイメージがあったので(失礼!)、まさか自分が行くことになるとは思ってもいませんでした。先生のアドバイスのもと、チケットの購入からホテルの手配までとんとん拍子に準備が進み、お陰様で旅行代理店を通さなくても海外に行ける自信が着きました。

クリニックの外観
写真① クリニックの外観

アジャストをして終わりではない、結果を出す!

事前のメールのやり取りで、せっかく行くのだから現地でボランティア治療を行い、寄付金をお布施しようという流れができて、今回のボランティア治療が決定しました。既に先生が現地で治療されていた経緯もあり、その人脈で患者さんへの告知、場所の手配など、すべて準備されていたので、私の事前準備は「技術を磨く」「言葉を覚える」のみでした。
先生は結果を大切にされるリアリストなので、ただアジャストして終わりではなく、結果をしっかりと出すことが求められ、日常の臨床にも一層気合が入りました。

現地でどれくらい患者さんが集まるのか、言葉が伝わらなくてもしっかりと結果を残せるのかなど、かなりの不安があることはありましたが、日本で言葉の通じない外国人を診る機会もありましたので、「なんとかなるさ」という妙な自信も持ち現地に向かいました。

入国、即ボランティア治療へ

ミャンマーへは台湾からの接続で入国、朝7時発の飛行機だったので睡眠不足や移動の疲労感はありましたが、カラッとした暑さとミャンマー独特のスパイシーな匂い、アジア独特のカオス感満載の風景が疲れや眠気を吹き飛ばしてくれました。現地での治療は入国してすぐに行われる予定でしたので、ホテルでチェックイン後(ここでもびっくりなトラブルが・・・)、休む間もなくクリニックに向かいました。

クリニックでの熱い眼差し、すべて治療を待つ患者さんたち

果たしてどれくらい患者さんが集まっているのか・・・。まっ、いなければいないで天気も最高だし早めにミャンマービールでも楽しもうか、などと心の中では狡い考えもチラホラ・・・。クリニックに到着すると懐かしい形の救急車があり(元救急救命士だったので、当時乗っていたものと同じ車種。日本からの古い車が再利用されているのかも)、中に入るとおびただしい人の数と熱い眼差し!「たぶんクリニックに受診に来た患者さんたちなのだろう」と思っていたら、なんとすべてわれわれを待つ患者さん。どおりで熱い眼差しのはずです。

治療を待つ患者さん
写真② 治療を待つ患者さん

ミャンマーのカイロプラクティックの位置づけは?

「じゃ、木瀧先生行きましょうか」という先生のひと声で壮絶な(笑)診療のスタートです。診察室に入ると、まだ10代と思われる女性が診察台に寝ており、その横でお母さんと思われる女性が心配そうに佇んでいました。一目見ただけで、重篤感のある空気・・・。
通訳の女性、サインさんに訳してもらうと「3カ月前から原因不明の熱が・・・」とのこと。
明らかに適応ではない! 先生とサインさんにその旨を訳していただき、すぐに医療機関を受診するようにお伝えしました。

治療風景(榊原)
写真③ 治療風景(榊原)

ミャンマーでカイロプラクティックがどのような位置づけ、印象なのか、知るよしもありませんでしたが、これは明らかにマジな患者さんが集まっている・・・。患者さんの期待度がかなり高そう・・・。正直、軽いリラクゼーションのノリの患者さんが多いのでは・・などと高を括っていたのですが、ここで一気にスイッチが入りました(遅いですが…)

サインさんに会っただけでも行った甲斐があった

余談ですが、馴染みのないミャンマー語はあまり覚えられず、その代わりにポケトークという翻訳機を持って行ったのですが、スピード感のある臨床現場ではほぼ役に立たず、サインさんにかなり助けていただきました。この方は本当に良い方で、旅行中、子どもたち含め家族全員お世話になり、この方に会えただけでも行った甲斐があったと思えた方でした。因みにポケトークは日常ではかなり役立ちます! クリニックでは子どもたちの遊び道具と化していましたが・・・。

3人で50人、症状は多様

話は戻り、その後も続々と患者さんは来られます。あとで聞いた話ですが、患者さんの総数は約50人とのこと。この人数を、榊原先生、北浦先生、私の3人で診たわけですから、単純計算しても1人17人ほどの治療をしたことになります。たぶん3~4時間ほぼノンストップだったので、途中意識の飛んでいたところも(笑)

症状としては、膝をはじめとする下肢関節の痛み、腰痛、頚部痛、四十肩、むずむず脚症候群、パーキンソン病など思い出すだけでも結構多症状の患者さんが来られました。全体的な印象としては、変性と廃用による患者さんが多く、セルフケアとしてスクワットなどの筋トレ系を指導することが多かったように思います。

推測ですが、クリニックはお世辞にも清潔操作がなされているとは言えず(むしろ不潔)医療水準や健康意識はかなり低いのかと思われました。なので、健康のために運動するなどということはないんだろうなぁーと、患者さんの体形を見て感じることも(肥満か、るい痩の両極端が多い)。

カイロプラクティックは国境を超える!

時間の制約、言葉の壁があり、満足に問診や検査ができない場面もありましたが、結果が出れば患者さんの反応も良く、「カイロプラクティックは国境を超える!」ことは肌で感じることができました(元々アメリカから日本に来ているので当たり前ですが)

1回きりの診療なので「予後が気になりますねぇー」と、あとで北浦先生とも話していたのですが、少なくとも自分の持つ技術と知識が海外でも通用したという経験は大きなものとなりました。

治療風景(北浦)
写真④ 治療風景(北浦)

日々コツコツと勉強や臨床を重ねることは、オフィスはもちろん母国を離れても自分の財産として周囲に良い影響を与えられ、これは腕のみで勝負するカイロプラクターとしての醍醐味なんだと実感した次第です。

先生がよく言われる「環境に左右されず生きていく力」、そして国境を超えても「誰かの役に立てる」経験ができたのは、人間としての成長にも繋がったのではないかと思っています。改めて、榊原先生には感謝です!

ミャンマーではこの後も、色々と楽しいエピソードが満載でした。また機会があれば再訪するつもりです。詳しくはブログ「スポーツドクターSのざっくばらん」をご覧いただければと思います。長文にお付き合いいただきありがとうございました。

寄付を手渡したときのもよう
写真⑥ 寄付を手渡したときのもよう

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代替療法の世界 第10回 カワウソは治療家を救う!?

ワイル曰くオリジナリティ溢れる治療法ほど効果が高い

アンドリュー・ワイルがその著書の中で、古今東西の治療術を詳細に研究した結果を載せていた。それによれば各治療法はお互いつじつまが合わない。草創期の治療法ほど良く効く、とのことである。つまり、オリジナリティに溢れる治療法ほど効果が高いということだ。オリジナリティとは独創性と同義である。独創性のある治療を考え出せば、良く効く治療を行うことができるのである。

示唆に富むヤングの「アイデアの作り方」

独創性とは独自のアイデアとも言い換えることができる。アイデアを出すには一体どうしたらいいのか? ヒントになるのが、ジェームス・ヤングの「アイデアの作り方」である。ページ数は少ないが、非常に示唆に富んだ内容ばかりだ。要約すると、集めて、寝かせて、取り出すのである。言い方を変えると、多くの情報を集める、次にそれらを統合する、そして必要なことが自然に浮かび上がるのを待つ、となろうか。

酒の話じゃない、「獺祭」の意味

さて、ヤングのアイデアの出し方にもう一歩踏み込んでみよう。ヤングの方法論に似たやり方で、獺祭(だっさい)法というものがある。最近とみに有名になった、山口県に「獺祭」と言う純米酒があるが、これはその酒の話ではなく、ここで言う「獺」とは「カワウソ」のことである。彼らは獲物を取ると、戦利品として川辺に並べると言う。そうしたカワウソの習性を人の行う神祭になぞらえて、「獺祭魚」と言った。転じて、詩文を上梓する際に多くの書を並べ、散らかしながら考えをまとめる作業を「獺祭」と呼んだ。元は唐代末期の詩人、李商陰の詩の作り方を揶揄した悪口であった。しかし正岡子規は、この逸話を大層気に入り、自身を獺祭屋主人と号した。

まずは情報を集める

具体例を挙げよう。まずは情報を集める。

カイロプラクティックから、ターグルリコイル、アトラスオーソゴナル(AO)、トムソン、ピアーズ、ガンステッド、ディバーシィファイド、アクティベーター、磁気、SOT、モーション・パルペーション、カイロプラクティック神経学など。

オステオパシーから、関節の遊び、直接法、間接法、筋膜リリース、筋エネルギー、カウンターストレイン、内臓マニピュレーション、頭蓋、チャップマン反射、スティル技法、リンパ、傾聴、靭帯性関節ストレイン、ファシリテッド・ポジショナル・リリースなど。

その他の療法から、NAET、野口整体、O-リングなど。

医学書から、解剖学、生理学、整形外科テスト、運動学、栄養学など。

要約して紙に書く

それらを紙に一つひとつ書く。ポイントはそのテクニックや理論を要約して書くということだ。自分なりに要約することが肝要である。例えばターグルリコイルだと、特異的に頚椎の1番、2番を治療する方法。自然治癒力にすべてを任せた治療法。イネイトの存在を疑わない。患者の症状にはとらわれないなど。トムソン・テクニックだと、独特な分析方法。ディアフィールド下肢長分析、頚椎症候、メジャー・サブラクセーションの選定方法など。アクティベーターだと、ストレスおよびプレッシャー・テストによるサブラクセーションの方向性の確定など。筋エネルギー・テクニックだと、直接法、関節の可動化など。カウンターストレインだと、間接法、圧痛点を指標としたポジショニング、90秒など。傾聴だと、前に引っ張られると内臓、後だと脊柱、側方だと四肢、術者の感覚が優先される等々。すべては書ききれないが、それぞれのテクニックごとに要約していくのだ。

並べて一気に目を通し、執着せずに湧き上がるのを待つ

次に、それらを床に並べる。並べ方は自由にする。適当に散らせば良い。そして、メモのすべてに対して一気に目を通す。メモがたくさんあればあるほど良い。そしてメモから離れて、自然にアイデアが湧き上がって来るのを待つ。待つときは何も考えない。湧き上がって来ることに期待もしない。それを忘れるぐらいで丁度良い。映画やショッピングなどに行くのも良いだろう。要は執着しないということだ。

まとめると、

  1. 今まで勉強してきたことを要約して個別に紙に書く。
  2. 適当に並べて一気に目を通す。
  3. アイデアが浮かぶのを待つ。

ただこれだけである。

キーワードを「可視化」

獺祭法により浮かび上がったキーワードは「可視化」であった。整形外科テストは、身体に負荷をかけるテストである。当然負荷をかけるわけだから、損傷していれば痛みや症状の悪化をみることができる。これは患者、術者ともに可視化できる。損傷部位が特定できれば、そこに対してどのように影響を与える要素が存在するか?である。その特定に、ストレスおよびプレッシャー・テストを用いる。このテスト方法も可視化できる。これで3点交差のチェックができる。しかもすべて可視化できるので検査としてはわかりやすい。患者は身体感覚を通じて、術者と共通の認識を持つことができる。可視化できれば治療が上手く行ったか、行かなかったかをチェックするのは容易だ。組織にどのような刺激を加えれば良いのか? 患者の体が教えてくれる。主観的な診かたから客観的な診かたに変化する。オステオパシーの技法を使って治療し、再チェックする。効果の判定、治療の止め時もわかる。

紙とペンさえあれば

獺祭法は紙とペンが用意できれば簡単に試せる。今まで自分が学んできたものを見返すだけである。金はかからないが効果は大きい。有料セミナーに参加したぐらいの価値は見出せるだろう。自分の中に眠っている治療技術を掘り起こして欲しい。すべては治療家自身のため、患者のため。ここで「獺祭法」を使って導き出した治療法は、引き出した治療家だけのものであることを強調しておく。なぜなら、新しい治療の方法は、治療家本人のオリジナルによるものだからだ。自分で見つけた治療法の効果に驚くだろう。今までの治療よりは格段にレベルアップしているはずだ。時には、自分が作った治療法を他の治療家から批判されることもあるかもしれない。しかしながら批判は笑って受け流しておけば良い。アンドリュー・ワイルの言葉にあるように「各治療法はお互いにつじつまが合わない」のであるから。



代替療法の世界 第8回 好奇心



代替療法の世界 第7回 上善は水の如し




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カイロジャーナルは、1989年7月に科学新聞社のカイロプラクティック事業20周年を記念して創刊し、今日に至るまで一貫してカイロプラクティック、オステオパシーなどの徒手療法の無料専門紙として、その時々のフレッシュなニュースを皆様にお届けして参りました。
昨年で25周年を迎え、記念イベントとして、セミナーや講演などを開催致しました。
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