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アトラス オーソゴナル(AO)の創始者
Dr.ロイ・スウェット逝く

アトラス オーソゴナル(AO)の創始者Dr.ロイ・スウェット逝く

 米国アトランタの現地時間1月2日(日)の正午過ぎ、AOの創始者、Dr. Roy W. Sweat (ロイ・W・スウェット)が亡くなった。御年94歳、老衰による自然死だったとのことである。そこで本ジャーナルでは、Dr.ロイから日本でのAOの啓蒙を託され、常に緊密な連携を取り合っていた、アトラス オーソゴナル ジャパン(AOJ)代表の井上裕之氏が同ホームページに寄稿した追悼文を転載し、Dr.ロイの生前の業績をたたえたいと思う。

一昨年AOJ主催の「イントロAO」にコメントを寄せた、在りし日のDr.ロイ・スウェット

わが師、Dr.ロイを偲んで

2022年1月10日
AOJ代表 井上 裕之 D.C., B.C.A.O.

 新年のご挨拶をさせていただこうと思っていた矢先に、アトランタからの知らせでAOの創始者でわが師、Dr.Royの訃報をお伝えすることになってしまいました。現地時間の1月2日(日)12時45分、彼は94年にわたる人生に終止符を打ちました。正に天寿を全うされたのだと思います。

 思い返せば彼との出会いは、私がパーマーの学生だった1990年代に遡り、当時60代の彼は大きくて怖そうな印象で、学生の私には少し近寄り難い存在でした。しかし、世界各地から治療に訪れる小さな子供から高齢者まで、また学生にも分け隔てなく接し、彼の周りでは誰もが愉快な時間を共有していることを間近で実感しました。

 その頃の話はAOJホームページの連載、「AOの世界」Vol.1416にもある通り、駆け出しの20代だった私にとって宝物のような修行時代でした。

 日本でのAOの啓蒙を託され、帰国したあとも毎年のように(多いときには年に数回)アトランタを訪れAOアドバンスセミナーに出席しました。アトランタ滞在中は朝昼晩と三食を共にし、臨床を重ねる中での質問、疑問を昼夜問わず繰り出す私に、嫌な顔一つせず付き合ってくれました。

 特に2005年に開業し、それから10年ほどしてアトラス オーソゴニスト育成講座を開始するようになってからは、お互いの距離が一気に縮まったような気がします。それまでの臨床的な質問のみならず、彼が若かりし頃のDr. BJとの思い出話、60年にも及ぶ経験から培われた教育理念まで、本当に熱っぽく話してくれました。

 生涯現役で臨床にあたり、来院するすべての人と共に悩み共に笑い、大学に出向き教壇にも立ち続けた姿は、メンターという言葉では言い尽くせない、私にとって師匠であり、治療家として、人間として目標としてきた存在です。

 こうしてご一緒させていただいた日々の出来事を想い噛み締めると、ただ感謝が溢れ出し胸が熱くなります。

 二人の会話の中で彼はよく、「カイロプラクティックにおいて私は第三世代にある」と話していました。「Dr. BJが科学的にサブラクセイションを立証し、Dr. Grostic(グロスティック)がアトラスのレントゲン分析を確立し、私は正確なアジャスト法を作り出した。これからは君たちが第四世代を作る番だ」と。

 今後、私ができる恩返しは日本という制約の多い環境の中で、可能な限りAOを正しく伝え、AOによって一人でも多くの人と共に悩み、共に笑える世の中にすること。天国から見守ってくれているDr. Royが喜んでくれるよう、一層の練磨を積み重ねていく所存です。

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