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代替療法の世界 第32回「縁起物」
-丸山神経学 その2-

代替療法の世界 第32回「縁起物」-丸山神経学 その2-

縁起物 紅白だるま

 選挙で当選すると、だるまに目玉を書き入れる。これはゲン担ぎの一種であり、だるまも縁起物とされる。真っ赤な頭と身体に、白い顔と大きな髭と眉毛。紅白だるまが最も有名だろう。

 このだるま、禅宗の開祖である達磨大師が九年間の座禅により、手足を失ったという逸話があり、その伝説をもとに作られている。石の上にも三年ということわざがある。これは冷たい石の上でも、三年も座り続けていれば石が温まってくる。最初は辛くとも、三年も辛抱すれば報われることのたとえである。桃栗三年、柿八年というように実をつけるまでには時間がかかる。

プロになる、プロと言われるには!

 同じく丸山氏もセミナー中に1万時間の法則に触れていた。これはプロになるための必要時間とも言い換えることができる。1日3時間ならおよそ10年、1日8時間だとおよそ3年である。プロとしてやっていくには、これだけの訓練(勉強)が必要だということだ。

 一方で練習量がすべてではない。1万時間も要らないという批判もある。しかしながらプロになるためには、概ね1万時間に匹敵する長期間の努力が必要だということ。もちろん運や環境も必要である。だが環境が整えられていたとしても、努力を全くしなければプロには到底なれない。

 先の批判は工夫をすれば1万時間は要らないという意味だと思う。しかし、達磨大師も9年間の座禅で悟りを開いた。曹洞宗でもその精神は受け継がれ、只管打座(しかんだざ)ただただ一心不乱に座る、という方法がある。増田DCが常々言っていた言葉がある「学問に王道なし」と。

神経学の適応はまずは定義から

 神経学を治療に適応するにはどうすればいいのか? まずは神経学を利用したアプローチを定義しないといけないだろう。定義づけると「神経局在を利用し、機能低下、機能亢進、それぞれの部位を見つけ特定し、その特定された局在部位に自動的もしくは他動的に刺激を与え、機能を最適化する」となろうか。

 この最適化というのがポイントである。「神経機能の異常を正常化する」というわけではない、というところに神経学アプローチの醍醐味がある。神経系の振る舞いはその時々で、揺れ動いており、それを見極め適切な刺激をその都度与えなければならないのである。丸山神経学では最小限の刺激で最大限の効果を狙う。だから丸山氏のアプローチではⅠbの刺激は、神経系に対して必要以上の刺激になってしまうので、HVLA(高速低振幅)、アクティベーターなどの刺激方法を取らないのである。

 さらに補足すると、アクティベーター器はスピードが手の300倍である。であるから、力=加速度×質量の物理法則に照らしてみても、Ⅰbに対しての効果のほどがどれほどのものかが理解できるであろう。HVLAと比べてパチンという音と軽く感じる刺激で効果をさほど感じないという御仁もいるかもしれないが、Ⅰb発火においては十分すぎるぐらい神経を発火させるのである。

検査器具を使い切る、真骨頂の対面セミナー

 まだまだ予断は許さないが、コロナ禍が収束しつつある現在、大阪での実技セミナーが開催されている。丸山氏の実技セミナーでは、打腱器やペンライトなど神経検査に必要な道具の使い方を学ぶ。検査器具で縁起物と言えば、OPKテープ(以下OPK)である。紅白模様の垂れ幕は祝い事の席で用いられることも多いので、多くの方が目にしたことがあるだろう。垂れ幕を横に裁断したものがOPKである。

 ヨットの帆に使われる素材を使っており相当長持ちする。斎藤氏が丸山氏と試行錯誤して作った逸品でもある。現在は在庫僅少であり、再生産の予定はない。しかも対面セミナー出席者限定の販売であるので買える人も限られる。このOPK自体は紅白模様のなんの変哲もないものであるが、使いようによっては効果絶大である。正常時において、眼振を発現させることは難しい。しかし、OPKを使えばいとも簡単に起こせるのである。

縁起物OPK、生かすも殺すもあなた次第 

 少し詳しく述べると、眼球の動きは動眼、滑車、外転神経の共同作業である。その動きは大脳の働き、小脳の制御により行われている。右へのパスートは右大脳の働きによるものである。ただしそのときに同方向へのサッケードが見られると左大脳の働きによるものである。さらに静止させた場合は右小脳の働きである。またパスートの動きを制止するのは同側の小脳の働きによる。他にも左眼振は右側の水平半規管の低下、左側の水平半規管の亢進。右小脳の低下、もしくは左小脳の亢進という意味合いもある。

 神経学に馴染みがない御仁はちんぷんかんぷんかも知れない。過去の丸山氏の動画視聴をすれば、パスート、サッケードの意味がわかるようになる。もし神経学に興味があり、神経学アプローチの方法論を学びたいという方はいつでも受け付けているのでカイロジャーナルに連絡されたし。

 話を元に戻すと、OPKの優れたところは、大脳の働き、小脳の制御、それぞれの度合いが計れるのである。検査、即治療が可能になるのだ。奇しくも次回の大阪セミナーはOPKの実技を行う予定である。見方によっては「たかが」OPKだが、使い方を知っている人には「されど」のOPKなのである。

山﨑 徹
(やまさき・とおる)

はやま接骨院(高知県高岡郡)院長
・看護師
・柔道整復師
全日本オステオパシー協会(AJOA)京都支部長
シオカワスクールオブ・カイロプラクティック ガンステッド学部卒NAET公認施術者

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