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徒手療法の世界に身を置いて <第6回>
「徒手療法の魅力を語る夕べ」から

徒手療法の世界に身を置いて 「徒手療法の魅力を語る夕べ」から

徒手療法の世界に身を置いて <第5回> 正確な検査の重要性、必要性を求めて – Vol.5はこちら

三者三様

 3月27日(土)に四国・香川県高松市で第2回の「徒手療法の魅力を語る夕べ」が開催した。「徒手によって一体どこまでの施術が可能なのか?」をテーマに、昨年同時期に私が幹事役になって「四国徒手療法研究会」という名称の主催で始めた。このイベントは現在、徒手療法の世界真っ只中の仲間同士が、気軽に語り合える場を、という目的で企画したものである。

 今回のスピーカーは昨年に引き続き、高知県の山﨑徹先生。看護師、柔道整復師の資格を持ち、カイロプラクティックからオステオパシーまで幅広い知識の持ち主だ。2人目は今回初登壇の、宮崎県の門川英樹先生。前職は機械を扱う仕事をされていて、前職の先輩からの教えが現在のカイロプラクティックでも十分に生かされていると言う。3人目は私、和歌山県の辻本が務めました。経歴も施術に対する考え方も違う3人からどんな話が飛び出すか。特に初登壇となった門川先生は、かなり緊張していたに違いない。

山崎 徹先生
門川 英樹先生

歩んできた道はそれぞれ違っても

 日本一の山、富士山。登山客は数ある登山口の1つを選び登り始める。しかし、どの登山口を選んで登り続けても、やがて目指す頂上にたどり着く。三者三様に見える今回スピーカーを務めた3人にも、大きな共通点があった。それは患者さんのために、また自分のやりがいのために、この仕事を選んだこと。この世界に飛び込んだ理由に違いはあるが、3人が目指しているのはここだろう。

 施術の方法もそのバックグランドも違う3人が、「患者さんのために」と選んだ方法が検査の重要性だ。見事に3人の話からはこれが窺えた。念のために言っておくが、3人ともお互いがどんな話をするのか、全くわからなかった。知っていたのは進行役を務めた科学新聞社の斎藤さんだけ。事前に打ち合わせをしようなどという話も全くなしのぶっつけ本番だった。

アプローチ法は違っても、本質は変わらない!

 3人の話の本質は変わらない。それは共通点である「患者さんのため」ということを考えたときに、本当に臨床で大切に考えていることが同じだからである。例えば、患者さんの「腰痛」を治すのか? 腰痛を持った「患者さん」を治すのか? 卵が先か鶏が先か? みたいな話だが、前者は目的で、後者は方法になる。

 決して全く同じではない。構造(身体)-精神(心理的要因)-化学(食事や薬)は互いに影響を与え、どこからアプローチしても「腰痛の施術」には変わりはない。しかし、これが目的であれ方法であれ、検査してみないと患者さんの持つ「腰痛」の性質もわからなければ、腰痛を持った「患者さん」の状態もわからない。だから検査が絶対的必要なのだ。

検査の精度が無駄な時間を省く(時短のコツ)

 どんなに優れた徒手療法家でも検査をしない人はいない。これは施術時間に全くと言っていいほど関係なく、検査に時間をかけている。たとえ15分の施術時間であっても、10分で検査、5分で施術という風に。

 全然見当違いの、的を射ていない検査なら、10分では到底足りないのは容易に察しがつく。だからといって「腰痛」の性質もわからない、「患者さん」の状態もわからないのに施術を行えるわけがない。全然意味のないものになってしまう。どれだけ検査スキルを上げていくのか? その上で今現在持っている施術法をどう使っていくのか? とにもかくにも検査なのだ。

段取り八分、仕事二分!

 今回のコラムは「徒手療法の魅力を語る夕べ 」の報告も交えてのコラムになったが、最後はやっぱり門川先生のスピーチの一節。正に我が意を得たり、金言と言っても差し支えない、このひと言に尽きる。 敢えて私流に書かせていただければ、段取り(検査)八分、仕事(施術)二分!

カイロジャーナル・ドットコムより
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辻本 善光
(つじもと・よしみつ)

現在、和歌山市で開業。
現インターナショナル・カイロプラクティック・カレッジ(ICC、東大阪市)に、22年間勤め、その間、教務部長、臨床研究室長を務め、解剖学、一般検査、生体力学、四肢、リハビリテーション医学、クリニカル・カンファレンスなど、主に基礎系の教科を担当。
日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC)学術大会でワークショップの講師を務め、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)設立当初には試験作成委員をつとめる。
現在は、ICCブリッジおよびコンバージョン・コースの講師をつとめ、また個人としてはカイロプラクティックの基礎教育普及のため、基礎検査のワークショップを各地で開催するなど、基礎検査のスペシャリストとして定評がある。


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