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新シリーズ「今日の一冊」第2回

新シリーズ「今日の一冊」第2回

現在、カイロジャーナル・ドットコムのセミナー、Webセミナーで講師を務められている先生方が、臨床家を目指して勉強していた頃、そして開業、講師活動をするようになった今でも、座右の書としていつも傍らに置かれている本を紹介していただきます。

第2回は、来年にWebセミナーの講師を予定されています、山﨑 徹 氏からの「今日の一冊」です。

新生理学

竹内 昭博(著)

3,200円(税別)
出版社:日本医事新報社刊

 柔道整復師の専門学校に通っていたときの一冊。学校まで電車でちょうど1時間だった。通学時間を有効に使おうと手軽に読めるポケットブックがこれだった。解剖生理はどんなジャンルの治療術でも最重要視されている。どうせなら医学生が読むような本を読んでやろうという気持ちで選んだ。QアンドA方式で書かれていて、生理学の重要事項は網羅されている。カバーを外すと、パッと見は小説のように見えるから電車の中でも開きやすかった。外見は小説のようだったが、中身は難解。日本語で書かれているにもかかわらず、何を書いてあるのか全くわからなかった。わからないなりにも何度も反復して読んでいるうちに、自然と理解することができた。「読書百遍 意 自ずから通ず(どくしょひゃっぺん い おのずからつうず)」という、意味のわからない本でも百回読めば意味がわかるという言葉がある。

 この「新生理学」はまさしく読書百篇を体験させてくれた本である。実際、百回どころか何回読んだかわからない。巷には、意味がわからない本を読んでも理解できないから、簡単なものから始めようという学習法もあるが、全く意味が理解できない本を読んでみるのも一興である。簡単なものから始めれば少しずつ階段を登っていくようなものだから、ある程度の達成感は感じるだろう。しかし、こうした意味がわからない本を読むことに達成感は何も感じない。苦行と思える日々を過ごすことになるのは間違いないだろう。それでもある日突然、ショートカットをしたかのように生理学の知識が繋がるときが来る。それは達成感を超える奇跡にも感じられる一瞬だ。それを体験したあとには様々なセミナーで、治療機序の説明を受けたときに理解することができたし、わからない箇所がわかるようになった。ここで言うわからない箇所というのは、生理学でのどの辺りの知識が抜けているのか、がわかるということである。少なくともどのような医学関係の本を読むときにでも、おぼろげながらにも何を言わんとしているのか、がわかるようになる。

 追体験をしたい方は是非「新生理学」をお勧めする。私の所持している第2版はB6サイズのポケットブックだったが、時が過ぎ現在は第7版、B5サイズになっている。持ち歩くにはちょっと不便だが。しかし、ここで朗報、最新刊には無料の電子版が付属している。スマホで読むには最適だろう。

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