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代替療法の世界 第17回「外れない予言」

コロナ、マスク、転売、規制、闇

武漢発のコロナウイルスが世界的に猛威を振るっている。WHOもパンデミック宣言を出した。コロナウイルスに便乗する商売も盛んである。転売されるマスク1枚の価格は100円以上。本来は10円程度であるから約10倍の値段だ。ところによっては10倍以上の値段もある。それでも欲しい人は購入する。こうした状況に政府も規制をかけた。懲役1年、もしくは罰金100万円以下である。1円でも購入価格に上乗せすれば罰を受ける。マスクの転売に対する罰則としてはあり得ないほど重い刑罰であるが、便乗商法を絶対に許さないということか!

だが、政府が規制すると闇で取り引きされる価格は上昇する。覚せい剤じゃあるまいし、白い粉ならぬ白いマスクが違法薬物並みの取り扱いだ。転売も巧妙で、ホッチキスの替え芯やペンを装って販売している。マスクの転売に規制をかけるのは諸刃の剣で、闇取引が活発になる危険性もあるだろう。早く供給が需要を上回ることを願う。そうなれば転売のメリットがなくなるから違法な取引もなくなる。

スペイン風邪にオステオパシーが著効

一方、代替療法ではコロナウイルスに対してどうであろうか? 1918年にパンデミックを起こしたスペイン風邪(インフルエンザ)に対して、オステオパシーが著効を示したとのデータがある。それによれば、オステオパシーによる治療を受けた群とアロパシー(一般医療)を受けた群では、肺炎を合併した死亡率が、オステオパシーを1とした場合、アロパシーでは3~6倍。総死亡率ではオステオパシーは400人に1人、アロパシーでは20人に1人であったそうだ。

当時も現在もだが、アロパシーの伝統的処方は投薬である。アスピリンなどの解熱剤を与えて、ウイルスに打ち勝つ力を消してしまっていた可能性も高い。オステオパシーの特異的な考えと手技の恩恵もあったであろうが、不必要な医療を提供しなかったことが死亡率の軽減に、大きく寄与した可能性も否定できない。当時のスペイン風邪に対する治療薬はなかった。その状況は現在のコロナウイルスを取り巻く環境と酷似している。

安保氏が説く「副交感神経優位に」

故・安保徹氏によれば、交感神経が優位になると顆粒球が増え、副交感神経優位だとリンパ球が増える。1918年は第一次世界大戦の直後である。多くの人は戦争によるストレスにさらされていた。当然、交感神経優位になり顆粒球は増えリンパ球は減る。ウイルスは小さいために顆粒球では処理されずリンパ球が叩く。しかしながら交感神経が優位にあるために、リンパ球が働ける状態ではなかった。だからスペイン風邪は爆発的に流行感染した。20人に1人死亡するという現実は恐怖心を募らせ、ますます交感神経優位の状態をつくる。

過度の精神的ストレスは交感神経優位をつくり出し万病の基になる。とは、安保氏が一貫して説いていたことである。オステオパシーのやったことは不必要な投薬をしなかったこと。その手技が交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態をつくり出したことである。副交感神経優位になればリンパ球が血液中に増える。リンパ球の働きによりウイルスに対して戦えるのだ。その結果、400人の患者に対して1人の死亡者で収まったのであろう。

三位一体の条件が「外れない予言」を

さて、このコロナウイルスは疫学的に、100人の感染者がいれば80人は無症状か軽症、20人には症状が出るが死に至るのは2人である。となれば、感染していない人を対象にコロナウイルスに対抗できる身体をつくりましょう。免疫アップしてコロナウイルスが悪さしないようにしましょう。とか「将来コロナウイルスにかからない」という「外れない予言」のキャッチコピーが打てる。疫学的に100人中80人は治療も何もしなくても症状は出ないし、出たとしても軽い。調べない限り感染したこともわからないのである。

つまり、代替療法で感染を防げたかどうかの根拠は薄くなる。効果があったか、なかったか検証が必要なのだが、比較対照ができない限り効果の判定も疑わしいのである。それでも治療を受けた患者の80%が感染しても症状が出ないか軽症なのだ。だからコロナウイルスに感染しなければ、治療のお陰で感染しなかったと思うだろうし、感染しても軽症であれば治療のお陰となる。疫学が示す事実と特効薬がないという現実、併せて代替療法が持つ投薬治療をしない(できない)という三位一体の条件が「外れない予言」を成立させるのだ。外れない予言の種明かしをしてしまえば、どうってことはないが、こうした巧妙なロジックが隠されているのである。

代替療法には、できることと、できないことが

これを踏まえると、「コロナウイルスに対して代替療法の効果がありますよ」と大風呂敷を広げるわけにもいくまい。コロナウイルスに便乗して代替療法の効果を謳っても、およそ50人に1人は死ぬ可能性が高い。その患者に当たれば予言は外れてしまうのだから。外れるだけならまだしも、患者を危険な状態にさらすことにもなりかねない。それにも増して、マスコミによる風評被害が命取りになる可能性もある。いざというときに、患者が適切な処置を受けられるように準備しておくことが肝要である。代替療法にはできることとできないことがある。やみくもに手を出して墓穴を掘るのは賢明ではないだろう。

マスメディアによって交感神経優位に! 様子を見極め

マスコミは視聴率が稼げるから、連日連夜コロナウイルスの話ばかりだ。テレビはコロナウイルスを特集する。さながら世界大戦後の社会不安と同じ状態をつくり出していると言えよう。どうしても恐怖心をあおるから交感神経が優位になってしまう。そうした社会不安が病気をつくる大きな要因になっている。日本人の死亡率統計によると、おおよそだが1日の死亡者数は3,800人弱である。これには自然死、病気、事故死、自殺、他殺が含まれる。事故死が約10人、自殺が約60人、その他が自然死、病気で大半を占める。

この2か月でのコロナウイルスの死者は47人(3月27日、午前10時現在)である。3,800人×2か月(60日)で約23万人がコロナウイルス以外の原因で死んでいるのだ。コロナウイルスの死者数と対比すれば一目瞭然であろう。これらのデータが示すのは感染しても大概の人が治る病気ということだ。この1年でコロナウイルスによる死亡率の増加がデータとして加えられれば、上記の内容も変わってくるだろう。予断を許さない状況ではあると思うが、こうしたデータも加味して状況判断をする必要があるだろう。今後、感染者が増えれば死亡者数も変動するだろうが、まずは様子をよく見て行動することが必要不可欠だと思う。

自律神経のバランスを取ることが

患者や治療家が必要以上に恐れてストレスをため込むこともあるまい。ストレスの増大は自然治癒力を低下させる。不安を与えないことにより、代替療法が効果を出す素地をつくること。確実に言えるのは代替療法によって、副交感神経優位の状態をつくることができるということだ。だからリンパ球が働いて各種の感染症に抵抗できる身体にするのだ。代替療法は結果として、コロナウイルスに特化した治療を行ってはいないということであり、代替療法ができることは自律神経のバランスを変化させ、間接的にウイルスに打ち勝つ力を増幅させているに過ぎないのだ。少なくとも不安をあおる便乗商法は慎みたいものである。

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