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  カイロプラクターのための栄養学 第6回 貧血

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カイロプラクターのための栄養学 第6回 貧血

Mさんは慢性の肩こり、頭痛、疲労感で来院されました。これまで様々な医療機関、マッサージ、鍼、気功、カイロプラクティック・・・などを試したのですが改善が見られず、なぜ私のところに来られたかと言うと、虚弱だった彼女の母親が私のところの治療と指導で元気になられたからでした。

鎮痛剤で痛みを抑えても、体は休まらず

Mさんは南米系のとても美しい女性でしたが、血色が悪く、初めて来られたときは覇気が全く感じられませんでした。朝起きるのがとても苦手で、日中はコーヒーを何杯も飲み会計士としての仕事を何とかこなし、夕方になるとほぼ毎日、頭痛と疲労感で心身ともにぐったりしてしまい、市販の鎮痛剤を服用し痛みを無理やり抑えていました。睡眠も浅く、体が休まる思いを感じたことが全くないということでした。

慢性的な貧血で鉄剤服用、中断の繰り返し

食生活の内容を伺うと、ベジタリアンであることがわかりました。肉類を食べるとお腹が重たくなり、いつまでも胃の中に残っているような感じがするので、5年前に食べるのを止めたそうです。野菜を多く食べるようにしていましたが、糖質過多になりがちで、必須脂肪酸やタンパク質が足りない状態でした。彼女には慢性的な貧血があり(ヘモグロビンはいつも10を切る状態)、ひどくなると鉄剤を服用していたそうですが、お腹の調子が悪くなり便秘がひどくなるので、いつもしばらく鉄剤を飲んでは中断せざるを得ない状態が、長年続いていました。

自律神経を整え、肉類の摂取を再開

Mさんの健康回復を妨げているのは明らかに貧血であると見なし、Mさんには主に自律神経を整えるセラピーと、消化酵素の助けを借りて徐々に肉類の摂取を再開していただきました。結果、2カ月後にはヘモグロビンは11.5(まだまだ低いですが)に上昇し、疲労感と頭痛は9割以上解決しました。

胃酸不足、鉄剤の摂取だけでは

貧血の中でも、最も頻度の高い鉄欠乏性貧血を改善する上で、典型的に行われる治療は鉄剤の処方ですが、Mさんのように鉄剤の摂取のみでは改善しないケースが多々あります。実は鉄が体内で上手く代謝されない最も大きな理由は、胃酸不足です。胃酸によって、胃の中のペーハー(㏗)値が下がり鉄の吸収が促されますから、胃酸が弱っていると鉄の吸収も効果的にできなくなるのです。因みに胃酸を抑える胃腸薬を頻繁に服用する人は、慢性的な胃酸不足に陥り貧血のリスクが上がってしまうのです。

また胃酸はタンパク質を分解する酵素であるペプシンの分泌を促し、タンパク質の消化を助けます。タンパク質は鉄を貯蔵するフェリチンや、鉄を運ぶヘモグロビンなどの鉄代謝に欠かせない物質の原材料ですから、タンパク質不足は貧血の大きな要因になってしまうのです(タンパク質不足に関しては前回の記事で説明させていただきました。ご一読ください)。

カイロと食事療法で自律神経のバランスを

そもそも胃酸不足や消化力低下は、自律神経のバランスが悪いことが理由で起きています。皆さんがご存知のように、カイロプラクティックの施術は自律神経のバランスを整える働きがありますから、カイロプラクティックとともに食事療法を行うことで相乗効果になります。貧血を速やかに改善することによって、様々な面で患者さんの機能改善を期待することができます。

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