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  カイロプラクターのための栄養学第5回 腰痛とタンパク質不足

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カイロプラクターのための栄養学
第5回 腰痛とタンパク質不足

Yさんの場合

Yさんは幼稚園の先生をされている47歳の女性です。椎間板損傷(線維輪断裂)による腰痛で来院されました。つまり腰椎の骨と骨の間にある、クッションのような役目をする椎間板が弱って傷ついている状態です。

仕事では、立ったり、座ったり、お遊戯をしたりと、結構ハードな肉体労働に加え、家族間の悩みも多く、ストレスフルな状態でした。腰が1年ほど前から痛くなり始め、どんどん悪化し強い痛み止めなしでは、毎日の生活に支障を来してしまうほどでした。

食事の内容を聞いてみると

食事の内容をお聞きすると、朝は野菜スープとパン、昼もほぼ同様、3時頃に間食で毎日必ずと言っていいほど、甘いケーキやクッキーなどを食べ、夜はお米と野菜中心の日本食、肉・魚は1週間に一度ほど。朝昼の野菜スープには若干のソーセージやベーコンが入っている、とのことでした。

一見珍しくない食事が

このような食事内容は珍しくありませんし、午後のおやつを省けば一見健康的であるかのように思うかもしれませんが、タンパク質の量を見てみると野菜スープの中の少量の肉と野菜、米などから摂取できるわずかなタンパク質をすべて足したとしても、Yさんのタンパク質摂取量は30gにも満たない程度です。

これでは、最低必要量には程遠い状態です。体重が52kgで仕事での肉体的ストレスと、私生活での精神的ストレスがかなりかかっている状態ですから、少なく見積もっても、1日に最低50gは必要となります。必要量が50gで実際の摂取量が30gですから、毎日約20gのタンパク質の不足が生じていることになります。

体は代謝を落とし、椎間板は

20gの不足分を埋め合わせするために体は代謝を落とし、新しい細胞を作ることや、傷んだ部分の修復を一部犠牲にしなくてはならなくなります。全上半身の重みを支える椎間板は、健全な強い状態を保つために十分なタンパク質が必要になりますから、Yさんの食事内容では、到底椎間板を強く保つことはできませんし、傷ついた状態を修復することもできないのです。

タンパク質の摂取、消化吸収を促し、ビタミンCを

Yさんには目安として1日50gのタンパク質を摂取するよう心掛けていただきました。消化力も弱っていましたので、消化酵素でタンパク質の消化吸収を促し、ほかにも炎症を悪化させる甘いデザートや、小麦製品を減らしていただき、椎間板の修復に必要なビタミンCを野菜やレモンなどから摂っていただきました。

結果、1カ月後には痛みは9割改善。非常に疲れやすかった体質もよくなり、元気ハツラツになることができました。

原因は生活習慣の中に! 何が原因なのか?

患者さんは様々な問題を抱えて来院されるわけですが、明らかなケガや事故がない限り、原因はほぼ間違いなく生活習慣の中にあります。ですから、治療の鍵は彼らの生活習慣の中で何が原因(ストレス)で、不具合が生じているのかを見つけ出すことなのです。検査の過程で栄養状態を的確に診断できれば、問題解決をより速やかに行うことができるようになります。Yさんのケースでは、腰痛の問題以外にタンパク質が不足していたわけですが、このような例はこれまで他にも多数ありました。

タンパク質不足のサイン

  • 体がむくみやすい、特に数時間飛行機や電車に乗っていると足がむくむ。
  • マッサージを受けると、その時は気持ちよくても、もみ返しで痛くなってしまう。
  • スポーツジムに行っても、筋肉痛になるだけで、一向に筋肉が強くならない。

これらは、すべてタンパク質が足りないサインと考えられます。Yさんのように食事の内容をお聞きして、明らかに摂取量が少ない場合は、当たり前ですが必要量を増やすことから始めるべきです。しかし場合によっては、十分な摂取量があってもタンパク質不足の症状があるときもあります、そのような場合は、なぜ摂取しているタンパク質が正しく代謝されていないのかを調べなくてはいけません。タンパク質の代謝が上手くいっていない典型的な理由は、消化器系臓器、肝臓もしくは甲状腺の機能低下が考えられます。それらについては、またの機会に取り上げたいと思います。

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