ブラジル・ミッショントリップ 2018 | カイロプラクティックジャーナル

  ブラジル・ミッショントリップ 2018

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ブラジル・ミッショントリップ 2018

昨年10月、大陰幸生氏が3人の仲間を伴って、ブラジル・ミッショントリップに参加した。幾度となく参加している大陰氏は、既にその影響を受け現在の活動に結びついているが、仲間の3人は人生が変わるほどの感動を味わって帰国した。その仲間の中から、神奈川県相模原市で開業する水越隆之氏に、その感動冷めやらぬ熱い思いを寄せてもらったので、これを紹介する。

ブラジル・ミッショントリップ「ミッション・オブ・ライト2018」を振り返って

シーガル・カイロプラクティック
水越 隆之

皆さん、はじめまして。水越隆之と申します。昨年10月1~5日に行われたブラジル・ミッショントリップ「ミッション・オブ・ライト 2018」に、念願の参加を果たすことができたので、「カイロ-ジャーナル・ドットコム」の場をお借りしまして、そのご報告をさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

ブラジルミッショントリップ
参加者の大陰、水越、高井、山﨑

ミッション・オブ・ライト

世界的に有名なカイロプラクター、Dr. Lou Corleto(ルー・コレート)が1998年にブラジルで始めたミッショントリップです。ミッショントリップとは-有志のカイロプラクターたちが主に後進国へと赴き、現地の人たちを無償でアジャストする奉仕活動です。グループによっていろいろな特徴がありますが、その中でもこのミッショントリップは「subluxation, adjustment, innate intelligence」という最も純粋な形のカイロプラクティックを通して、直接、間接的に何千、何万という人々に影響を与える人道的な活動です。

Dr. Lou Corleto
Dr. Lou Corleto

アジャストメントに関するルールはシンプルで、「器具は一切使わず、アジャストメント・テーブルと手のみ」です。アジャストを受ける人たちはお金ではなく、米やパスタ、砂糖などの食料を持ちよります。そうして集まったたくさんの食料は恵まれない人たちへ寄付されます。

米、加、欧、豪、ニュージーランド、日本などの国から同じ志を持ったカイロプラクターたちが集まり、多くの人々に高いレベルのアジャストメントを提供します。アジャストを受けた人々は身体的変化だけでなく、精神的にも変化が起こります。自分自身の内側と深く繋がり、生命はさらに輝きます。そのように意識が変わった人々が「短期間に、ある地域で、一定数を超える」とパラダイムシフトが起こり、人類は次のステージへ進化すると言われています。このDr.ルーのビジョンは私の想像を遥かに超える大きなものでした。2006年に初めて聞いたとき、私はこのミッションに憧れ「いつか必ず行くぞ!」と決意しました。そして昨年、12年越しの念願が叶い、ついに参加することができました。

20周年、日本から4人で参加

今回、日本から参加したメンバーは、大陰DC、山﨑美佳(はるか)DC、高井富士織先生と私の4人です。私と高井先生は数年前から大陰DCが主宰する「大陰塾」で、「カイロプラクティック哲学、伝える力、アジャストメント」を学んできました。カイロプラクターとしての自分を磨き、深め、日常の診療での患者教育やスピーチでの表現力、伝達力、音の重要性だけでなく、ミッショントリップに参加できるだけの力をつけてきました。具体的には1日最低100人のアジャスト、重症や難しい状態の人、赤ちゃんや妊婦さんのアジャストメントなどです。

ミッション20周年にあたる昨年の開催地は、サンパウロから車で2時間ほどのウバチュバという海沿いの街です。現地到着からの流れを簡単に説明しますと、初日は集合とミーティング、2日目は現地に慣れるためにリラックスして過ごしました。3日目から7日目の5日間は朝から夕方まで現地の人々へSERVE(=奉仕、我々の場合はアジャストメント)します。8日目はIntegration dayと言って、ミッショントリップでの経験を自分の中に落とし込み、自分のものにするための日です。そして9日目に次の目的地へ向けて出発しました。

憧れのDr.ルー!「リスペクトはしても上下はない」

ブラジル初日の9月29日朝、サンパウロのグァルーリョス国際空港で入国手続きを済ませた私たちを、Dr.ルーが手配してくれたバンの運転手が出迎えてくれました。ハイウェイを下りて、霧がかかった山を2つほど越えた頃、大西洋沿いにあるウバチュバの宿に着きました。車から荷物を降ろしているとDr.ルーとパートナーのLydie(リディ)が数分違いで到着。ずっと憧れていたDr.ルーを目の前にして少し緊張している私に、大陰先生が「魂レベルでは人は皆平等。だからリスペクトはしても、どちらが上とか下とかは気にしてはいけない」と教えてくれたので、自然体で接することができました。

昼から午後にかけて、宿の目の前のビーチで軽く泳ぎ、簡単なランチを取りました。夕方からは、毎晩行われるミーティングの第1回目がありました。はじめにDr.ルーは「なぜ、ここに来たのか? その理由を教えて欲しい」と真剣な眼差しで私たちに尋ねました。その問いかけに対し、私たちは各自の胸の奥にある熱い思いを答えました。その後は今回のミッションのルールと注意事項、言葉が通じない人たちへのミッションでのアジャストの仕方などのレクチャーが続きました。

ブラジルミッショントリップ
親睦を深めるDrルー、リディと参加者たち

「痛みは、その人にとって人生の先生だ」

2日目はビーチで泳いだり、ウバチュバの海を一望できる崖の上のカフェに行ったりして仲間と穏やかに過ごしました。ミッショントリップではチームワークがとても重要なポイントになるので、仲間と楽しく過ごしながらお互いを理解し、現地の雰囲気に慣れる時間も必要です。ビーチを歩いているときにDr.ルーは「痛みは、その人にとって人生の先生だ。だから、それを取るのは失礼。先生を殺してしまう」と教えてくれました。本来のカイロプラクティックにとって「痛み」は、対象ではなくサブラクセーションを特定するための指標の一つだと私は思っています。もちろん体の不調で苦しんでいる方を救うことも、私たちの大切な仕事の一部です。しかし、それがすべてではないということです。本来のカイロプラクティックはサブラクセーションを特定し、アジャストすることで、神経系とイネイトが最高の効率で機能して、健康になる力と人生の質を向上させます。「サブラクセーション、アジャストメント、イネイト・インテリジェンス」、ミッション・オブ・ライトは純粋なカイロプラクティックをより深く表現する場です。だからこそ、奇跡と呼ばれることがたくさん起こります。カイロプラクターはカイロプラクティックの専門家なのだと改めて理解できた瞬間でした!

聞き逃すことのできないDr.ルーの一言一句

Dr.ルーの話はとても示唆に富んでいて、一つも聞き逃せない重要な内容ばかりでした。ここにすべてを書き切ることはできませんが、彼の話す言葉のひとつに「congruent」という単語がありました。「一致」という意味を持つ、このワードを使って彼は大切な教えを私たちに話してくれました。それは思考と感情と行動が一致していると、「本物」になるという教えです。この話を聞いたとき、私は自分の行動や言動が自分の内面の奥にある思考や感情と一致している必要があり、常に意識を持って行動することの大切さを学びました。

ミッション本番

3日目から7日目がミッション本番です。地元の人々に、そのときの私ができるベストのアジャストメントを提供しました。私と山﨑DCの2人は宿から車で約40分に位置する海沿いの観光案内所のサイトで5日間サーブしました。道路を挟んですぐ向かいがビーチで、広い海と波の音が心地良い、解放感溢れる場所です。多い日では1日300人近くの人々を私と山﨑DCでアジャストしました。因みに大陰先生は1人で1日400人くらいアジャストしていたそうです(汗)。

ブラジルミッショントリップ
乳児を施術する大陰氏

ミッション初日の午前中、私たちのサイトは思ったよりも人が集まらず不安になりましたが、Dr.ルーの言葉が私を動かしてくれました。「ミッションは自分たちで創るものだ。カイロプラクターが尊敬と感謝を持って人々をリードし、たくさんの人が集まる、信頼と安心感に溢れた環境を創り出すのだ。何か問題がある場合は、自分の中に問題がある」と。リディも「Connect with my center(自分の中心と繋がるのよ)」と教えてくれました。

ブラジルミッショントリップ
海の見える会場で施術する山﨑氏と水越氏

だから、不安に負けそうになったとき、自分の内側にある負の感情ではなく、希望や感謝にフォーカスできました。このミッションに参加できる喜びと感謝。Dr.ルーとリディの愛。ともに旅をしてきた仲間への感謝。ここに来ることを快く応援してくれた妻と家族への愛と感謝。そして、私たちのサイトに来てくれる人々への感謝。思いっきりカイロプラクティックができる喜び。そんな風に考えていると、自分の心も落ち着きを取り戻しました。心が前向きになると、人は行動を始めることができます。私たちはDr.ルーが書いたミッションの説明文(ポルトガル語バージョン)を持ってビーチを歩き、人々に声をかけました。声かけを手伝ってくれる人たちも現れ始めました。1人、2人とアジャストを受けにくる人が増えていき、気づけばサイトは活気に溢れ、常に10~20人ほどが待っている状態になりました。外側の景色を変えるには、まず自分の内側の景色を変えることが必要だと学びました。

「恐怖や不安は乗り越えるのではなく、飛び込むこと」

この5日間で本当に大勢の人々をアジャストさせていただきました。その中で奇跡的な変化を目の当たりにすることもありました。1例として、初日に来た60代くらいの女性は足が麻痺していて、上手く歩くことができず家族に支えられて何とか会場へ来られました。触診をすると恐ろしいほど全身が強張っていて、アジャストできる箇所がほとんどありませんでした。正直、「この女性に何をすればいいのだろう?」と一瞬不安になりましたが、「暗闇ではなく、光にフォーカスするのだ」と自分に言い聞かせ、目を閉じて静けさの中に入るとDr.ルーの言葉を思い出しました。

ブラジルミッショントリップ
水越氏と山﨑氏がserveしていたロケーション最高のサイト

「恐怖や不安に襲われたときは、まず自分の中に恐怖や不安が在ることを認めなさい。そして恐怖や不安を乗り越えるのではなく、その中へ飛び込みなさい」。この教えを思い出し、恐怖に飛び込むことを決めました。Dr.ルーや大陰先生が教えてくれたように自分のコア、そして相手のコアと繋がることを強く意識し、再度相手に触れると、唯一頚椎の1番をアジャストすることが可能だと確信することができたのです。それは、まるで暗闇の中に見つけた一筋の光のように感じました。落ち着きを取り戻した私は、呼吸を整え、施術を始めました。精神を研ぎ澄まし、正確なセットアップ、LOD、深さ、タッチ、ソラストの速さを確認し、その女性にとって最もマッチするアジャストメントをイメージしました。その、思いを込めて今の自分にできる最高のアジャストをすると、「ボコッ!!」という大きなクラック音とともに頚椎1番が動いたのがわかりました。同時に「これで大丈夫だ」という不思議な感覚を感じました。Dr.ルーの言葉の意味が実体験として理解できた瞬間でした。

ブラジルミッショントリップ
アトラスをアジャストメントして自力で歩けるようになった女性(右)

英語が話せる現地スタッフにポルトガル語で通訳をしてもらい、彼女に毎日来るよう伝えました。毎日アジャストを受けることで彼女の体も日ごとに回復していき、最終日には自分自身の足で歩いて会場まで来れるほどまでになっていて、彼女も彼女の家族も喜んでいました。イネイトの偉大さとイネイトに対しての信頼がより深まる経験となり、「カイロプラクターはイネイトとともに仕事をする」と教わった言葉の本当の意味がわかりました。

10年分くらいの経験

Dr.ルーが「多くのサーブは多くのレシーブになる」と言っていた通り、私たちは自分が提供したサーブ以上に多くの人々から感謝のエネルギーを受け取りました。また、ミッションを通して、多くの学びも得ました。Dr.ルー、リディ、仲間たち、出会ったすべての人々、海や空や空を舞う鳥でさえも、私の先生になっていました。「恐れへの対処方法、意識について、コネクトした状態のアジャストメント、命を懸けるとは、多くの人々をアジャストする思考、フォースが流れるアジャストメント、愛とは、意図とは、情熱とは、落ち着きとは、繋がるとは、真の強さとは」・・・今振り返ると本当にたくさんの大切なことを、この旅を通して私たちは学んでいました。大陰先生が旅に出る前に、「人にもよるけど、今回のミッションの経験は日常の10年分ぐらいの経験になるよ」と言っていた意味がよくわかりました。

ブラジルミッショントリップ
会場近くでジュースを売っていたおじさん。大切にしていたマッサージ器をプレゼントされて喜ぶ山﨑氏

旅の中で私たちはたくさんの経験をしましたが、私の一番大きな気づきは「Connect(繋がる)」でした。目の前にいる人と繋がること、自分自身のコア(中心、核)と繋がること、その深いレベルでの繋がりは巨大な力を生み出すということを知りました。

ブラジルミッショントリップ
毎日アジャストを受けに来てくれ体調が劇的に良くなった女性より最終日にプレゼントをいただく

Dr.ルーは「ミッション・オブ・ライトは自分の子どものような存在だ。だから大切に扱って欲しい」と言いました。前述した様々な体験を通して、私たちにとっても今回のミッションは家族のような大切な存在になりました。旅の最後に私はDr.ルーとハグしました。「この経験を忘れない」と私が言うと、Dr.ルーは真剣な眼差しで「それだけではダメだ。これからは、それをもっと強く大きく育てていくのだ」と教えてくれました。別れ際のこの言葉を聞いて、私の本当のカイロプラクティックは今始まったばかりなのだと実感しました。

ブラジルミッショントリップ
多くの人々から感謝のエネルギーを受け取る高井氏

インスピレーションに従って

今回のミッションにはカイロプラクターとして、また一人の人間として、人生についての多くの重要な学びがあり、ここにすべてを書くことはできません。何より真の学びは、生の体験からのみ得られると私自身感じています。この投稿を読んで何かを感じていただけた方は、Dr.ルーと直接会うことをお勧めします。そのインスピレーションに従って、自分自身のカイロプラクティックを磨き続け、進み続ければ、その先に彼が愛に溢れた笑顔で待っていることでしょう。本当のカイロプラクティックを知り、歩む旅が、そこから始まります。

ミッション中の日課、泳ぎながら見た大西洋の美しいサンライズ。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

水越 隆之(みずこし・たかゆき)
JCDC卒(2005年)
シーガル カイロプラクティック 院長(2013年開業)
ミッショントリップに継続的に参加
ブログ

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