ケリー・メソッドへの誘い 第1回 リンパ・バランシング編 | カイロプラクティックジャーナル

  ケリー・メソッドへの誘い 第1回 リンパ・バランシング編

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ケリー・メソッドへの誘い 第1回 リンパ・バランシング編

ケリー・メソッドの「キモ(肝)」は何と言っても、一に「評価」、二に「評価」、三、四がなくて、五に「評価」です。患者さんの状態を詳細に調べ、治療に必要な情報を収集する。その評価に基づいて治療をし、再評価する。患者さんは様々な症状を持ってやって来ます。もちろん、患者さんの訴える内容は大事です。しかしながら、それに流されてしまっては、良い治療ができません。患者さんの訴える箇所を治療して、上手くいくこともあるでしょう。しかし、上手くいかないこともあります。ケリー・メソッドの評価は、患者さんの訴えにやみくもに迎合することもなく、治療者、患者さんがともに納得する治療を可能にするものです。

日付2018年7月29日
時間10:00~16:00
講師(紹介者):山﨑 徹
会場 科学新聞社6F会議室
東京都港区浜松町 1-2-13
参加費10,800円(税込)※資料・昼食代含む
受講対象者本文をご確認ください
受講制限はありません
主催カイロジャーナル
定員12人
  
今回初めてリンパについて触れる方は、リンパ・バランシングで何ができるの、という疑問があると思います。

リンパ・バランシングに適応する人たちは下記のような人たちです。

  • 運動選手のスポーツ障害
  • 急性、慢性の捻挫、挫傷
  • 自動車事故患者
  • 手術後の患者
  • 整形外科患者
  • 高齢患者
  • 小児患者
  • 内科患者
  • ウェルネス(運動を適宜とり入れながら、健康的に日々の暮らしをすること)
  • 予防医学の患者

などです。

まとめると、高齢者、小児を問わず、急性、慢性疾患の外傷、手術後、内科疾患などに対応できます。

そしてリンパ・バランシングの適応症状は下記の通りです。

  • 浮腫の減少
  • リンパ浮腫(1次的、2次的)
  • 体の解毒
  • 組織の再生、やけど、傷を含む
  • 慢性、亜急性の様々な炎症の緩和
  • 繊維筋痛症の症状緩和
  • 筋スパズムの改善
  • 不眠、活力の喪失、深いリラクゼーションを助ける
  • 頭痛
  • 脳梗塞、頭部外傷
  • スポーツ外傷
  • 手術後
  • 切断手術
  • 呼吸の問題
  • むち打ち
  • 脊椎、胸郭、四肢の整形外科的問題
  • 一般的なウェルネス
  • 内蔵機能
  • エステティック

などです。

一般的なリンパ・マッサージとの違いが理解できますでしょうか? ケリー・メソッドのリンパ・バランシング・テクニックでは、エステティックのような美容から一般的な整形外科疾患のような治療にまで幅広く対応しています。

では、ケリー・メソッドにおけるリンパ・バランシングの評価手順と治療の概略を説明します。血液は心臓から動脈によって細胞、そして静脈を経て心臓に戻ります。しかしながら、全体の10パーセントほどは細胞間にとどまり、リンパ管を経て心臓に戻ります。リンパとは動脈から細胞に栄養を渡した血液が心臓に戻る、もう一つの経路です。リンパ・バランシングではリンパの流れに注目します。

手順としては

  1. リンパの流れの評価をする。うっ滞している場所の確認、それに伴う身体のサインの確認。
  2. リンパの流れを阻害する要因の評価。
  3. 自律神経の評価。
  4. 1~3で見られた評価に対して治療する。
  5. 再評価。1~3をもう一度評価して、治療が成功しているか確認する。

こういった一連の流れで評価と治療を行います。

セミナーでは、ケリー・メソッドに基づいて、リンパ・バランシングを「評価と治療」という切り口で行います。患者さんの訴えに右往左往しないようにすることが大事です。そのためケリー・メソッドでは、局所治療と全体治療という考えで治療します。これは治療するポイントを決めるときに、患者さんの訴えている症状を作り出す一次的な原因を突き止めることにつながります。全体治療とは、患者さんの身体全体を見て治療を行い、症状の変化を見ます。それでも変化しない場合は、局所治療を行って問題解決をはかります。こうした全体から局所という流れで行う治療もケリー・メソッドの醍醐味の一つです。

今回のリンパ・バランシングでは、全体の評価と治療をテーマに講義する予定です。局所治療(リンパ・バランシング下半身編)につきましては、2018年度12月初旬のケリー自身のセミナーで行う予定です。

オステオパシーのテクニックはたくさんあります。オステオパシーはテクニックではないのですが、現実的にはテクニックが多いのも事実なのです。どんなときに、どのテクニックを使うのか? テクニックを学んでも、それは点の集まりであって、お互いがつながりません。ケリー・メソッドは点を線に変えてくれました。南米にナスカの地上絵というものがあります。点とは、地上からナスカの地上絵を見るようなものです。線は上空からナスカの地上絵を見ることができます。どちらが地上絵をより良く見ることができるでしょうか? 鳥のように全体を見下ろすことで、オステオパシーの理解が深まるのです。リンパ・テクニックに興味がある方、ケリー・メソッドに興味ある方、オステオパシーを学ぼうと思っている方々はそれぞれの動機があると思います。数年間ケリーから習ったメソッドをお伝えしようと思います。ともに学びませんか?

ケリー・メソッドの感想

オステオパシーの存在は、カイロプラクティックをやっていた頃から知ってはいたが、なぜか距離があるように感じ、ほとんどセミナーなどには参加していなかった。そんな折、友人から名古屋でオステオパシーのセミナーがあるという情報を聞きつけ参加した。それがオステオパシーとの出会いであった。それから未知の世界に驚愕し、治療に対して冷めかけていた勉強熱も復活した。オステオパシーはわからないことだらけだったので、夢中になって学んだ。知らないことがこれほどあるのか、一体今まで学んできたことは何だったのだろうか、オステオパシーの面白さを感じるとともに、自分の無知にも気がついた。

そんな中で、たくさんのテクニックを学んだ。カウンターストレイン、筋エネルギー・テクニック、FPR、スティル・テクニック、関節の遊び、古賀式、筋膜リリース、靭帯性関節ストレイン(リガメンタス)、内臓、頭蓋、バイオダイナミクス、クラシカル・オステオパシーなど。

多くの先輩やD.O.は、オステオパシーはテクニックではないと言う。しかしながら、上記のようにテクニックの数は多い。オステオパシーが抱えるこういった自己矛盾は一体何なのだろうか? 創始者スティルは、「オステオパシーはテクニックではない」と言い、後世にテクニックを残さなかった。「一に解剖、二に解剖、三、四がなくて、五に解剖」とも言って、基礎医学の重要性、とりわけ解剖学に比重を置いた。正常なものを見つけることで異常がわかるということらしい。テクニックはいかようにも作り出せるということだった。オステオパシーの理屈は頭ではわかるが、どうにも自分自身の臨床には落とし込めていなかった。

そんなとき、斎藤さんとの縁がきっかけで再びケリー・ダンブロジオのセミナーに参加するようになった。初めのうちは、なかなか理解できないところもあったが、回を追うごとにオステオパシーの本質が理解できるようになった。ケリーはどんな内容のセミナーでも半日を使ってオステオパシーの原則、ひいてはケリー・メソッドの本質を講義する。テクニックの数は薬の数と同義である。薬をたくさん知っていても、どんなときに、どの薬を使うのか? がわかっていなければ使えないのと同じなのである。

これは日本オステオパシーの祖である古賀正秀先生も言っていた。「調整法をいくら学んでも、治療法を学ばなければ治療はできない」と。どんなに良いテクニックを習っても、治療法がなければ、宝の持ち腐れになってしまう。ケリー・メソッドを学んでいく中で、今まで何のつながりも感じなかったテクニックがつながっていることに気づいた。思うに、これはケリー・メソッドの「全体性は部分を表し、部分は全体性を示す」という意味ではないか。言い換えれば「全は一、一は全」、つまり「最も大きなもの」と「最も小さなもの」というのは、究極的には全く同じものを指すのである。この概念はオステオパシーを学ぶ上で非常に助けになった。それぞれの一と全を症状という言葉に置き換えてみると、理解が容易になる。一は局所症状、全は身体全体とすると、身体全体が局所症状を作り出す。一は局所、全は身体全体の症状とすると局所の病変がそれを作り出す。お互いに不可分の関係であるということだ。

ケリーはもっと単純に全体治療と局所治療に分けて説明する。病変がどこであろうとも一次的な原因を見つけて治療せよということである。全体からくる場合もあるし、局所に問題が存在する場合もある。それを見極めることが肝要であり、テクニックは補助する手段に過ぎないのである。一見バラバラに見えるテクニックも、この法則に従えば意味あるつながりが見えてくるから不思議である。個人的な意見だが、多くの方にテクニックがすべてつながっていることを追体験してもらいたい。それにはケリー・メソッドに触れることが一番の近道だと思う。

また日本の伝統的教授方法に守破離がある。これの意味するところは、最初は型通りに学び、次に型から飛び出して、最後に自分なりの型を確立するのである。これを守破離と言い、古来よりこうした方法で武道や伝統芸能などを伝えてきた。古賀先生も、「弟子は師の半芸に及ばす」と言い、自分なりのオステオパシーを確立させることの重要性を説いていた。守破離に習えば、離の状態を目指さなければ治療家として大成はできないということだ。ケリーのやっていることは、すべて離である。彼はたくさんのテクニックを学び、それを自分なりに咀嚼して見事に自分のものにしているから。それに彼の教授方法は型から入り、複雑なものを簡単な形にしてくれる。プロトコル通りに従えば型通り学んで、破って、離れることも可能になる。治療家として必要なのは業界で生き残ることだ。生きるためには何が必要か? 何がいらないか? 自分なりの型を身につけるにはどうしたらいいのか? それらに対する答えは人それぞれであろう。どちらにしても答えは自分で探さねばなるまい。回答を導き出すにはケリー・メソッドが十分なヒントを与えてくれよう。私自身がそうであったように。

講師プロフィール

カイロプラクティックから治療業界に入る。塩川満章D.C.よりカイロプラクティックの哲学、技術を学び、増田裕D.C.からはカイロプラクティックの科学的側面並びに神経学を学ぶ。他に、中川貴雄D.C.、高見透D.C.、小倉毅D.C.、大場弘D.C.などのセミナーに参加する。初めてケリーのセミナーに参加したのは、2003年4月26日のPRT出版記念セミナーであった。本格的にオステオパシーの世界に入ったのは、2010年11月からであり、元全日本オステオパシー協会名古屋支部長、山本逸二先生より学び始める。その後、全日本オステオパシー協会の先生たちに師事する。ケリーのセミナーに2012年度より再び参加し、現在まで継続して学んでいる。

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