第29回 臨床編《3》 | カイロプラクティックジャーナル

  第29回 臨床編《3》

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いい姿勢でいこう 第29回 臨床編《3》2018.02.21

左下肢の激しい痛み
横座りやめて大きく改善
カイロジャーナル90号(2017.10.22発行)より

症例
SYさん66歳
生命保険会社勤務
初回来院7月28日

SYさんは生命保険会社に40年以上勤務する大ベテランの営業ウーマン。若い頃からバリバリ活躍して来られたそうです。これまで健康が自慢で大病もなく過ごしてきたそうですが、5年ほど前から少しずつ左の下肢に違和感が出てきて、とうとう階段の上り下りに支障が出るほどになってしまいました。

SYさんの症状は主に左下肢の痛みです。特に左殿部の鈍痛、痛みで左膝を真っすぐに伸ばすことが出来ないこと、左足の指に力が入らないので歩行に支障が出ていることなどでした。写真からは分かりにくいですが、左膝から大腿部にかけて酷い浮腫があり、夏だというのに左の下肢が冷えて辛いということでした。

ちなみに、SYさんの歩く姿があまりにも痛々しいので、職場の同僚にも心配されていたようです。

この左下肢の不調に対してどんな対策を取ってきたのか聞いてみると、左膝が痺れ出した5月下旬から、ペインクリニックに行って2日に1回レーザー治療を受けていたそうです。それにもかかわらず、徐々に悪化してきているとのことでした。

特に長時間座っている姿勢から立ち上がる時に痛みが激しくなることが多く、知人の紹介で当院にたどり着いたのです。

初回来院時の写真①(立位)を見ると、直立時に目立つのは上体が右に片寄っていることくらいです。両膝を曲げて、いわゆる運動をする時の構える姿勢を取ってもらうと(写真②・膝屈曲姿勢)、左膝で踏ん張りが効かないため、右膝だけで曲げているのがわかりました。

いい姿勢でいこう臨床編3写真1
写真①

いい姿勢でいこう臨床編3写真
写真②

頸椎、胸椎、仙腸関節のサブラクセーションにアジャストを行い、写真と姿勢習慣のアンケートを照らし合わせ、以下の姿勢指導をしました。

・家庭では、床に座る生活をしていて普段から右に脚を流して座る横座りをしている⇒骨盤と脊椎の歪みを生むので止める
・職場でデスクワークをする際、脚を組んでいる⇒骨盤と脊椎の歪みを生むので止める
・荷物を左肩にかけることが多い⇒右肩にかけるようにする
・撮影した写真を毎朝必ず見るようにする⇒思い出して指導通りに実践する

特に長年にわたる横座りの習慣は絶対にやめるように伝えました。

▼経過

初回来院時と8月30日段階での数値の変化は、表の通りです。姿勢分析写真は、初回来院時写真①②から、写真③④のように変化しました。

写真③

写真④

立位正面 写真①と③の比較

H29年7月28日 H29年8月30日
眉間位置 右に3.4㎝ 右に0.7㎝
肩位置 右に2.4㎝ 右に1.1㎝
腰位置 右に1.9㎝ 右に0.7㎝
耳水平角 左上がり1.3度 右上がり1.3度
腰水平角 右上がり1.0度 左上がり1.5度
いい姿勢でいこう臨床編3写真1
写真①

いい姿勢でいこう臨床編3写真3
写真③

膝屈曲姿勢正面 写真②と④の比較

H29年7月28日 H29年8月30日
眉間位置 右に3.8㎝ 右に1.4㎝
肩位置 右に3.1㎝ 右に1.3㎝
腰位置 右に2.8㎝ 右に0.9㎝
耳水平角 右上がり1.9度 右上がり2.0度
腰水平角 左上がり3.3度 左上がり2.0度

※株式会社ジースポート社製 ゆがみーる使用

写真②

いい姿勢でいこう臨床編3写真4
写真④

一部、歪みが大きくなった部位がありますが、大部分で大きく改善が見られました。本人も毎朝姿勢の写真を見て、横座りをしないように、また荷物の持ち方を注意することを確認しているそうです。当初の状況をペインスケールで10とすると、通院して約1ヶ月、トータル通院回数11回後の8月30日には、2.5まで改善しました。

まだ、左殿部の重だるさがあり、左膝の伸展の際に伸ばし切るところまではいかないということですが、足の指に力が入るようになったこと、左膝上部のむくみが軽減したこと、および歩行時に足を引きずることがほとんどなくなったことなど、本人が納得できる明らかな変化がありました。その回復スピードに驚いた同僚もいたということです。

アジャストが大切なのはもちろんですが、サブラクセーションの再発防止のために本人の姿勢習慣の見直しも大切だと思います。患者教育として姿勢習慣の改善法を伝えられることは施術家として大きな武器になるのです。

今回、紙媒体での連載最終回にあたり、皆様に一言述べさせていただきます。「姿勢」に関する関心の高まりは、10年前とは比較にならないほど増えました。引き続き、姿勢を保てる体作りの重要性を世の中に浸透させるべく、活動していきたいと思います。カイロジャーナルで連載した「いい姿勢で行こう!」を読んでいただいた皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

碓田 拓磨D.C.(うすだ たくま)
1967年 長野県生まれ
1992年3月 早稲田大学社会科学部卒業
1992年4月 (株)リクルート入社
2001年3月 米国アイオワ州パーマーカイロプラクティック大学卒業
2002年2月 虎ノ門カイロプラクティック院開業
2005年4月 早稲田大学オープンカレッジ「姿勢と健康」講師
2010年 一般社団法人日本姿勢教育協会理事
「健康な人はなぜ姿勢がいいのか」(主婦の友社)
「即効1分間キャットレッチ 肩こり・腰痛 こんなにラクになるなんて(青春出版)
テレビ出演
となりの子育て(NHK教育)
世界一受けたい授業(日本テレビ)
ホンマでっか!?TV(フジテレビ)
あさイチ(NHK)
はなまるマーケット(TBSテレビ)
首都圏ネットワーク(NHK)
あげるテレビ(フジテレビ)

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