其の十 『日本カイロプラクティック学会 第1回学術大会』 | カイロプラクティックジャーナル

  其の十 『日本カイロプラクティック学会 第1回学術大会』

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斎藤信次残日録 其の十 『日本カイロプラクティック学会 第1回学術大会』2017.05.15

「やっとここまで来た」

ほぼ始発に乗って待ち合わせ場所に行った。そこから名古屋を目指したわけだが、同行は池田さんと当時出版担当(カイロプラクティックもその中)の役員、島井(善蔵)さんである。いくら寝不足だからと言って、この二人の前で眠るわけにはいかない。

私もこの頃はまだウブだったのだろう。後日、「お前はどこでも寝るなぁー」と言われ続けている。そうして名古屋大学鶴舞校舎(医学部)に着いた。

旧帝大、それも医学部の校舎を舞台に、カイロプラクティックの学術大会が開けるなんて、とても想像できなかった。それまでの不勉強を言うようでなんだが、科学新聞社に入社してはじめて、学術会議、学術振興会、JICST(のちにJSTへ移行)、NEDO、国研(のちの独法等)、国に登録されている学術団体(学会等)の存在を知った。カイロプラクティックにこんな力があったのか? それにプログラムに名を連ねている顔ぶれの見事さ、拙いカイロプラクティックの知識しかなかった私でさえ、その凄さを感じ取ることができた。

記憶だけで書くと、その後の付き合いの深さが露骨に出るので、当時の資料を見ながら書かせていただく。学会長は高木健太郎氏、大会委員長は伊藤不二夫氏(当時、名古屋大学医学部理学療法部副部長。彼がいなければこの画期的な出来事は実現できなかったろう)、実質の事務局を担った中京カイロプラクティック学院の村井正典氏、教育講演は前述の伊藤大会長と佐藤昭夫氏(当時、東京都老人総合研究所生理部長)であった。

シンポジウムおよび一般演題の司会、座長、演者として登壇した人たちの名を書こうと思ったら、すごい数なので全部書いてもわからない人がたくさんいるし、この人の名前を挙げてこの人の名前がないというのもなんだしと思い始め、結局書くのを遠慮することにしたが、とにかく錚々たるメンバーであった。大会が進行しているときは会場内へ、休憩時間には展示ブースで販売と目の回る忙しさだったが、どちらに行っても一刻も疎かにできないという熱気で溢れていて、こちらも一瞬たりともムダにしてなるものかとという気になっていた。当時、知れた数の出版点数だったが、行った甲斐があったどころか、かなりの売上だった。

この頃から20年ほどは、どこのイベントに顔を出しても必ずそれなりの売上を示すことができた。単純にバブルの崩壊や出版不況という言葉では片づけられない時代がやってきてしまった。ほとんどのことが、取り敢えずはネットで見ることができる。それ以上のことを知ろうとする人が減ってしまったのである。聞くところによると、ほとんどの医療器屋さんの売上も落ちているようである。当時とは比べものにならないほどいいモノを作っても、それで大丈夫とはならない世の中になってしまった。

この稿で言おうと思っていたことはこんなグチっぽいことではない。私は1980年の11月1日~3日にかけて、体調不良にもかかわらず、世話になった人への義理、贔屓にしている人への人情、引き受けた仕事が一気に重なってしまった。この3日間を終えたとき、人間気の持ちようでなんとかなるな、サラリーマンでなんとかやっていけるな、という自信のようなものが芽生えた。

その後もいろんなものが重なり合ってやってきた、というか、そんな仕事のやる方をせざるを得なかったというのが当たっているだろう。1983年に始まった『カイロプラクティック夏季大学』をはじめとするカイロプラクティックのイベントと出版の事業、1984年から始まった『科学技術庁(現 文部科学省)からの受託事業』(科学技術振興調整費の成果のとりまとめ)、入社とほぼ同時期に社内にできた『科学技術振興会』(科学機器、分析機器関連会社への学術予算セミナーや情報の提供)を、前社長の池田さんと二人三脚でやっていた。

あの日、『源兵衛』から頼まれてなかったら、『けめこ』の移転がなかったら、名古屋に行ってなかった、今の私はなかったと思う。このことを言いたくてずいぶん回り道をしたが。ケリをつけられてホッとした。今後はまた時を追いながらその時々のことを回想しながらできるだけ長く書き続けたいと思う。

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