2014 3月カイロプラクティックジャーナル

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<第39回>遅発性の関連痛を考える

投稿日:2014年03月28日

カイロジャーナル79号 (2014.2.22発行)より

関連痛とは、障害部位から離れた健常部位にも現れる痛みのことである。その機序についても諸説があり、未だ決定的な仮説が見当たらない謎だらけの痛みである。これまでと同様に小殿筋を例にして考えてみよう。Travell & Simonsの『トリガーポイント・マニュアル』に記載されている小殿筋トリガーポイント(TrP)は、概ね次の点で特徴的である。

  1. 小殿筋TrPは「坐骨神経痛の成り済まし筋」として知られている。だから根性痛として診断されることが多い。
  2. 小殿筋TrPの関連痛は耐えられないほど持続し、そして非常に激しいものがある。
  3. 関連痛の範囲も一般的には足首までで、足首を超えるケースは稀である。
  4. 痛みを鎮静化する歩行をとる。そのため段階的な跛行あるいはステッキを用いての歩行とならざるを得ない。
  5. 小殿筋は殿筋の中でも最深層の筋で、その前方部は大腿筋膜張筋と中殿筋が三層に重なり合い、後方部では中殿筋と大殿筋の三層で構成されている。
  6. 痛みの関連区域に痛覚の変化や感覚異常または麻痺が診られることもある。
  7. 小殿筋の活性TrPが単一の症候群として現れることはほとんどなく、梨状筋、中殿筋、外側広筋、長腓骨筋、腰方形筋、時に大殿筋と関連してことが非常に多い。

この小殿筋のTrPの特徴からもうかがえるように、個別の筋におけるTrPの特徴を押さえておく必要がある。そうは言って、マニュアル通りのTrPが必ずしも存在するというわけでもなさそうだ。ここは身体の機能的側面を膜系および筋系の連続、運動連鎖の視点から捉え直すことが必要だと思う。

こうした関連痛が遅れてはじまるケースによく遭遇することがある。この遅発性に始まる関連痛の機序もよく分からない。広く知られている関連痛のメカニズム仮説は、Ruchの「収束―投射説」である。この仮説は、脊髄後角に収束する同一のニューロンが存在しなければ成り立たない。近年、こうした収束するニューロンが脊髄だけでなく、より上位の痛覚伝導路にも、また一次ニューロンにも収束ニューロンが見つかっているのだそうだ。と言うことは、どの神経レベルでも収束現象が起こりえるということなのだろう。

皮膚は身体内部と外界の境界をなしている。したがって、常態的に情報のやり取りが行われている。一方、内臓からの情報は皮膚と違って明確な定位はない。だから、脳は内臓からの痛み情報を皮膚から入力と勘違いして投射する、というのがRuchの「収束―投射説」である。

では、なぜ障害部位から遅れて関連痛が起こるのか、というのは謎である。「収束―投射説」では、この遅れを説明できないからだ。したがって、この収束説の仮説はMPSの説明にはならない。そもそも関連痛に関する仮説は「末梢説」と「中枢説」に大別され、19世紀後半から諸説が出始めた。そのいずれもが遅れてやって来る関連痛の機序を説明しきれていない。

そんな中で。明治国際医療大学生理学ユニット・川喜田健司教授の論文「筋硬結の基礎最前線」に興味深い仮説が紹介されていた。Peter E. Baldry の仮説である(図参照)。脊髄レベルでのニューロン・ネットワークにおける可塑的変化と新しい受容野の広がりについて、「眠れるシナプス」の結合という視点から仮説が構築されている。これはRuchの「収束―投射説」を発展させたものである。


川喜田健司『筋硬結の最前線』より転載
川喜田健司『筋硬結の最前線』より転載

端折って分かりやすく説明すると、例えば、小殿筋を支配する神経回路をAとしよう。この神経は脊髄の特定の二次ニューロンとシナプスしている。そこに小殿筋に損傷が加わると、痛みの信号がAの回路を伝導する。このAの回路は、Bの回路と連絡がある。Bの回路を、遠隔筋であるハムストリング支配と仮定しておこう。ところがAとBの結合は、形態学的な連絡があっても機能していない、言わば「眠れるシナプス」である。眠れるシナプスは、損傷による化学反応によって機能し始める仕組みである。また、Aと結合した皮膚との神経回路Cも「眠れるシナプス」である。さらに、遠隔筋であるハムストリングと、Aの神経が収束する二次ニューロンとのシナプスする「新しい受容野」が作られる。これをDとする。

こうしたサイレントなシナプスからの脊髄レベルでの収束があり、さらには新しい受容野の発現まで、ニューラル・ネットワークから関連痛の機序を明かしている。この新しい受容野の発現までは5分以上かかるとされている。

さて、ヒトでの遅延は10数秒単位とされていて、この仮説ではその時間差をどう解決するかが課題でもあるようだ。サイレントなシナプスが機能する化学反応系も、今ひとつ明らかではない。サイレントなシナプスが同定され、それを機能させる化学反応系が明確になる必要があるのだろう。


JAC安全教育推進決定

投稿日:2014年03月22日

日本カイロプラクターズ協会は、安全な施術が行えるWHO基準カイロプラクターを育成する目的で「安全教育プログラム」を4月から実施する。国民生活センターからの要請を受けての対応だという。実際の教育は東京カレッジオブカイロプラクティック(TCC)に委託する。対象者は、過去にカイロを学びカイロの臨床経験が2年以上の人。

詳細についてのお問い合わせは、TCC(03・3437・6907)まで。

ケリー・ダンブロジオ FRT膜リリース 第2回 二日間

投稿日:2014年03月22日

2014年3月22日(土)23日(日)二日間

PRT 1DAY セミナー

投稿日:2014年03月21日

岡井 健「マイプラクティス7」「カイロプラクティックで夢をつかめ!」

投稿日:2014年03月12日

ケリー・ダンブロジオ FRT膜リリース 案内

投稿日:2014年03月11日

FRT:Fascial Release Technique

今秋(2013/11/23)より、全4回シリーズのDr. FRT:Fascial Release Techniqueセミナーがスタートします。詳細で正確な評価を行い、明確な診断の基に治療を行うことをモットーとする正統派オステオパシーの評価と治療方法のセミナーです。

膜リリース・テクニックは、日本でも様々な方法で学ぶことができるようになりましたが、テクニックのやり方に主眼が置かれていることが多いようです。「テクニックのやり方だけ身につけても実際の臨床には不十分である」といのがDr. ケリーの考え方です。

テクニックを覚えて、患者さんの愁訴のある部位にそのテクニックを施す治療者はとても多い。どこの国に行ってもそういう治療者が多数派だ」とDr. ケリーは言います。しかし、正統なオステオパシーではそのようなテクニックの使い方はしません。患者の全身を診て、最も必要な部位に徒手テクニックを施します。これは愁訴の部位ではない場合が圧倒的に多いのです。特に膜に関してはそうだと言えます。膜は身体全体を袋のように包み、身体の内部まで蜘蛛の巣のように張り巡らされています。ある部位の痛みは、別な部位の収縮によって膜を通じて引っぱられて起きることがしばしばあり得ます。

痛みの原因を突き止めるのはそう簡単なことではありません。頭部の痛みの原因は足底かもしれないし、肩かもしれません。可能性はいくらでもあります。つまり全身を素早く評価できるようにしておくことが大切で、そうでなければ、いくらテクニックを覚えても臨床に本当に役立てることはできないのです。

Dr. ケリーのセミナーでは、評価によりトータルボディーリージョンを特定すること=診断に力点を置いています。膜テクニックを使う治療であっても、姿勢、関節可動域、整形学検査などを駆使して、膜の緊張(収縮)部位を正確に特定していきます。

治療テクニックの教え方にも特徴があります。オステオパシーの膜リリース治療の重要概念であるテコ(lever)について詳しく学びます。短いテコ、長いテコの原理を知り基本を習得すれば、柔軟な応用ができるようになります。リリース強化テクニックも様々な種類があり、これらを組み合わせることで、状況に応じた多様なテクニックの使い分けが可能になります。1つ1つテクニックのやり方を覚えるというより、重要な技術を習得し、応用を利かせることに重点を置いています。

全4回を1年間で修了

Dr. ケリーの治療体系(オステオパシー徒手療法の原則でもある)では、局所の治療にも全身の可能性を考慮する必要があります。全身の評価と治療を効率的に学べるように、全4回を1年間で修了するスケジュールを組みました。この機会をぜひご利用ください。

内容
4回のモジュールで全身の評価と治療法をカバーします。第1回と2回が下半身(横隔膜より下の身体部位)、第3回と4回が上半身(横隔膜より上の身体部位)です。
それぞれパート1で基礎的な評価法(検査法)と治療テクニックをカバーします。パート2はリッスン&フォローによる評価と治療法と、部位ごとの関節/縫合に対する膜リリース・テクニックをカバーします。
各回の単独受講も可能ですが、パート1と2は元々4日間で構成されたセミナーを2日ずつに分けたものですので、継続して参加することをお勧めします。
第1回:FRTLQ-1 下半身の膜リリース・テクニック パート1
オステオパシー哲学、膜の一般概念と原理について。腹部、腰部、下肢の評価法。一般的なFRTと、リリース強化テクニックの方法と下半身への適応方法。短いテコと長いテコの使い方と下半身への適応方法。横隔膜、骨盤底膜リリース、腰下肢の筋膜リリース、腹部臓器のリリース。
第2回:FRTLQ-2 下半身の膜リリース・テクニック パート2
下半身のリッスン&フォロー(傾聴と追従)による評価と治療方法。下部胸椎、腰椎、仙腸関節、仙骨、腰仙関節、恥骨結合、股関節膝、足首、足の関節の関節膜リリース。
第3回:FRTUQ-1 上半身の膜リリース・テクニック パート1
オステオパシー哲学、膜の一般概念と原理について。胸部、頚部、上肢、頭蓋の評価法。一般的なFRTと、リリース強化テクニックの方法とその適応について。短いテコと長いテコの使い方とその適応について。胸郭入り口リリース、頸胸部、上肢の筋膜リリース、胸部臓器のリリース。
第4回:FRTUQ-2 上半身の膜リリース・テクニック パート2
上半身のリッスン&フォロー(傾聴と追従)による評価と治療方法。上、中部胸椎、肋骨、頸椎、頭蓋、上肢(鎖骨、肩、肘、手首、手)の関節の関節膜リリース。頭蓋仙骨(硬膜管)リリースについて。
講師
ケリー・ダンブロジオ(Kerry D’Ambrogio) D.O.M., A.P., P.T., D.O., M.T.P.
理学療法士、オステオパス、鍼灸師、アスレチック・セラピストなどの資格を持ち、アメリカ・フロリダ州でクリニックを開業している。教育活動にも力を入れており、わかりやすく、統合的なセミナーには定評がある。アメリカを始め世界中で年に約30回(80日)ものセミナーを行う。アプレジャー・インスティチュート、バラル・インスティチュート、ボディートーク・インスティチュートなど国際的に著名なオステオパシーおよびエネルギー療法の団体の講師も務めている。
著書:『PRT ポジショナル・リリース・セラピー 筋骨格系機能障害の評価と治療』(科学新聞社刊)
DVD:『ポジショナル・リリース・セラピー』(科学新聞社刊)
ドクター・ケリー・ダンブロジオ特設ページ
ドクター・ケリー・ダンブロジオ オフィシャルサイト(英語)
http://www.dambrogioinstitute.com
日程
第1回
2013年11月23日(土・祝)24日(日)
第2回
2014年3月22日(土)23日(日)
第3回
2014年7月20日(日)21日(月・祝)
第4回
2014年11月23日(日)24日(月・祝)
時間
初日:10:00~19:00(8時間・昼休み1時間)
2日目:9:30~16:30(6時間・昼休み1時間)
会場
味覚糖UHA館東京(港浜松町 1-26-1 )
受講料
各回毎の支払い(1回分)
55,000円(税込)
※消費税について
2014年4月に消費税増税が予定されています。増税が実施された場合には、それに伴い受講料改定となりますので、ご了承ください。4回分一括払いの場合は、増税分の加算はございません。

受講者のバックグラウンドについて
これまでの開催では、カイロプラクティックおよびオステオパシーで開業している先生方、柔道整復師、理学療法士、鍼灸師、マッサージ師、およびこれらの学校の学生が多く受講されています。このセミナーの受講には資格条件はありませんが、基本的な解剖学、生理学、徒手医学臨床の知識を前提としています。

中川貴雄の臨床応用 第三回 大阪

投稿日:2014年03月02日

榊原直樹DCのスポーツ・カイロプラクティック 第3回

投稿日:2014年03月02日

毎月:第一日曜日を予定 10:00~16:00

第3回の申込は終了しました。

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