2011 10月カイロプラクティックジャーナル

  2011  10月

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<第20回>カイロ啓蒙のススメ

投稿日:2011年10月28日


カイロジャーナル72号 (2011.10.28発行)より      

<第25回>「神経因性疼痛の機序と舞台」

投稿日:2011年10月28日

カイロジャーナル72号 (2011.10.28発行)より

ところが、この悪循環説だけでは理解できない痛みの存在が明らかになる。それが神経因性疼痛とされる難治性の痛みである。神経因性疼痛は悪循環説にみる痛みの発生機序と全く違っている。神経自身が痛みのジェネレーターになるのだ。舞台は、脊髄における神経細胞である。

In vitro神経根モデル

神経因性疼痛の機序(『細胞工房別冊 脳を知る』113頁より)

熊澤孝朗先生の論文「痛みは歪む」に、分かりやすい図が示されていたので引用した(図)。図には、痛覚神経終末が脊髄の神経細胞に接続される舞台での活動が示されている。脊髄の神経細胞には、いくつかの受容体がある。重要なのは「NMDA受容体」で、このゲートが開いてしまうと中枢での痛み感作が作動するのだが、通常ではこのゲートは閉ざされている。マグネシウム(Mg)で、ゲートに蓋がされているのである。

神経終末端ではグルタミン酸とサブスタンスPが蓄えられていて、特にグルタミン酸は脊髄における痛みの伝達物質として主導的役割を演じている。補佐役はサブスタンスPである。グルタミン酸の役割が明らかになった背景には、毒ササコを食べた婦人にアロデニア症状が出たというエピソードからだった。毒性物質はアクロメリン酸で、グルタミン酸を分子構造内に持っており、これが脊髄の抑制系介在ニューロンを選択的に破壊するということが分かったのである。

さて、強い痛みが持続的に伝達されるようになると、グルタミン酸は神経終末から多量に放出されてくる。ところが、グルタミン酸を受容するNMDA受容体は、Mgによって閉ざされている。そこで別のイオンチャンネルnon-NMDA受容体のゲートになだれ込み、脱分極が活発になる。

この脱分極の活発化は、Mgの蓋を外す時の第一の力となる。こうした状況が続くと、この働きに補助的に働くのが神経終末に蓄えられているサブスタンスPである。この神経ペプチドの受容体はNK1受容体で、サブスタンスPが入り込むことで細胞内変化が起きてPKC(たんぱく質キナーゼC)が作られる。このPKCがNMDA受容体の蓋を外す第二の力となる。

こうしてNMDA受容体のMgの蓋が開くと、グルタミン酸がNMDA受容体になだれ込み、同時にカルシウムイオンも流れ込んで興奮し、痛覚物質であるプロスタグランジンと一酸化窒素(NO)が作られることになる。

プロスタグランジンは脂溶性で、NOは気体であるため、どちらも細胞膜を易々と通過し、痛みは中枢性の感作となって伝達されて行く。神経因性疼痛という難治性の痛みは、侵害受容性疼痛とその機序が全く異なる頑固で鋭敏な痛み症状となる。


<第3回>筋のストレッチを考える

投稿日:2011年10月28日

カイロジャーナル72号 (2011.19.28発行)より

筋のストレッチは、短縮した筋を引き延ばすために行われる。よく運動前と後にストレッチをするほうが良いと言われているが、長くAKに携わってきた私としては、ただ一般的にストレッチが良いと言われても納得がいかない。ここでは、私の知る限りの範囲内でストレッチについて考えてみたいと思う。

まず、ストレッチする筋は過緊張であることが前提となっているが、そもそも過緊張とはどのような状態を指すのであろうか? 筋腹を触診し左右や周囲の筋との硬さを比較するという方法は、単に緊張度、筋の硬さの比較である。本当に硬いほうが過緊張なのか、また硬いほうが正常で柔らかいほうが低緊張なのか、この方法だけではとても判断することはできない。

一つの方法としては、筋が伸長されている状態で、その筋が通過する関節の可動域を制限することによって判断することができる。筋が関節の機能を制限することになるため、筋腹が対側や周囲の筋組織よりも硬く触診され、さらに関節の可動域を制限するものであれば、その筋の機能は異常であり過緊張である可能性が高い。

通常、このようなケースで筋のストレッチが行われる。筋による可動域の制限がない場合、関節の靭帯などを伸長することになってしまう。過緊張の筋による可動域制限は、他動的な伸長に対して弛緩しないために起こる。

筋のストレッチにおいて、神経学的にどのようなことが起こるのか考えてみたい。他動的に筋線維を引き伸ばすように関節を動かす。この操作では筋線維が引き伸ばされることで、同時にストレッチを加えている筋の筋紡錘もまた引き伸ばされ、α運動ニューロンを刺激することになり、ストレッチしている筋の収縮が起こることになる。さらに筋を伸長する力を増し、ストレッチを続ける状態でも同じ反射が繰り返される(図1)。

図1

図1

しかし、反射は永遠に続くことはない。筋の伸長反射は単シナプス反射であり、介在ニューロンによる抑制が起こることはない。しかし、侵害受容器からの入力のみ、この反射弓をブロックすることが可能であるが、この経路による伸長反射の抑制は起こすべきではない。

侵害受容器からの入力の他に、伸長反射はシナプス疲労により反射自体が減少する。このため、筋線維を物理的に引き延ばすことが可能になる。しかし、シナプス疲労によって反射が減弱する場合、つまり、過剰なストレッチ後に可動域が改善した後で起こることは、反射自体の感受性の低下、反射の鈍麻であり、ストレッチ後のパフォーマンスが低下する可能性がある。伸長反射や筋紡錘の感受性は不随意の反射とともに、γループ(図2)を介する随意運動により、すべての筋の活動のベースとなるものである。このため、伸張反射が鈍麻すれば、運動を司る小脳、視床、基底核への求心性入力が低下し、不正確な求心性の情報や不正確な反応が起こる。

図2

図2

これは訓練を積んだアスリートたちのような人たちであれば、フィード・フォワードによりカバーできることも考えられるが、普段あまり運動を行わない人たち、特に普段運動を行わず臨床で痛みを訴えている人たちに対しては禁忌となる可能性がある。強い長時間のストレッチの後に、シナプス疲労が起きているかどうかを判断するためには、ストレッチを加えた筋の腱反射(図3)、あるいはγ1、検者誘発性筋力テスト(伸張反射とγループを評価する)で評価すべきである。

図3

図3

もし腱反射や筋力テストの反射の減弱、あるいは消失が起こる場合、シナプス疲労により反射が減弱している可能性が高いと考えられる。例えその効果が一時的なものとしても、これを繰り返すことでシナプスでの感受性が低下する可能性があることを認識し、注意することが必要である。臨床では、ストレッチ後にストレッチした筋を使用するような動作は避けるべきであるということを意味している。

私の個人的な見解では、ストレッチは結合組織を物理的に伸長し、短縮した結合組織を伸長するために用いられるべきであり、靭帯、硬膜、筋膜などの短縮に対しては有効であると考えられる。筋をストレッチする方法は、筋膜の短縮がある場合にのみ有効であり、過緊張筋を力で伸ばすようなストレッチに疑問を持たざるを得ない。

一般の人たちはともかく、臨床家であるわれわれが行うべき過緊張筋への対処は、単にストレッチを加える代わりに過緊張を起こす原因を考慮することであると考える。考えられる過緊張の原因は、脊椎部での支配神経の刺激、共力筋の低緊張、拮抗筋の低緊張、筋がサポートする構造の安定性減少、固有受容器の問題、循環不全、栄養我的な欠乏(カルシウム、ビタミンEなど)、疲労、筋連鎖による相互活動、固有受容器からの求心性遮断などである。

それぞれの原因を検査して治療を加えることが、われわれ治療家が行うべきことではなかろうか? 可動域を制限している硬い筋をストレッチすることは、その場では可動域改善や症状の軽減に有効であるとしても、後に機能低下を招く可能性があるとするならば、われわれ治療を生業とする者として、これから徒手医学を学ぼうとする人たちに対しても、他の方法を試みるよう務めていくべきではなかろうか?

<第24回>「「痛みの悪循環説」と侵害受容性疼痛の機序」

投稿日:2011年10月28日

カイロジャーナル72号 (2011.10.28発行)より

これまで侵害受容性の痛みと神経因性の痛みについて触れてきたが、両者の機序はどのように違っているのだろう。その舞台を覗いてみることにしよう。

さて、1943年にリビングストン(英)が発表した「痛みの悪循環説」は、その後も多くの支持を得てきた理論である。侵害受容性疼痛の機序は、この説でよく理解することができる。

組織が侵害されると受容器が痛みを中枢性に伝達する。この痛みの持続は交感神経を緊張させるところとなり、局所に血流の循環不全が起る。その部位は虚血、乏血状態となって、組織の酸欠と栄養の欠乏状態となる。この事態は、その部位に発痛物質が分泌・遊離されることとなり、それを受けてさらに受容器は興奮する。こうして痛みの悪循環がはじまる。痛みの伝達は脊髄反射によってさらに組織の拘縮をつくり、それがさらなる組織の虚血を生むということで悪循環を修飾する。

この悪循環説には逆循環のルートがある。サーノのTMS理論などが、この逆回りルートからの痛みを主張している。要するに最初に作動するのが脳の不安情動系だというわけである。怒りや不安といった情動的なストレスは交感神経を介して細動脈などの血管を収縮させる。そして組織の酸欠状態がつくられる。

こうしたストレスが習慣化され、あるいは条件付け反応が起ることで、副腎が刺激される。いわゆるストレス反応が起ると、やはり血管が収縮して酸欠組織ができあがり、発痛物質が分泌・遊離されて侵害受容器は興奮し痛みが伝達されるのである。脳の不安情動系から起動した痛みのサイクルは、リビングストンの悪循環説のルートに戻り、痛みのサイクルの悪循環が回りだす。こうして圧痛点もつくられることになる。


<第23回>「根性痛の根拠とする実験の信頼度は?」

投稿日:2011年10月28日

カイロジャーナル72号 (2011.10.28発行)より

椎間板ヘルニアによる根性痛の圧迫説に疑問が出始めると、一転して炎症説が浮上してきた。整形外科学会と厚労省が関わって製作された『腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン』にも次の記述がみられる。「坐骨神経痛は膨隆型に比べて脱出型椎間板ヘルニアにより強く認められ、発現機序としては圧迫より炎症との関連が考えられている」。

菊地臣一教授も『続・腰痛をめぐる常識のウソ』の著書の中で「椎間板ヘルニアに伴う神経根障害の発生には、髄核による種々の炎症起因物質が関与していると考えられています。神経根に髄核を接触させると、電気生理学的な神経根障害と神経根の血流障害が発生します」と書かれ、この障害は約3週間で回復すること、抗炎症薬(インドメタシン大量投与)で抑制されること、またヘルパーT細胞の活性を抑制する(サイクロスポリン投与)ことでも抑制されることから、椎間板ヘルニアによる神経根症状は「自己免疫的な因子が深く関与している炎症作用」である、としている。

それでも、炎症説の検討課題を以下のように述べている。「臨床上、椎間板切除術を行った後に、髄核と神経根は接触を起こしているはずですが、術後に神経症状が悪化するわけではありません。一方、変性椎間板では髄核の液性成分が漏出していることもまた事実です。このような現象は髄核の科学作用にどう影響しているのか、またどう解釈するのかが今後の課題です(『続・腰痛をめぐる常識のウソ』5頁)」。さて、髄核から漏出される炎症起因物質が果たして根性痛を引き起こすのだろうか。

根性痛を説明する多くの仮説には、後根神経節や後根での炎症が起こっていることを前提にして論理が展開されているようである。ここには少なくともクリアすべき課題が二つある。ひとつは、炎症説の根拠となる実験の信頼度は高いのか、という課題である。もうひとつは、なぜ術後に漏出する髄核からの炎症起因物質の作用が起こらないのかである。

旭川医科大学の熱田祐司講師の「腰部神経根障害の実験モデル」と題する論文がある(『CLINICIAN』No.460、1997)から実験の信頼度を考えてみたい。この研究の目的とするところは、圧迫の程度と根性痛の程度は一般に相関しないこと、根性痛は保存療法によって数週間以内に軽減することから、 物理的影響以外の刺激因子可能性を検討したものとしている。

実験は生体外で行われるin vitroモデルで、犬より採取した腰部神経根をサンプルにしている。サンプルは神経節(DRG)を付けており、それを酸素飽和した人工脳脊髄液に入れて、中枢端を数本の神経束に分離して神経活動を図1のように検出した実験である。

In vitro神経根モデル

図1 In vitro神経根モデル

著者は、In vitroモデルは他の神経組織の影響を受けずに単一要素の作用を観察できることを利点として強調している。このサンプルの神経根に、実験動物から採取した髄核組織を粉砕して作用させると発火現象が誘発される、という実験の結果(図2)になる。

髄核に誘発された異所性発火

図2 髄核に誘発された異所性発火

この発火現象は炎症局所の二次的炎症物質PGEを作用させた場合も同様の結果であり、さらに酸素分圧を低下させて虚血の環境状態を作っても同様の発火がみられた、とするものである。つまりは、どんな刺激にも発火現象が見られるのだろう。

髄核投与後数分で神経根の発火現象が誘発されるとするこの結果から、著者は根性痛が化学刺激性による炎症の証拠だと主張しているが、果たしてこの結果を額面通りに受け取れるのだろうか。

サンプルとした神経がすでに両端を切断した病態モデルであり、研究デザインに問題があるとは言えないだろうか。なぜなら、この神経切断の病態には異所性発火が起こるとされているからである。「あらかじめ傷害しておいた脊髄神経根を機械刺激すると、持続的なインパルス発射が誘発される(横田敏勝著『痛みのメカニズム』)」ことからも明らかなはずである。

したがって、このようなin vitroの実験による結果から、根性痛の根拠とする炎症説に結びつけても課題をクリアしたことにはならないだろう。どう考えても、この実験でのサンプルは病態モデルであり、異所性発火が起こることは自明のことであろう。

まさかヒトの生体内でこうした実験を行うわけにはいかないのだろうが、椎間板ヘルニアの摘出手術では興味深い現象をうかがうことができる。椎間板の突出部を摘出するということには、必然的に髄核の炎症起因物質が漏出するわけで、そのことは即ち神経根部や後根神経節に炎症を起こす状況が作られることになるはずである。もちろん周辺の組織にも損傷が伴い炎症物質が滲出することになる。いわば、これは生体内の実験に等しい。

ところが、椎間板ヘルニア部の摘出手術によって、その炎症起因物質による根性痛が出現することについては指摘されることはない。炎症起因物質が自然吸収されるまでには3週間ほどかかるとされている。「神経根に髄核を接触させると、電気生理学的な神経根障害と神経根の血流障害が発生します。その障害は3週間で回復します(菊地臣一著『続・腰痛をめぐる常識のウソ』P5)」。というのであるから、術後は少なくとも3週間は炎症による根性痛が発症しても不思議な話ではないはずである。

なぜだろう? 根性痛の原因とする椎間板の突出部を切り取って、さらに炎症物質を拡散させることで根性痛が悪化したのでは笑い話であるが、そうしたことは臨床の現場では起きないのだろう。順当に解釈すれば、正常な神経では炎症起因物質による根性痛などは起こさないのだとなる。

ところが、動物実験によると、炎症による異所性発火の痛みに有効な薬物があるとされているようである。前述の熱田論文では、発火現象がみられた神経のサンプルにメチコバールを投与すると異所性発火を抑制出来るとして「根性痛の原因となる異所性発火を抑制することが出来れば、椎間板を摘出するような手術的治療を行わなくても症状を改善できる可能性がある」と論文を締めくくっている。

また、菊地教授は異所性発火が「抗炎症薬(インドメタシン大量投与)で抑制されること、またヘルパーT細胞の活性を抑制する(サイクロスポリン投与)ことでも抑制される」と述べている。

それならば、椎間板ヘルニアによる異所性発火にそうした薬物を使えばいいだろうと思うのだが、臨床の現場では最後は手術頼みが定番のようである。実験通りには事が運ばないからなのだろう。

でも、手術で痛みが劇的に良くなったという話もよく聞くし、逆に悪化したり、変化しない例もよく聞かれる。治らなかったケースは、異所性発火によるものではなかったのだろうか。それとも可塑性が出来あがった病態なのだろうか。あるいは全く別の病態なのだろうか。それとも手術で不都合が生じたのだろうか。

愛媛大学医学部・麻酔科・長櫓巧教授の記述に、以下の解説がある。「局所麻酔薬の全身投与は、神経伝導を遮断することなく選択的に異所性興奮を抑制することが動物実験で示されている。これは、ヒトの神経障害性の痛みが、神経伝導を抑制しない(知覚障害を起こさない)量の局所麻酔薬の全身投与で鎮痛することができることと一致する(「痛みの概念が変わった」4.異所性興奮、2008)」。ということは、椎間板ヘルニアの突出部を摘出するか否かに関わらず、局所麻酔薬の全身投与で多くの痛みを鎮痛出来るのだろう。ヘルニアが根性痛に関与するという仮説が、ますます怪しく思えてくる。


カイロジャーナル72号

投稿日:2011年10月28日

72号(11.10.28発行)
徒手医学会
論壇
ソウルナイト「またも大盛況」
東日本大震災復興支援
吉田美和DC来日セミナー
効果を示したカイロ神経学?ナショナル大学のフロリダ校 CCEアクレディテーション獲得
9月18日はカイロデー

上部頚椎の研究

投稿日:2011年10月17日

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著者略歴
ロイ・W・スウェット D.C.,B.C.A.O.
1950年、パーマー・カイロプラクティック大学卒業。52年からDr. John F. Grosticの下で上部頚椎専門の研究を始める。その後、専門訓練セミナーを創設し、指導・普及に努めるかたわら、治療機器や装置の開発にも力を注ぎ、上部頚椎カイロプラクティックの第一人者として活躍。
マシュー・H・スウェット D.C.,B.C.A.O.
1989年、ライフ・カイロプラクティック大学卒業。幼少期より、父のDr. ロイ・スウェットから教育を受け、卒業と同時にアトランタで開業し、臨床に従事。現在、ライフ大学教授。また、パーマー大学をはじめ、ライフウェスト大学、シャーマン大学など、アメリカ、カナダなどで講義を行う。
訳者略歴
井上 裕之 D.C.,B.C.A.O.
1997年、パーマー・カイロプラクティック大学卒業。98年、米国カイロプラクティック協会認定アトラスオーソゴニスト取得。同年、帰国。2005年、東京・三鷹に「上部頚椎研究室」を開業。日本に「本物の」アトラスオーソゴニストを育成するため、専門セミナーを創設。
内容構成
1. レントゲン画像解剖
2. 写真解剖

サンプルページ

p26-27

p48-49

※上のサムネイル画像をクリックするとサンプルページを拡大してご覧いただけます。(PDF形式)

訳者のことば
本書『上部頚椎の研究』(原題 Radiographic and Photographic Dry Bone Studies of the Occiput,Atlas,Axis and the Cervical Spine)は、著者でアトラスオーソゴナル創始者であるDr.Roy W. Sweatの1940年代から現在まで60年以上の臨床と教授経験から誕生しました。上部頚椎を理解し、正確なアジャストを行う上で必要不可欠な画像と映像の結晶です。
前半では、レントゲン写真をもとに後頭骨と上部頚椎周辺の形状と名称を解説し、後半では、さまざまな骨標本を使って一般的と思われるものから変形や奇形についてまとめています。
私が、Dr. Roy W. Sweatから本書の出版企画の話をお聞きしたのは2008年でした。翌年には、光栄にも原書を手渡していただくと同時に、「ぜひ、本書を日本の皆さんのために訳してほしい」と言い渡され、また「すべての上部頚椎に触れる者に本書が届くよう協力してほしい」というメッセージを頂きました。
折しも、私自身パーマー大学を卒業し日本にて臨床を積んで10年が経ち、希望者の声もあってアトラスオーソゴナル講義を始めるために日本語版『アトラスオーソゴナル・カイロプラクティック』の出版準備が整った矢先で、これは偶然でないと感じ、2冊を同時に出版することとさせていただきました。
本書の出版にあたって、『アトラスオーソゴナル・カイロプラクティック』の翻訳でも編集作業を引き受けてくださった北川勇介さんをはじめ、科学新聞社社長の齋藤信二さんには多大なるご協力を頂きましたことを心よりお礼申し上げます。
アメリカのカイロプラクティック界では、上部頚椎の重要性について理解されておりますが、日本においてはまだ理解とは程遠いことを実感いたしております。本書がその「理解」のきっかけのひとつになってくれれば、これ以上の喜びはございません。これからも一人でも多くの方が上部頚椎の重要性を理解し、体感し、喜んでいただけることを心より願い、日々精進を続けてまいります。
2011年9月
井上裕之 D.C.,B.C.A.O

アトラスオーソゴナル・カイロプラクティック

投稿日:2011年10月17日

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Atlas Orthogonal Chiropractic

著者略歴
ロイ・W・スウェット D.C.,B.C.A.O.
1950年、パーマー・カイロプラクティック大学卒業。52年からDr. John F. Grosticの下で上部頚椎専門の研究を始める。その後、専門訓練セミナーを創設し、指導・普及に努めるかたわら、治療機器や装置の開発にも力を注ぎ、上部頚椎カイロプラクティックの第一人者として活躍。
マシュー・H・スウェット D.C.,B.C.A.O.
1989年、ライフ・カイロプラクティック大学卒業。幼少期より、父のDr. ロイ・スウェットから教育を受け、卒業と同時にアトランタで開業し、臨床に従事。現在、ライフ大学教授。また、パーマー大学をはじめ、ライフウェスト大学、シャーマン大学など、アメリカ、カナダなどで講義を行う。
訳者略歴
井上 裕之 D.C.,B.C.A.O.
1997年、パーマー・カイロプラクティック大学卒業。98年、米国カイロプラクティック協会認定アトラスオーソゴニスト取得。同年、帰国。2005年、東京・三鷹に「上部頚椎研究室」を開業。日本に「本物の」アトラスオーソゴニストを育成するため、専門セミナーを創設。
内容構成
Chapter 1:アトラスオーソゴナルのレントゲン設備と配置
Chapter 2:アトラスオーソゴナルのレントゲン分析
Chapter 3:アトラスオーソゴナルの検査と位置設定
Chapter 4:アトラスオーソゴナルのアジャストと評価

サンプルページ

P82-83
P154-155
P222-223
P268-269

※上のサムネイル画像をクリックするとサンプルページを拡大してご覧いただけます。(PDF形式)

日本語版翻訳にあたって

本書『アトラスオーソゴナル・カイロプラクティック』の原書は、米国のカイロプラクティック大学においてアトラスオーソゴナルを学ぶ上で最初に出会う本です。初版が出版された1980年から常に改訂を重ねた現在も日々進化し続け、著者でありアトラスオーソゴナル創始者であるDr. Roy W. Sweatは1940年代から現在まで臨床にあたっています。そのDr. Roy W. Sweatのアトラスに対する情熱と、人々の健康に人生を捧げる姿に出会い、近くに置いていただき研修させていただいた時間は私の人生においてかけがえのない貴重な経験であり、宝物です。

10代中頃の私は、「この人生において何をすれば人の役に立てるのか」と考え悩んだ結果、人生をカイロプラクターとして捧げる決心をしました。そして、19歳のとき、アメリカへ渡りカイロプラクティック大学を決意し、大晦日に単身、片道切符でアイオワ州ダベンポートに飛び立ちました。ダベンポートのパーマー大学内外には著名なドクターが数多く存在し、パーマー入学前から自分の身をもってさまざまなテクニックを探求しました。そんなとき、パーマー大学学長であり、ご自身も上部頚椎テクニックのドクターであるDr. Donald P. eKrnとの出会いによって、パーマー大学入学を決意できたことに心より感謝しております。

パーマー大学では1993年の入学まもなくアトラスオーソゴナル“AO”に出会い、その科学的に立証された素晴らしい治療効果に感銘を受け、在学当初から上部頚椎をベースとしたテクニックを受講習得してまいりました。1997年にパーマー大学を卒業した後はDr. Roy W. Sweatの研究所(ジョージア州アトランタ)にて研修させていただき、翌98年にDr. Roy W. Sweatより日本人として最初にAO最高学位であるBCAOを取得(認定登録0010番)、日本において正式にアトラスオーソゴニスト育成を目的とするAO教授資格を授与いただき、同年帰国しました。帰国後はAOを基本とする施術で日々臨床に専念する中で、日本における“本物”のAO普及が求められている現実を日々痛感するばかりであり、このたびアトラスオーソゴニスト育成講座開講を決意し、本書の翻訳を手がけました。これを機に、日本各地で“本物”のアトラスオーソゴニストの連携構築を切望いたします。

このような素晴らしい本の翻訳の機会は多くの方々のご協力があってはじめて実現することができました。Dr. Roy W. Sweatをはじめ、私を家族のように受け入れ、惜しみない指導と協力をしてくれたDr. MattとTeclaのスウェット一家ならびにアトラスオーソゴナル関係の皆様、パーマー大学学長であるDr. Donald P. Kernと多くの先生方、パーマー大学の中濱秀彦D.C.、日本人でAOを実践する松野寛幸D.C.、竹村秀孝D.C.、帰国後お世話になった医師の今井力先生と鍼灸師の明子夫人、本書の編集に協力してくれた北川勇介さん、初めてとなる翻訳作業や出版を親身になって、また辛抱強く支えてくださった科学新聞社の齋藤信次社長、アトラスオーソゴナルを理解し施術効果を実感しいていただいた皆様と上部頚椎研究室スタッフ、そして、私の信じるカイロプラクティックテクニックであるアトラスオーソゴナルを理解し常に惜しみない協力をしてくれる家族に心より感謝を申し上げます。

アメリカはもとより世界中のアトラスオーソゴナル・グループの合言葉に、“Change the World One Atlas at a Time”「一人ひとりのアトラスから地球を変えよう」があります。これからも一人でも多くの方がこの素晴らしいアトラスオーソゴナルを理解し、体感し、喜んでいただけることを心より願い、日々精進を続けてまいります。

2011年9月
井上裕之 D.C.,B.C.A.O