2009 6月カイロプラクティックジャーナル

  2009  6月

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<第13回>自分で盛り上げる力!

投稿日:2009年06月29日

やる気を出して目標に向かおう
カイロジャーナル65号(2009.6.29発行)より

小さな選択で決まる

世の中にはノリのいい人と、そうでない人がいる。まさしく『打てば響く』ような人は、声をかければすぐさま喜んで応えてくれる。何でもかんでもノリだけで応えるという訳にはいかないだろうが、肝心なときでさえ反応が鈍いと、こちらもいささか心配になってくる。

人の人生は小さな選択の連続で成り立っている。日々選択しながら生きているのだ。その選択の積み重ねが結果として大きな差となって現れてくる。よく自分の不幸を嘆いたり、自分の不運を世の中のせいにする人がいるが、じっくり検証してみると、自分で間違った選択を日々繰り返すことによって、不幸や不運を呼び込んでいることが実に多いことに気づく。

不真面目な人や努力が足りない人が上手くいかないのは、しようがないことと諦めがつくが、一生懸命努力して頑張っている人が成功しないのには心が痛む。どうにかしてあげたいと思うが、このタイプの人は妙に頑固だったり、自分を変えることを怖かったりするのでなかなか難しい。

ここ数年、日本のカイロプラクティック界の方々とお付き合いするようになって、年にたった数度の機会とはいえ、内部の事情や業界の人々の特性などが随分と見えてきた。どこの業界にも見られるように、成功している人、または上手くいかなくて廃業してしまう人と、いろいろなケースを見てきた。

成功する人には勢い

よく『成功の秘訣は?』と聞かれることがある。私が成功者かどうかは甚だ疑問だが、私の目から見て成功する人と、そうでない人の違いがよくわかるのは確かだ。成功する人は、ほとばしるようなやる気に溢れている。世の中にいろいろな壁や障害があるのは当たり前で、そんなことに負けないエネルギーや勢いを持っている。

成功できない人は、覇気がないし何事もネガティブに捉える傾向がある。成功したいくせに意固地で頑固で人の話に耳を貸さないし、目の前のことばかりに目がいってしまって、将来を見据えていない。細かなことを言い始めたらキリがないが、このような傾向があることは否めない。

もし私が言っていることが厳しいとか、気に食わないとか思う人は要注意だ。なぜなら私は、至極当然のことしか言っていないからだ。成功している人たちは皆、私の言っていることを当たり前のこととして受け止めるだろう。

成功のノウハウとして細かなことがたくさんある。ところが、いくらそのようなノウハウを教えたところで、基本的な溢れんばかりのやる気や行動力がなければ、何をやろうにも結局無駄で終わるのだ。いくら表面的に真似ても、根本的なやる気やパワーがなければ上手くいかない。

それでは、溢れんばかりのやる気とパワーがほとばしる人は、一体どうやってそのような力が湧き上がってくるのだろう。元々持っている性格もあるだろうが、それだけではないと思う。一番のやる気の源は確固たる目標だろう。人は目標があるから頑張ることができるのだ。

皆それぞれ目標を持ってはいるものの、多くの人が漠然とした目標しか持っていないのが現実だろう。より明確で具体的な目標を持つことで、自分は今、何をすべきかが見えてくるのである。そして、その目標を達成するためには、常にモチベーションを高く保つ必要があるのだ。

眼前の得を捨てて

人間は誰しも弱いもので、ついつい怠けたり弱気になったりしてしまうものである。モチベーションが下がっているときほど、とみにそうなってしまう。業界の一人ひとりがモチベーションを高め、やる気に満ち溢れる業界にして欲しいと思う。

我々の業界はテクニックや勉強のセミナーは数多いが、経営やモチベーションを上げるような啓発セミナーなどは比較的少ない。やる気やエネルギーは、ときにはテクニック・セミナー以上に治療の効果を上げる要素となるのだ。その大切さを、ぜひ一人でも多くの人に理解していただきたいと願う。

セミナーやイベントは週末に開催されることが多い。土曜日は私のクリニックも、書き入れ時と言えるとても忙しい日だ。そのような日に、治療院を閉めてまで参加できない、という先生も少なくないはずだ。

その気持ちは、クリニックを経営する私にも痛いほどわかる。しかし、ときとして目の前の得を捨ててでも、長い目で見たときに、より大きなものにつながるものへの投資も必要だとわかって欲しい。成長する人ほど、そのことがよくわかっているものだ。

また、その土曜日に診ることのできなかった患者さんは、必ず別の日に来てくれるものだ。そして、そのセミナーなどで吸収したやる気とエネルギーは、さらなる患者を呼び、不思議なもので、よいセミナーの翌週は決まって普段より忙しくなるのだ。気力が充実しているから、いい治療ができる。そうすると、さらに患者が増える。

週末でテクニックを学んで即マスターして治療に生かすことは難しいが、セミナーやイベントで得たやる気を患者のために還元することは、非常に容易で効果的なことなのだ。パーカーセミナー・ジャパン、ソウルナイト、そして11月に科学新聞社が主催する記念イベント「It’s CHIRO ! 2009」などに、ぜひ多くの方に参加して欲しいと思う。

治療院で一生懸命に患者の治療に励むことは素晴らしいことだが、ときとして休みを取ってセミナーやイベントに参加して充電し、自分自身を成長させることは患者さんのためにもなる重要なことなのだ。

もっともっと多くの先生方に、治療院や自分たちの団体やグループ、そして地域を飛び出して、自分自身のために、患者さんのために、やる気とエネルギーを吸収しパワーアップしてもらいたい。それをやるかやらないかは、その先生の選択だ。

一人ひとりが行動を

小さな囲いの中にいては、大きなモチベーションを持ち続けるに十分な刺激を受けることはできない。より多くの人から刺激を受け、自分を成長させていくことで世界が広がり、大きなビジョンが手に入る。自分自身が勇気を出して行動することから、初めてやる気やエネルギーを得ることができるのだ。

あなたの将来は、これからのあなた自身の選択によって決まるのである。より楽しく、より充実したカイロプラクティック・ライフのために、どうか「こころ」を自由にして、勇気を出して飛び出して欲しいと願う。このカイロプラクティックという業界が、より楽しく明るく元気な業界になるためには、私たち一人ひとりが行動を起こすことが必要なのである。そう、自分自身で盛り上げていく力が大切なのだ。

<第4回>「TMSも痛風も「侵害受容性疼痛」である」

投稿日:2009年06月29日

カイロジャーナル65号 (2009.6.29発行)より

実際のところ、痛みを生理学の視点から捉えることに意識が向くようになったきっかけは、J.E.Sarno,M.D.の「TMS理論:Tension Myositis Syndrome(緊張性筋炎症候群)」である。10年来続いていた持病の腰痛が悪化して寝込んだ時に、Sarnoの著書を読んだ。腰痛を心理的・生理学的視点から捉えた内容だった。

Sarnoは「Mind Over Back Pain:背腰痛を支配する心」というTMSに関する著書を1984年に発表し、1991年には「Healing Back Pain:The Mind-Body Connection」を発刊してベストセラーになった。それだけでなく、アメリカでは30万人以上の腰痛患者が、指一本触れることなくTMS理論を受け入れることで治った、と話題にもなった。

CNN最高の人気を誇るアメリカのライブ番組でもTMSを取り上げていた。名物キャスターのラリー・キングが慢性腰痛をテーマに特集したのである。彼は、実際に腰痛に苦しんだ人達とのインタビューを通してTMS理論を紹介していた。私もTMS理論をカイロ業界などの雑誌に書き、講演等で紹介したこともあった。

こうした心身に相関する痛みの概念は決して新しいものではない。日本でも九州大学の池見酉次郎教授が「心身医学」としての領域を確立している。

TMS理論とは「心の緊張が痛みをつくる」ことを生理学的に仮説したものである。では、TMSは一体「痛みのカテゴリー」のどこに分類されるべきものなのだろうか。よもや、「心因性疼痛」とは考えてほしくない。TMSはまぎれもなく「侵害受容性疼痛」なのである。

私たちはどのようにして痛みを感じるのだろう。簡単に言えば、身体に無数に存在する痛覚受容器が機械的刺激、あるいは熱刺激、あるいは化学的刺激によって侵害されることで興奮し、その信号が脳に送られて「痛み」として認知されるということになる。これが「侵害受容性疼痛」である。

TMSの場合は交感神経系の緊張によって細動脈が収縮し、酸欠状態となって痛み物質を誘発する。それが受容器を侵害して圧痛点も作られる。したがって、TMSは侵害受容性疼痛であり、徒手療法にもよく反応するのである。そんなわけで、痛みには心理・社会的側面からのフォローが不可欠とされている。

「心身症」とされる疾患にも、痛み症状を持つ疾患名が見受けられる。日本心身医学会の定義によれば、心身症とは、その発症や経過に心理・社会的要因が密接に関係するもので、器質的あるいは機能的障害が認められる病態である。

例えば、「痛風」も強い痛みを訴える整形外科領域の心身症とされている。痛風は身体の中に尿酸がたまる病気で、尿酸値の基準が最も有力な診断の手がかりであるが、尿酸は単なる暴飲暴食が誘因とは限らない。腎臓障害とそれに関連する循環器の疾患も内包していたりする。また、尿酸の排泄を抑制する作用を持つ投薬が行われていても発症する。それでも痛風が心身症とされるのは、身体的・精神的ストレスによっても尿酸が誘発されるからである。その痛みも、痛みの分類にしたがえば、尿酸が受容器を侵害したことにより発症した「侵害受容性疼痛」に他ならない。


<第3回>「痛みには3つのカテゴリーしかない」

投稿日:2009年06月29日

カイロジャーナル65号 (2009.6.29発行)より

痛みの定義(IASP)によれば、痛みには二面性がある。感覚的な側面と情動的な側面であるが、後者がこの痛み感覚をより複雑にしているようだ。痛みが「個人的な経験」とされる所以でもある。更に深刻なことは、痛みを「病い」としては捉えない状況が医療サイドにあることだろう。

痛み症状を持つ疾患を数えあげても随分の数になる。その一つひとつの疾患を痛み症状との関連から捉えようとすると、更に悩まされてしまう。でも、痛みそのものを分類すると、3つのカテゴリーしかない、という単純な話になる。

その3つとは、

  1. 侵害受容性疼痛
  2. 神経因性疼痛
  3. 心因性疼痛

である。なかには「癌性疼痛」を別にして4つに分類する向きもあるが、「神経因性疼痛」に含めている場合が多いようである。

では、徒手療法で扱う痛みはどれかと言えば、そのほとんど全部と言ってもいいくらい「侵害受容性疼痛」を治療していると断言してもいい。

心因性疼痛の名称は怪しい!?

胡散臭いのは「心因性疼痛」である。「心因性」という痛みの分類名称が、果たして的を得たものかどうかさえ疑わしい。痛みには両義性があると定義されているわけで、そうなると痛みには常に「心」の側面がついて回るからである。

純粋に「心」に起因する痛みの線引きは何を基準にして行われるのだろう。それすら不鮮明で、心因性という用語だけが一人歩きしているように感じられてならない。おそらく、生物医学モデルで説明のつかない痛みがあり、その病態を精神医学的疾患として理解されてきた背景があるのだろう。

精神疾患の診断基準(DSM)では、1980年に初めて痛みを「心因性疼痛障害」として精神障害のひとつに認めている。それも1987年には「身体表現性疼痛障害」と改定され、94年以降は「疼痛性障害」とされた。このことからも混迷の跡が窺える。

「心因性」を冠する疾患・症状名は多い。それも眼に見える心因性の症状である。心因性蕁麻疹、心因性嘔吐、心因性の咳、心因性の下痢なども実存する。つまり眼で見ることができる。

ところが、痛みには視覚系の原理が通用しないから厄介である。視覚系は構造主義の原理なので、親近性があるのは実存主義ということになる。つまり、実存するものとは瞬間か永遠かのどちらかという話で、そうなると痛みが実存しているかどうかは知る由もないのである。だからこそ心因性疼痛の分類は、ますます胡散臭いと思わざるを得ない。

ミステリー作家の夏樹静子氏が、自らの腰痛の闘病記を「椅子がこわい ―私の腰痛放浪記―」という本にした。現代医学でもあらゆる代替療法でも治療すべき悪いところがないとされた重度の腰痛が、心療内科医の行う森田療法で指一本触れる事なく治ったのである。このことを知れば、脳内の内的な要因で起こる「心因性」なる痛みの存在を否定することはできないようだ。それでも、どうもその呼び名だけは何とかならないものかと思う。


<第2回>「痛い!」と言われれば痛いのである

投稿日:2009年06月29日

カイロジャーナル65号 (2009.6.29発行)より

国際疼痛学会(IASP)の「痛みの定義」によれば、「痛みとは、組織の損傷を引き起こす、あるいは損傷を引き起こす可能性のある時に生じる不快な感覚や不快な情動を伴う体験、あるいはそのような損傷が生じているように表現される感覚や情動的体験である。“An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.”」としている。

この定義によれば、痛みとは生体に実在する障害あるいは潜在的な組織障害に伴って起こる知覚的、情動的な不快体験ということである。からだのどこかに神経を刺激する有害なものがあるとする知覚と、不快感を示す心の表現をさしているのである。つまり、痛みは二面性を持っていることになる。

これは実にやっかいな問題でもある。痛みが知覚的かつ情動的なものであるとすれば、まったく個人的な体験と言う以外ないのだ。

痛みを愁訴とする患者の症状が良くなったと言われても、良くなった痛みが本当はどの程度の痛みで、それは多くの人に共通の強度なのか、あるいは疾患によって同じものなのかを計り知ることはできない。痛いと言われれば、それまでのことなのである。

痛みが必須のバイタルチェックになった

痛みの尺度を、QOL評価尺度に置き換えて評価する動きがではじめた。代表的なものがRDQ(Roland-Morris Disability Questionnarie)で、これは腰痛の特異的なQOL尺度である。

開発したのはRoland博士とMorris博士で、多くの国で活用されている。日本でも今年2004年3月に日本版マニュアルが発表された。背景には、やはりアメリカの動向がある。

2004年に刊行された腰痛に関するRDQマニュアルは24項目の質問にイエス・ノーで答えるものである。痛みの個人差にかかわりなく、腰痛による生活の質(QOL)を評価することで個々の患者の活動状況を知り、その腰痛の程度が割り出されるアンケート様式である。

こうしてアメリカの「痛み10年宣言」は、痛みを確かな治療対象として俎上に乗せ、医療の現場にも変化をもたらした。医療に義務づけられたバイタルチェックが現行の4項目(体温、血圧、心拍、呼吸数)から、痛みを加えた5項目チェック(Fifth Vital Sign)が義務づけられることになったのである(アメリカ医療施設評価合同委員会:JCAHO)。

今やアメリカでは「痛み」に対する治療基準が設けられ、痛みの治療が重要な医療行為であるというコンセンサスが得られた。それが21世紀に入って決められたことにあらためて驚くと同時に、鎮痛に対する医療の役割を再認識しなければならない時代になったことに気づかされる。

痛みの定量化は、今や避けては通れない評価尺度でもある。RDQもそのひとつとして汎用されているのであろう。



カイロジャーナル65号

投稿日:2009年06月29日

65号(09.6.29発行)
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