フレキシブルに原点回帰 第8回 | カイロプラクティックジャーナル

  フレキシブルに原点回帰 第8回

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フレキシブルに原点回帰 第8回

柔軟な方向転換をいとわず
ぶれない軸で一生学び続ける
カイロジャーナル90号(2017.10.22発行)より

パーマー大学在学中から卒業直後、そして現在に至るまでに、私のカイロに対する考え方や捉え方に変化が生じました。傍目からすると、一貫性がないように映るかもしれませんが、私自身は、紆余曲折があったからこそ現在があり、さらには将来があると信じております。また、これまでに幾度となく「ぶれない軸」と繰り返して参りましたが、カイロプラクターの役割は、サブラクセーションを見つけ出し、アジャストすることにより自己治癒力向上のお手伝いをさせていただくという核心は、今も昔も将来も変わらぬまま貫きたく思います。

私は、大学の最終学期に、当時は学内のカリキュラムには存在しなかったアトラス・オーソゴナル・テクニック(以下AO)を中心に臨床に勤しんでいたドクターのもとで、インターン実習をさせていただく道を選択しました。デトロイト郊外にあるそのクリニックでは、合計4名のドクターが患者様のケアに当たっていました。そこで、私は生涯忘れることのないDrディアフィールド(以下DrD)との出会いがありました。ご存知の方も多くおられることと思いますが、トンプソン・テクニックのディアフィールド・レッグ・チェックで知られるドクターです。

レジェンドが、そこに勤務していることを知らずにインターンとして受け入れていただきましたので、偉大なるドクターと同じ空間で実習できる思いがけない幸運に、喜びを感じずにはいられませんでした。レッグ・チェックを始めアジャストメントの方法が、大学で学んだものとは多少異なり、正しい方法を本家本元に教わる贅沢は忘れられません。しかしながら、このクリニックの主流テクニックはAOでしたので、DrDも例外ではありませんでした。大学では、カイロの歴史の授業にも登場した人物でしたが、過去の業績に固執することなくAOを主として取り入れていた柔軟性には、驚きを隠せませんでした。

DrDがパーマー・スクールを卒業したのは、1936年だと伺い、奇しくも私の父がこの世に生を受けた年であることにご縁を感じました(強引ですが)。臨床の合間には、当時のカイロとメディカルの教育や、両者が同じナショナル・ボードを受験していたエピソードなど、興味深いお話を聞かせてくださいました。また、知識の奥深さや情報量に加えて、既に76歳であったにもかかわらず、常にアップデートを心がけていた姿勢には頭が下がりました。

「この専門職を選択したからには、年齢を言い訳にせず、職に就いている限り一生学んで行こう」と心に決めました。また、週に一度、昼食を取りながら開かれるスタッフミーティングでは、感情が先立って職員を怒鳴りつける院長の真横で、専門書に目を落としながら鼻歌を歌い、凍りついた空気を自然と和ませてくれたこともありました。そんなDrDの飄々(ひょうひょう)とした振る舞いに、救われたスタッフも多くいたはずです。

その後、私は大学を卒業し、数カ月後に帰国をすることになりましたが、私の地元では、AO特有のX線写真撮影を外部の医療機関へ依頼することがほぼ不可能である、という現実に直面しました。情熱を注いで学びましたが、X線写真撮影と分析の精密性を重視するAOを中途半端な形で行うことは不利益をもたらすと考え、結局、国内で使用することを諦めました。DrDがトンプソンに固執しなかった状況とは異なりますが、私にも気持ちの切り替えとテクニックの方向転換をすべき時期が早々と訪れました。

その後、カリフォルニア州の免許更新を理由に、毎年、海外にて卒後継続教育の研修を受講することにしました。とにかく患者様のお役に立ちそうな「引き出し」を増やすことを優先し、様々なケースに対応すべく、カイロプラクティックのみならず、メディカルからスポーツ関連のセミナーや学会にも参加しました。業界内からの批判を覚悟の上でしたが、それは、私自身が「ぶれない軸」を維持できれば良いことです。

また、受講前に必ず事前チェックはしますが、実際に受講してみますと、期待ほどのものではなかったものもあれば、意外なところで自分のアンテナに引っ掛かるものもありました。13年前に、増田裕先生のキャリック神経学を受講しておりましたが、講義中に、「私は受講しない後悔よりも受講して後悔するほうを選ぶ」と仰った言葉に合点がいきました。今後も、その時々に学びたいもの、必要と感じるものを生涯学び続けていくつもりです。

人生において、出会いが将来を左右することは往々にしてあることだと思います。これまでの私のターニングポイントに影響を与えてくれたドクターたちを振り返りながら、そしてこれから出会う人々に期待を込めて、柔軟に原点回帰をしつつ成長したく思います。

後藤 雅博D.C.
(ごとう・まさひろ)

後藤カイロプラクティックオフィス院長(北海道帯広市)
1991年、パーマー・カイロプラクティック大学卒業
D.C.ドクターオブカイロプラクティック

日本統合医療学会会員

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