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  フレキシブルに原点回帰 第7回

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フレキシブルに原点回帰 第7回

WFC大会、FICS会議
米国ワシントンDCで開催
後藤雅博
カイロジャーナル89号 (2017.6.19発行)より

3月13日から18日まで、ワシントンDCに滞在しておりました。前半は、FICS(国際スポーツカイロプラクティック連盟)の会議およびシンポジウム、後半はWFC(世界カイロプラクティック連合)世界大会に参加させていただきました。参加の契機は、昨年のリオ五輪の際、共同生活をしていた私以外のメンバー全員がFICSの会員だったことから、FICSへの入会と同時にこの大会への参加を強力に勧められたことにありました。

FICS(国際スポーツカイロプラクティック連盟)の会議およびシンポジウム会場にいる後藤雅博DC
FICS会議およびシンポジウム会場にて

WFC世界大会は、1997年の東京大会以来でしたので、20年振りの参加となりました。東京大会では、開催国のスタッフとして、会場であった東京国際フォーラムの建物の前にて、大きな矢印のついたプラカードを掲げて海外からの参加者の誘導をする会場案内や、最終日のパーティー会場にて受付およびエスコートをさせていただき、一方で、スポーツカイロでは、つたない通訳を担当させていただくなど、裏方のお仕事を通して参加させていただきました。20年の月日が経過しました今大会では、開催国も参加する立場も以前とは大きく異なりまして、通常のセミナーでは味わえない華やかさに溢れた会場と熱気に包まれました。また、久しぶりに再会できた同級生やリオ五輪仲間、以前に微力ながら通訳スタッフとして携わる機会がございましたDrキャリックとの再会、そして初めて正式にご挨拶できたDrスコット・ハルデマンなどのカイロ業界のレジェンドたちとの出会いもあり、期待以上に満足感を得ることができました。

Drスコット・ハルデマンとDr.キャリックの娘婿で機能神経学のDr.アントヌーチと一緒の後藤雅博DC
右 Drスコット・ハルデマン
左 Dr.キャリックの娘婿で機能神経学のDr.アントヌーチ

WFC世界大会では、数々のセミナーやシンポジウム、ディベートが行われました。その中で最も印象に残ったものとして、“ Should Chiropractic Remain a Drugless Professtion ? ”(カイロは薬物を使用しない専門職として存続すべきであるか?)と題されたディベートでした。個人的には、私はこのような題目が議論されること自体に大きな違和感を覚えました。私は手術や投薬に関しまして、積極的ではないものの完全否定する気はないですし、鍼治療につきましても独自性があり、効果に頷けるものがあると考えております。しかしながら、カイロプラクターにはカイロプラクターが行うべき専門があるはずです。どうしても必要な場合は、それらを専門とする人たちに任せることが筋に思えてなりません。そんな私を、ディベート上でどれだけ心を動かしてくれるのかと期待しながら、ディベートに耳を傾けてみました。

このディベートでは、薬物使用をカイロ業務に含めるべきだと考える賛成派が2名、反対派が2名の合計4名で、45分間にわたり行われました。それぞれが、約5分間に賛成、反対の立場で理由を論理付けたスピーチから始まりました。賛成派ドクターの中には、DDパーマーの名前を出して、カイロはサブラクセーションだけにとどまらないと文献に記してあるなど、私が初めて耳にするエピソードが飛び出てきて驚かせてくれました。その真偽を確かめたい気持ちも芽生えましたが、たとえそれが真実であろうとも、カイロプラクターが薬物の使用をもって業務拡大を図ることに疑問を呈しました。

2017年WFC(世界カイロプラクティック連合)世界大会
2017年WFC(世界カイロプラクティック連合)世界大会会場

この会場で私が最も心を動かされたのは、ケニヤのDrオンデコのスピーチでした。ケニヤに住む一人の少女が、ある日“Chiropractic”のスペルの読み方もわからずに手に取った一つのパンフレットに「人体が自ら持つ治癒力を最大限に引き上げることにより健康を保つ、世界最大の薬物使用をしないヘルスケア」とあり、「これが私の求めているものだ」と幼いながらも確信を持ち、後に米国でカイロを学んだこと、そして「時代が変わっても今さら変わることはない」とスピーチを終えた頃には、私は鳥肌が立ちました。それは私だけではなかったようで、会場を埋め尽くす聴衆からの大きな拍手とともにスタンディング・オベーションへと会場を一体化させてくれました。

また、ディベート時間内には、参加者がスマートフォンなどのアプリやショートメール機能を通してメッセージを送信できるシステムも導入されるなど、時代に則した進行方法も斬新でした。メッセージの一部が紹介されましたが、全てがカイロの薬物使用への反対意見であり、カイロという専門職のアイデンティティが失われずにいることに、ホッとしている私自身にも気づきました。

2017年WFC(世界カイロプラクティック連合)世界大会で、リオオリンピックでの活躍を紹介される後藤雅博DC。
2017年WFC(世界カイロプラクティック連合)世界大会で、
リオオリンピックでの活躍を紹介される後藤雅博DC

ワシントンDCでの約一週間の滞在中では、世界各国の人々との出会いという収穫に加えまして、参加前にはあまり期待していなかったカイロの原点に触れる機会にもなりました。様々な潮流もあるようですが、まだまだ大勢のカイロプラクターが、ぶれない中核を維持していることに安堵することができたイベントでした。

後藤 雅博D.C.(ごとう・まさひろ)

後藤カイロプラクティックオフィス院長(北海道帯広市)

1991年、パーマー・カイロプラクティック大学卒業

日本統合医療学会会員

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