カイロプラクティック・オフィスfromアトランタ 第6回カイロプラクティックジャーナル

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カイロプラクティック・オフィスfromアトランタ 第6回

坐骨神経痛
ハーフマラソン当日に施術 40代女性 捻れ矯正で完走勝ち取る
カイロジャーナル88号 (2017.2.19発行)より

今回は長年、坐骨神経痛を患われていた40代女性の症例です。彼女が当オフィスに通い始め一年が経とうとしていた頃でした。ある金曜の晩に突然連絡が入りました。「明日、ハーフマラソンのレースに出る予定なのだが、左足に坐骨神経痛が出てきてしまった。明日のレース前に施術してもらえないだろうか?」

それまでの彼女の通院状況は始めこそ定期的に来院していたものの、症状が改善し痛みを感じなくなっていたため前回の治療から数カ月の間が空いていました。そのような状況で私は、最近の彼女の症状の度合いもわからないこと、私の行っている上部頸椎テクニックQSM3では、通常施術後は体を休めることを勧めていること、そして何より痛みが出た状態で無理をするのは良くないと思ったので、「今回はレースの出場を見合わせてはどうですか?」と返事をしたのです。しかし、彼女の初レースを完走したいという想いはとても強く、当日朝一番で施術をすることになりました。

来院した彼女は、かなり左足に痺れがあったようで左足を引きずっていました。早速、姿勢測定装置(PMD131)で計測すると、体重が左に25パウンド(約12㌔)傾き、肩の捻れは左前に9㍉、骨盤の捻れは左後ろに12㍉で、合わせると軸の歪みは21㍉とても大きいものでした(通常値は、体重差は2~3㌔、捻れ4~8㍉ぐらいです)。そして、第5腰椎の棘突起を軸とすると第7頸椎が左側に30㍉ほどずれていました。さらに左の骨盤も15㍉ほど下がっていました。この方の歪みは全体的に左に傾いていて主に左半身に圧迫があるパターンです。それも肩と腰の捻れが逆になっている極度の圧迫型でした。

背骨や体全体の大きな歪みもとても大きな問題ですが、私はそれ以上に体の捻れというものに注意をしています。人間の体を水道のビニールホース、神経及び血液の流れを水の流れに例えると、ホースは多少曲がっていても水の出には問題がありません。しかし、捻じれが生じると水の流出が悪くなります。人間の体も同様で、多少左右に傾いていてもさほど問題はありませんが、体に捻れが生まれると神経の流れが悪くなり、さまざまな障害が起こります。まさしく今回の彼女のケースは、体が歪んだことにより神経が捻れ、圧迫されたことが一つの原因だと思われました。

ですから、治療法はとにかくこの捻れを矯正することにしました。私の行っているQSM3ではミラーイメージの原理を矯正方法に反映させています。体が左に歪んでいたら右に矯正し、肩が前に歪んでいたら後ろに矯正していくというものです。この方の場合は、体全体は、前額面では左に傾いているので左から矯正、水平面では、肩が左前、骨盤が左後に捻じれているのでそれを矯正していきます。(詳しい矯正方法は、またの機会にご紹介いたします。)施術後、体重は右に約1㌔、肩1㍉、骨盤2㍉まで矯正できました。

その後、背骨を安定させるために30分ほどベットで休んでいただき、レースまでは、アップなどせずに休んでいただくようにアドバイスしました。左足の痺れは、施術直後にはほとんど感じなくなったようでした。

そうして、彼女は意気揚々とレースに出かけて行きました。そして、その日の深夜2時、彼女から連絡が入りました。「Did it! Thanks for fixing my back.(完走したよ!背骨を治してくれてありがとう)」という嬉しい報告とゴールの写真が送られてきました。

私は今回、人間の体の自然治癒力、自己回復力のすごさと、それを引き出すことができるカイロプラクティックの可能性に改めて驚かされました。もちろん、彼女の「痛みを治してレースに出たい! 完走したい!!」という強い意志があってのことでした。

人の体というのは未だ未知な部分も多く、解明されていない病気、症状もたくさんあります。しかし、最終的に病気や怪我に打ち勝つのは自身の免疫力、自然治癒力、自己回復力、そして「治したい」と願う強い意志ではないかと思います。人間の体は無限大の力を秘めています。医療従事者として、カイロプラクターとして、その無限の力を少しでも引き出す手助けができるよう、これからも精進していこうと再認識した症例でした。

ハーフマラソンを完走できた患者さん

矢島敬朗D.C. (やじま・よしろう)
和泉カイロプラクテイック・アトランタ(米国ジョージア州)院長
1970年東京生まれ
柔道整復師として働いた後渡米し、2009年ライフ大学卒業
上部頸椎調整をメインとしたカイロプラクテイック・ケアを実施する

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