《第35回》患者のためかカイロのためか | カイロジャーナル

  《第35回》患者のためかカイロのためか

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岡井健DCのI Love Chiropractic ! 《第35回》患者のためかカイロのためか2016.12.25

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真剣に悩んだ末の答えは自分自身で!
カイロジャーナル87号 (2016.10.15発行)より

実際に会ってみよう

皆さんお元気でしょうか? 秋になり、長くて暑かった夏の疲れが出てくる頃かもしれませんね。私事ですが、息子に続き娘も9月から日本の大学に進学し、自由と寂しさの交わった生活が始まったところです。英語では子供たちが巣立った後の家庭をエンプティ・ネストと呼びます。解放感と自由を満喫する人もいれば、寂しくてしょうがないという人もいて色々ですが、実際は私のように両方の気持ちが混在する方がほとんどだと思います。世の中ではどちらかにはっきり色分けして、人や物事を分類したがる傾向がありますが、実は白黒はっきりできることなんか少ないものですよね。

カイロプラクティックの業界を見渡しても、何かと「あの人は○○だから」とよく知らない人のことも限られた情報をもとに勝手に色分けしてしまいます。でも実際会って話してみると、そのような色分けが当てはまらないというケースが多いのではないでしょうか。私も若い頃はとかく思い込みが強く間違った判断をする傾向が強かったように思います。経験を積んで色々な失敗や気づきがあって、次第に「実際会ってお話をしてみないとその人のことは分からないな」と思うようになってきました。会ってみると、皆さん一生懸命で良い方だったということが多いですよね。噂や偏った情報をもとに判断すると大変な間違いを起こすことにもなるので十分に気をつけたいですね。

絶対的な正解は無い

私も業界では知らないうちにベテランの部類に入ってしまいましたが、そのせいか色々な相談も受けます。その中でも頻繁に出会うのは患者のために出来ることをしてあげたいという気持ちとカイロプラクターとして守るべきラインの間で葛藤しているケースです。患者のためにより多くの治療法を用意して幅広く対応するべきなのか、それともカイロを大切にしてアジャストメントだけを行うべきなのかと悩むのです。私としては私も同じような悩みを持ったし、これは良い悩みで大いに悩んで考えてほしいと思うのです。人それぞれ考え方や思いも違うので、絶対にこれが正解だという答えはないのです。そのような答えがあるのなら最初から誰も悩んだりしません。大いに悩んで答えを出したのなら、それがその人にとっての正解だということでしょう。自分のためではなく、患者やカイロのためを考えて悩むなんて素晴らしいことじゃないですか。真剣に出した答えなら私はそれを尊重したいと思うのです。

最終的な答えは自分自身で出すべきですが、考えをまとめるお手伝いが出来ればいいと思って相談に乗ることにしています。それと余計な罪悪感や自己嫌悪などを感じなくて済むように、心を軽くして正しく思考できるようにと心掛けてアドバイスします。よくストレーとかミキサーなどという言葉を使いますが、私はどちらが偉いとか、どちらが優れているという判断はそこからはしません。ストレートの先生も技から心の在り方に至るまでピンキリですし、ミキサーの先生もしかりです。確かにカイロのオリジナルはサブラクセーションを手だけでアジャストするところにあって、他の療法と混ぜてはいけないという考え方もありますが、カイロが発見されて120年以上経った今では大部分のカイロプラクターがミキサーですので、そんなことを言っていては業界自体が成り立たなくなってしまいます。

正しく患者に伝える

私が大切にするのは、自分が行うことを正しく患者に伝えるということです。マッサージや物理療法も使いますが、それはカイロではないとはっきり言います。あくまでもカイロというものはサブラクセーションを手でアジャストするところで、それが私のスペシャリティーだと伝えます。ホームページや自分の言葉で自分が行うことを分かりやすい言葉で偽りなく相手に伝えることです。色々な療法をできると記しておけば見栄えがいい、アジャストもしないのにカイロという言葉をホームページや看板に載せておけばそれに惹かれる患者がいるかもしれない、というような姑息な考えではなく、自信をもって本当に自分が行うことを知らせるべきだと思います。それが治療家として長きにわたり自信を持って幸せに活躍するために大切なことなのです。

上部頸椎を一生懸命やっている先生も、ガンステッドをやっている先生も、ディバーシファイドをやっている先生も、それぞれ素晴らしいし役目があると思います。物療を組み合わせてもアジャストを大事にしている素晴らしい先生もたくさんいます。一生懸命真剣に努力して極めていれば、テクニックや療法にかかわらず多くの人を救い尊敬を集めるのです。それをとやかく言うような輩は放っておけばいいと私は思っています。本当に大切なものが何か分からずに物事に勝手に白黒つけようとしても誰のためにもなりません。お互いの素晴らしいところを本当に認め合って各々が「患者のためにもカイロのためにも」頑張っていければいいと願うのです。


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