TBE最終章(TBE3-2)を終えて見えてきたこと 山﨑徹 | カイロジャーナル

  TBE最終章(TBE3-2)を終えて見えてきたこと 山﨑徹

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TBE最終章(TBE3-2)を終えて見えてきたこと 山﨑徹

「評価して、見つけて治して、再評価」!
ウェブ先行記事

「見つけて、治して、放っておけ」ではすまない…

オステオパシーの創始者であるスティルは公式には自分自身が使っていたテクニックを残してはいない。しかし後世の人たちに数々の金言を残した。その一つ「見つけて、治して、放っておけ」とオステオパシーの本質を説いた。スティルの時代はこれで良かったのだろうが、現在の徒手療法家を取り巻く状況は変化した。我々は患者から結果を求められる。言い換えれば患者の抱える問題を解決しなくてはならない。対価をもらう以上それは当たり前の話。患者も治療者側も同じこと。スティルが言うように患者を放ってはおけないのである。

ケリーはそうした問題に一筋の光をさす。TBEに限らず彼のセミナーはいつも評価の重要性を説く。評価、再評価を絶対的な判断基準にせよと。スティルの言葉に補足するなら、ケリーの思いは「評価して、見つけて、治して、再評価しろ」である。多岐にわたる治療術を学んできた彼が得た結論である。彼の提唱する「評価、再評価」の重要性は、私も同感である。


アプローチはいろいろあるが…

彼ほどではないが、カイロプラクティックとオステオパシーを学んできた経験から言わせてもらっても、パーマー系のカイロプラクターの先生とナショナル系の先生は同じ症状の患者さんでもアプローチが全く違う。前者は患部には見向きもしないでひたすらサブラクセーションの探査とアジャストのみ。後者は患部にフォーカスしあらゆる物療機器、並びに徒手療法をあてがい症状の沈静化をはかり、脊柱の可動域減少関節に対しモビリゼーションを使って緩めて行く。

同じカイロプラクティックを名乗っていてもこれである。目指すゴールは同じだから、方法論の違いに甲乙をつけることはむつかしい。パーマー系であるストレート・テクニックを立てれば、ミキサーであるナショナル系は立たず。また逆もしかり。こういった問題にオステオパシーを取り入れても、問題をより複雑にするだけで何の解決にもならない。

セミナーに通い続けるたびに、言っている事がそれぞれ違うので、ノイローゼになる。初学者にとっては切実な問題である。「患者の苦痛を取り除きたい」という思いから治療家を心ざしたものの、治療家自身が苦しむという皮肉な結果。

さながらボート・ピープルのように、簡易なボートで荒波を漂うことになる。自分が海上のどの位置にいるのか全く見当がつかない状態である。360度水平線に囲まれる世界は目印が無いので途方に暮れる。どの方向に行けばいいのか?その場で漂うのか?判断基準をなくしてしまう。

ケリー・セミナーが示す最強の道標は?

ケリーのセミナーには一貫した法則がある。評価というものを判断基準にして彼の中でのマストとでも言おうかバックボーンを確立させた。それは海上を漂うものにとっては灯台であったり、北極星であったりする。自分自身をコンパスに例えるなら、絶対的な自信があればコンパスが最強の道標になろう。しかしそれが揺らいだ時に自分の位置を再確認することが出来る方法は、天測し北極星の位置から自分の位置を探し出す。または灯台の明かりをたどり陸に向けて進むことだ。評価というのはそれぐらいパワフルな力を持つ。

TBEはエネルギー・テクニックの一つである。サイモン・シンなど代替療法を目の敵にするジャーナリストにとつては格好の餌食であろう。事実彼はその著書の中で代替療法を断罪した。普通に否定するなら可愛らしいが、科学的手法で検証するから始末に悪い。がしかしそもそも代替療法における評価基準は主観的なものであり、客観的にそれを判断することは出来ない。そういった弱点を突くから意地が悪い検証方法である。

量子力学に基づくエネルギー療法 

ケリーがTBEの根拠として挙げるのは量子力学である。99.9パーセントは隙間だらけの体でありエネルギーであると。だからTBEが人体の組織に影響を与え、遠隔療法や時間差治療、代理治療が可能になるのである。サイモン・シンはおそらくこういうだろう。「人間の体は組織が密になっているので量子力学の波動理論は適応されない。ニュートン力学が適用されるからそんなことはありえない」と。

なにを馬鹿な事を言う。ニュートン力学、量子力学、科学の世界では両者の整合性がとれないので、ある時はニュートン力学で解釈し、量子力学はなかったものとして扱ってきたではないか。しかし両者は同時に存在するのもまた事実。現在の科学ではすっきり解明されていないだけ。量子力学により飛躍的にコンピュータの性能が向上し、スマホなどはその理論を持って作られているし、多くの人がその恩恵を受けている。ニュートン力学のみではスマホの開発は不可能であったし現在の生活もなかったであろう。科学がそれを合理的に説明できないからと言ってそれを利用しないのは愚の骨頂である。もう一つ例を出そう。飛行機がなぜ飛ぶのかもいまだに解明はされていない。しかし国内はもとより世界中に張り巡らせた航路を毎日飛んでいる。

かように科学の恩恵はそれが解明されようがされまいが人類にとって有益であれば使われるのである。それはエネルギー療法も同じ。心ない人たちがそれを否定することもあるだろう。反論するには昨年のノーベル物理学賞の梶田隆章氏の素粒子ニュートリノが根拠を与えてくれよう。素粒子に質量があると発見したことにより受賞した。TBEにおいては素粒子ニュートリノが、質量を持つということが非常に強い意味を持つ。物理学の世界では、ニュ-トン力学と素粒子物理学を同じ土俵では扱わず、それぞれ別の場所で扱ってきた。つまり、ニュートン力学では素粒子が説明できなくなるし、素粒子物理学はニュートンの法則とは相いれない。しかし、素粒子、ニュートン力学は同時に存在しているので、素粒子に質量が見つかったというのは両者をつなぐ糸である。

またTBEにおいてエネルギーを使用する治療術の根拠になるものが素粒子である。波動変換という方法論を使い、質量フォルクラムをエネルギー体に変換し治療する方法であるが、素粒子に質量があるという事実は治療への自信を高めてくれる。波動とは振動であり、素粒子もまた波であり粒である。注視すると粒になり、しなければ波のままである。意図を使うと、とたんに波動から質量に変換される。注意を維持することで波動状態は保たれエネルギー治療は成功する。そのカギになるのが素粒子の理解と質量の存在である。

学ぶ機会こそ大事

都合4回の13日間のセミナーであったが、ケリーはもちろんのこと科学新聞社ならびに斉藤前社長、櫻井先生にお礼を言いたい。ある受講生が「私にとって科学新聞社のセミナーは大変ありがたい。医療資格を持たないので多くのセミナーは門前払い。その点ここは我々の様なものにも学ぶチャンスをくれる」と話してくれた。WFCがつまらぬ意地で学ぶチャンスを日本人からうばったことを思い出す。日本には日本独自のやり方がある。学ぶことに制限をかけるのはばかばかしいことだと個人的には思うし、今後ともこういった形で手技療法のセミナーを継続して行ってもらいたいと思う。

斉藤前社長は退職されたあと、科学新聞社6階にいつもいるそうである。斎藤ルームとして使っているそうである。(荒俣宏氏が平凡社の社員でもないのに、フリーの編集者として一室を使い博物学の辞典を編纂した時に、その部屋は荒俣ルームと呼ばれていたそうである)また荒俣氏はオカルト、妖怪の類にも造詣が深い。それにちなんで斉藤前社長には斉藤ルームの座敷わらしになってもらい、そこを訪れる人に幸運が舞い込んでくる様な都市伝説をつくってみるのも一興かと(笑)

編集部より:

トータルボディ・エナジェティクス最終章(TBE3)に参加してのご感想ありがとうございます。ドクター・ケリーも、スティルDOの哲学をより現代に即した形で引き継ぎ、発展させているオステオパスの一人だと思います。来年はメカニカルに回帰して、関節バランシング(筋エネルギー・テクニック)セミナーを予定しています。
斎藤ルームの座敷わらし……はたぶん別にいるんですよ(笑)!

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山﨑 徹(やまざき・とおる)
はやま接骨院(高知県高岡郡)院長
柔道整復師
全日本オステオパシー協会(AJOA)大阪支部長
塩川カイロプラクティックスクールガンステッド学部卒
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