カイロプラクティック・ディスカッション・フォーラム 名古屋
JSCCが8月に講座 名古屋で開催
知識や技術 参加者全員が共有
カイロジャーナル86号 (2016.6.17発行)より
JSCC理事 伊澤勝典
楽しみに学ぶ場
業界内には、テクニック教授型の研修や経営思考型のセミナーが溢れていますが、学会独自のアイデンテティーを活かし、先生から生徒への一方向のベクトルではなく、参加者全員が知識や技術を共有して思考できる場を創出できないかとの思いから企画に至った研修です。プレゼンテンターの講師が各々の理論、思考、技術等を出し合い、議論し、参加者全員で共有する。コメンテーターと参加する先生の各々の考えやイメージもその場にエッセンスとして絡ませながら、カイロに関するテーマをディスカッションして楽しみ、学びたいと思っています。
第一回のテーマは「頸椎操作の安全性と可能性」と「老人の腰痛」です。近年、頸椎を捻ることで生じた事故が世間を賑わせていることは、我々の業界とも無関係ではありません。
平成3年に各都道府県衛生担当部局長あてに厚生省健康政策局医事課長から通知された「医業類似行為に対する取扱いについて」という文書の中で、頸椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があるとされているからです。この通知は業界内に大きな衝撃を与えましたが、2014年には、独立行政法人国民生活センターから手技による医業類似行為の危害として整体やカイロによる危害報告が出されています。
2つのテーマ
こういった流れを踏まえ、「頸椎操作の安全性と可能性」というテーマのもと、頸椎操作のリスクや安全性、理論的背景や技法の安全性などをディスカッションしたいと思います。登壇するのは「木村功×荒川恵史」の両名です。お二人とも臨床経験が長く、上部頸椎に造詣が深い上、武術にも精通しているという特徴があることから、その身体操作に及ぶお話しまで聞くことができそうで、大変興味深い議論が展開されると想像しております。
もう一つの「老人の腰痛」というテーマは、あまりにもざっくりとした題目ですが、本年度のJSCC学術大会のテーマが「ロコモティブ・シンドロームにおけるカイロプラクティックの役割」となっていることから、「荒木寛志×伊澤勝典」で、臨床ディスカッションとしてお互いの哲学、理論、リスクマネジメント、技術など、日頃の臨床をもとに「老人の腰痛」というテーマで白熱した議論に発展させたいと思っております。
ロコモティブ・シンドロームとは運動器の障害が原因で要介護になるリスクの高い状態になることから、日本整形外科学会によって2007年に提唱されました。運動器の障害の原因には、運動器自体の疾患と加齢による運動器機能不全がありますが、CDFを通して、そのようなクライアントに対する臨床の対策が学べる良い機会になることを思い描いております。皆様のご参加をお待ちしております。
詳細、参加申し込みはJSCCのホームページ(http://jsccnet.org)でご確認ください。メールマガジンにて情報発信も行っておりますのでご登録されることをお勧め致します。



