カイロ・オフィスだよりfromアトランタ 第3回 米国カイロプラクターの役割 | カイロジャーナル

  カイロ・オフィスだよりfromアトランタ 第3回 米国カイロプラクターの役割

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カイロ・オフィスだよりfromアトランタ 第3回 米国カイロプラクターの役割

治療範囲広く高い認知度
患者に最善の方法提供
カイロジャーナル85号 (2016.2.18発行)より

今回は、ここアメリカでのカイロプラクターの社会的役割についてご紹介したいと思います。アメリカではカイロプラクターは、Primary Care Physician(かかりつけ医、主治医)として広く認識されています。国家資格のドクター職である、ということも理由の一つですが、この国の歪んだ医療制度のため、日本のように気になる症状があっても速やかに専門医の診察を受けることが難しいという社会的背景もあります。

そのような環境下ですので、当院にもいろんな人が様々な問題、症状を抱えて訪れます。転倒および事故などによる怪我等の外科的疾患から、発熱などの症状を伴う内科的疾患まで。そのため、こちらのカイロプラクターはどんな症状の患者にも幅広く対応、診察し、時には、症状の度合い別に救急病院の搬送手続きから、専門医の紹介なども行います。これらのことを踏まえ、当院では、特に初診時には細心の注意を払っています。問診、視診、触診を丁寧に行い、患者の状態を注意深く把握します。

ある70歳代の女性患者の症例です。来院前日にお孫さんと遊んでいて転んでしまい、とっさに右手で体を支えたのですが、翌日から右手が動かなくなり、来院時には痛みとかなりの腫れも伴っていました。診察したところ、患部は熱を帯び、圧痛があったので骨折を疑いました。すぐにレントゲン撮影をしたところ、橈骨遠位部に変形があり、骨折線が見えました。骨折の治療はカイロプラクターの範囲外なので、固定の応急処置を施し、速やかに整形外科へ行ってもらいました。このような症例の場合で出血を伴っている時には(開放性)、感染の危険性も考え、救急病院を勧めることもあります。また別例で、ギックリ腰だと思って来院された女性が、腹部の触診の際、激痛を訴えたので救急病院に搬送したところ、急性腹膜炎だったということもありました。

このように、アメリカのカイロプラクターは、日本に比べて治療の範囲がとても広く、その分、医療従事者として大きな役割、責務を担っています。このことは、こちらの保険適用の考え方にも現れており、ほとんどの健康医療保険、労働災害保険がカイロプラクティックの施術治療を適用可としています。

米国の医療保険制度は、日本の国民皆保険制度とは大きく異なり、基本的に個々人が民間の保険会社と個別に契約しています。その上で、交通事故による怪我の治療の場合などは、契約内容に基づき保険会社が提案する治療を受けるシステムになっていて、それ以外の治療を希望する場合は、高額の治療費を払っての自費診療となります。故に、いわゆる「保険がきく治療」というのは、社会的にも保険会社的にも最適な治療、医療行為と認識されています。

実際、多くの保険会社が交通事故によるむち打ちなどの症状に対しては、カイロプラクティックでの治療を勧めています。結果、患者は早急な治療を受け、後遺症を残すことなく完治でき、また、保険会社もコスト削減を実現することができています。

このように、米国ではカイロプラクティック・オフィスは、日本よりも社会的認知度が高い医療機関であることから、各オフィスの経営スタイル、カイロプラクターの診察方法も本当に多種多様です。弁護士と提携して交通事故患者を専門に扱うオフィス。患者1人の診察時間は3~5分ほどで1日に100人近くの診察を行うカイロプラクター。完全予約制や会員制のオフィス。本当に枚挙にいとまがないほどバラエティーに富んでいます。日々、多くのカイロプラクターが生まれ、オフィスがオープンし、淘汰されている環境で、皆、様々な方法でアイディアを駆使し頑張っています。私は、どのような経営スタイルでも構わないと思いますが、カイロプラクターにとって一番大事なことは、患者それぞれに合った最善な治療方法をいつも考え、サポートしていくことだと思っています。

最後に、今現在、日本で頑張っている皆さんの中に、いつかカイロプラクターとしてアメリカでも自分の力を試したいという方や、アメリカのカイロプラクティック事情にご興味がある方がおられましたら、いつでもご連絡、ご相談ください。

カイロプラクターの使命として、皆で全世界の人々を健康にしていきましょう。

連絡先=和泉カイロプラクティック・アトランタ
holistichealthsolutions@hotmail.com

矢島敬朗D.C. (やじま・よしろう)
和泉カイロプラクテイック・アトランタ(米国ジョージア州)院長
1970年東京生まれ
柔道整復師として働いた後渡米し、2009年ライフ大学卒業
上部頸椎調整をメインとしたカイロプラクテイック・ケアを実施する
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