選択理論を治療に生かす 小野永一 第三回(最終回) | カイロジャーナル

  選択理論を治療に生かす 小野永一 第三回(最終回)

カイロプラクティック、オステオパシー、手技療法の最新情報、セミナー案内、関連書籍・DVDの販売

カイロジャーナル TEL.03-3434-4236 〒105-0013 東京都港区浜松町1-2-13江口ビル別館

選択理論を治療に生かす 小野永一 第三回(最終回)

心と体のバランスを整えれば好転する
カイロジャーナル85号 (2016.2.18発行)より


トータルボディ・エナジェティクス3での記念撮影

今まで述べてきた五つの基本的欲求(生存、愛・所属、力、自由、楽しみ)を満たすために私たちは行動している。また五つの基本手欲求の各欲求の強さによって、一人ひとり願望が違うこと、そして5つの基本的欲求が一つでも満たされないと私たちは不幸だと感じてしまうことを話してきた。

治療院に来ている患者さんは、願望と実際に手に入れているものとのギャップに悩み、心と体のバランスを崩している。どうしたら心と体を満たしてあげることができるかが課題となった。

選択理論心理学を学ぶなかで、私たちの人生の目的は幸せになることであると理解できた。しかし、私は幸せだと思っている人は、極端に少ないと思う。不幸だと思っている人が圧倒的に多い気がする。それは世の中のできごとを見ると分かる。

世の中のあらゆる問題行動の原因は不幸感から来ている。不幸感は自分が重要だと思う人との不満足な人間関係が上手くいかなくて起こる。人はなぜ自分が重要だと思う人との人間関係に悩まされているのか? その元凶のすべては外的コントロールにある。

外的コントロールの信条

外的コントロールの第一信条は「私は外側からのシグナルに反応して行動する」である。例えば、電話が鳴ったから受話器を取った。相手が怒らせるようなことをしたから、私は怒った。

第二の信条は「私がしたくないことでも自分がさせたいと思うことをその人にさせることができる」である。私は他人をコントロールできるし、私も他人からコントロールされる。対人関係の観点が入ってきて、「あの人のせいで」などと自分の行動や責任を他人に擦り付ける傾向にある。

第三の信条は「私が正しいと思うことは、相手が嫌がっても教える道義的責任がある」である。怒ったり、罰を与えたりして無理にでも何かをさせることは相手のためなのだと信じて行動する。これでは、重要な人との間関係がどんどん壊れていってしまう。

コントロールできるものとできないものに分けることも重要なポイントである。分けることで思考や行為を整理しやすくなる。

コントロールできないものは、過去と他人であり、コントロールできるものは、自分の考えや行動であり未来も変えることもできる。多くの方は「あの時失敗しなければ」「あの人さえいなければ」と、コントロールできないものにこだわり効果的な解決策を見出だせずにいる。

これらのことを踏まえ、患者さんに質問したり考えさせたりすることで、自己評価が起こり、自ら解決しようと行動してくれる。私たちは、人から言われてもなかなか行動しないが、自己評価が起こることで、考え方に変化が起こり行動するといわれている。

TBENとの融合

最近、科学新聞社主催のDrケリー・ダンブロジオのトータルボディ・エナジェティクス(TBEN)セミナーを受講した。身体のエネルギーの流れを良くする治療法ととらえて参加した。

このセミナーで、問題のあるところには、器質的な要素と内因としての自分自身の感情、行動、意識、信念があり、外因としての他の人の感情、行動、信念が入り込んでいるので、一緒に開放する必要があることを学んだ。4日間、みっちり教えてもらったので、自信を持って治療できるところまで導いてもらった。

早速、治療院で患者さんに使ってみた。60代の主婦で、左の肩が痛いので診てほしいということだった。検査していくなかで、一カ月前から鼻詰まりと咳き込みで悩んでいることが分かった。病院では風邪と言われたが改善されなかったので、セカンドオピニオンを受診したら「風邪ではない、ストレスからでしょう」と言われていた。TBENを使ってみると、心理的要素が含まれており、関係性、怒り、コミュニケーションというキーワードが浮かび上がったので、伝えたら、思う節があると話してくれた。当日は、治療することで肩のROMも改善されたので、満足して帰って行った。

二日後、治療に来たら別人の顔だった。生き生きとして鼻詰まりや咳、そして肩の痛みも引いていた。前回の治療後、自己評価が起きて、このままではいけないと、友達のところに顔を出して謝ったそうだ。一カ月前に、30数年来の友達と話したなかで、ひどく傷つく言葉が含まれていたので、二度と会わないと決めた。しかし、友人には悪気がなく解釈の仕方が間違っていただけと気がついた。そこで友人と仲直りしたら、身体の調子が一変に良くなった。「先生のお陰で気づかせてもらった。感謝している」と言ってくれた。

TBENの治療法を取り入れることで、選択理論心理学の考え方をダイレクトに伝えることができるようになった。心と体のバランスの統合という部分で貢献して行けたらと思う。

小野 永一(おの えいいち)
小野カイロプラクティック(青森県五所川原市)院長。日本カイロプラクティック師協会(JSC)顧問。「Drケリーの治療を考える勉強会」を主宰。

facebook公式ページへのリンク

長期連載中の記事

過去の連載記事