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上部頸椎テクニックQSM3 紹介
カイロジャーナル84号 (2015.10.21発行)より

人により違う身体の歪み
矯正には客観データ重要

ここアトランタでも、時折吹く秋風が気持ちのいい季節になってきました。

今年の夏、日本では各地で様々な自然災害があり、被害に遭われた方、医院の皆様には心よりお見舞い申し上げます。また、災害等で心身ともにお疲れの患者さんのためにもがんばっていただきたいと、アメリカよりエールを送らせていただきます。

今回は、私が施術を行っているQSM (Quantum Spinal Mechanics:量子脊椎メカニクス)3についてご紹介したいと思います。

QSM3は、カイロプラクティック技術の中でも数少ない、上部頸椎テクニックの1つで、7〜8年前に開発された比較的新しい手法になります。開発創始者であるDr.Russell Friedmanは、上部頸椎テクニックのNUUCA(米国上部頸椎カイロ協会)のOrthospinology(正脊椎学)の認定資格者でもあり、ここアトランタで20年以上の開業キャリアを持つ第一人者です。

私と彼との出会いは約10年前、私がライフ大学在学中のことでした。NUUCAの講師として月に一度教鞭をとられており、私は大学最後の2年間はNUUCAクラブの部長を務め、彼に師事を仰ぎ、多くのことを学びました。

当時のDr.Friedmanは、NUUCAの手法を使い、上部頸椎部分を上、横、前方の3方向からレントゲン撮影し、歪みの分析、施術、再度レントゲン撮影にて施術の結果を判断するという治療を行っていました。もちろん、脚長差、身体の傾き、腰の高さなどもチェックはしますが、それを施術方法に反映させるという事はしていませんでした。が、常々「人間の身体の歪みを治すためには、より精密な分析が必要不可欠。身体全体の歪みを分析した上で、施術方法を決定すべきである」と提言していました。

ほどなくして「身体の全体の歪みが全く違う人でも上部頸椎の歪みが同じ場合もある。これまでの他の上部頸椎テクニックのように上部頸椎部分の歪みを診るのではなく、身体全体の歪みを分析して施術を行う方がより効果的である」という考えを発表しました。これがQSM3の始まりでした。

QSM3では、背骨を真っ直ぐにし、姿勢をなるべく良い状態に保つことに重きを置いています。身体の歪みは怪我や事故のみでなく、日常の小さなことからも起こります。その歪みは単に身体が捻れてくるだけではなく、背骨全体が重力によって圧迫されることで加齢とともに身長が低くなってしまいます。このことからも、身体の捻れを取るためには、まず圧迫された背骨を除圧することが必要になってきます。そして、この除圧が出来て始めて背骨の歪みを取り除くことが出来るのです。例外として子供の施術の場合、圧迫が少ないのでこれを同時に出来ることもありますが、多くの場合は、除圧後に歪みの除去、という段階を踏みます。こうして背骨の矯正が完成されます。

QSM3の治療の流れは以下の通りです。

  1. 検査(脚長差、体重差、肩の回旋差、腰の回旋差、身体の傾き、肩の高さ、骨盤の高さ、首の傾き、頭の傾き)
  2. 施術前レントゲン撮影(横、上下、前後の3方向)
  3. 1と2を元に施術方法を決定し施術
  4. 施術後に1の項目を再検査し必要ならば再度施術する
  5. 施術後レントゲン撮影(上下、前後の2方向)

検査及びレントゲン分析は、出来るだけ細かい分析が必要なので、検査には、PMD131(Posture Measuring Device:姿勢測定器)を使って1ミリ単位で計測します。そして、レントゲン撮影は、上部頚椎専用のレントゲン装置を使い、より正確に撮影し分析します。


PMD131(姿勢測定器)

レントゲン写真(施術前の側面、前後、上下、施術後の前後、上下)

さらに施術後、歪みの矯正を確認するために再度同じ検査をします。この流れを、背骨がまっすぐに正常な状態になるまで続けます。

人間の身体は多かれ少なかれ常にストレスを受けています。そして、歪みは人によって千差万別です。そんな、人によって違う複雑な身体の歪みを矯正するためには、経験も大事ですが、より確実なデータがとても重要です。施術前の身体の状態を知るデータ、施術後の状態を確認するデータ。こうして、施術前後の身体の状態を数値で測れることは、患者さんの治療の励みとなります。また、カイロプラクターとしての技術の向上にもとても役立つものと考えてます。

QSM3の詳しい検査及び分析方法は、今後機会がありましたら、また改めてご紹介させていきたいと思います。ご興味のある方は英語の公式ウェブサイト(http://www.QSM3.com/)をご参照ください。

このQSM3テクニックは、まだまだ発展途上の技術です。今後も患者さんへのより良い治療の提供のために、さらなる改善努力を続けていかなければなりません。

QSM3にご興味、お問い合わせのある方は筆者までメールでお願いします。

holistichealthsolutions@hotmail.com

矢島敬朗D.C. (やじま・よしろう)
和泉カイロプラクテイック・アトランタ(米国ジョージア州)院長
1970年東京生まれ
柔道整復師として働いた後渡米し、2009年ライフ大学卒業
上部頸椎調整をメインとしたカイロプラクテイック・ケアを実施する
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