第17回 アジャストの効果を維持する「理想的な姿勢」とはカイロプラクティックジャーナル

  第17回 アジャストの効果を維持する「理想的な姿勢」とは

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いい姿勢でいこう 第17回 アジャストの効果を維持する「理想的な姿勢」とは2015.08.17

第17回 アジャストの効果を維持する「理想的な姿勢」とは
カイロジャーナル77号(2013.6.27発行)より

「理想的な姿勢(正しい姿勢)とは、どういう姿勢ですか?」と聞かれたら、何と答えますか?

「背すじが伸びた姿勢」ということはわかりますが、なぜ背すじが伸びた姿勢が理想的な姿勢と言えるのか、その説明をわかりやすくするのは難しいものです。さらに、われわれカイロプラクターが理想とするサブラクセーションのない背骨は、歪んだ姿勢では実現不可能です。なぜなら、背骨と姿勢は表裏一体だからです。

そこで、今回は一般の人が理解しやすいように理想的な姿勢について解説します。この知識は患者教育にも大変役立つ内容です。まず、最初に「理想的な姿勢」と「普段の姿勢」のギャップを感じてもらってください。姿勢のアドバイスやストレッチの指導を通して、理想的な姿勢を取りやすくなること(ビフォー・アフター)を実感してもらえるからです。ぜひ活用してください。

「理想的な姿勢」とは、「体に最も負担の少ない姿勢」のことです。体にとって負担となる姿勢を理想的な姿勢とは言いません。「体に最も負担の少ない姿勢」とは、筋肉をはじめとする軟組織に荷重をかけない姿勢、つまり「骨(軟骨を含む)」の上に体重が下りてくる姿勢です。私はこれを「骨で立っている姿勢」と言っています。

では、どうして「骨で立っている姿勢」が理想的な姿勢と言えるのか解説します。私たちの体は、大きく分けると、骨、筋肉、内臓、脂肪、皮膚でできています。この中で、重さをかけても潰れないのは骨だけです。当たり前ですが、それ以外の筋肉、内臓、脂肪、皮膚は荷重をかけたら潰れてしまいます。つまり、そもそも重さを受け止めることができないものに重さをかけることは、無理をさせている(負担をかけている)ことになります。

建築物に例えると、建物の重さを柱で支えるのではなく、外壁や窓ガラスで支えるのと同じことになります。壁やガラスにヒビが入りやすい状態(傷みやすい状態)であることは想像していただけるでしょう。

それでは、実際に理想的な姿勢の取り方について解説します。理想的な姿勢が取れているかチェックする際、基本は「横」と「前」から見ることになります。体のねじれに関しては、横からも前からもチェックします。

1.横から見た姿勢

  • l気をつけの姿勢で、踵、尻、背中、頭を壁につける
  • l肩の頂点が体の中心にくるようにする
  • l顔の面(ひたいとアゴを結んだ線)が壁と並行になるようにする
  • l腰の部分は手のひら一枚分ほど(2~4センチ程度)のすき間ができる
横から見た姿勢

腰の反り具合をチェックする際、手の指が根元まで入らないようだと、腰椎の前弯が不十分です。このような方は、骨盤が後傾していることが考えられます。次に、腰と壁の間にこぶしが入ってしまうという人もいます。腰椎の前弯が強すぎです。このような方は、骨盤が前傾している可能性が高くなります。

2.前から見た姿勢

横から見た理想的な姿勢を崩さずに正面から見ます。頭部の位置、両肩の高さ、ウエストのくびれ、脊椎の並びや骨盤の高さや膨らみ、つま先の開く角度などが左右対称になるべきです。

前から見た姿勢

この理想的な姿勢をとってもらうと、多くの方が不自然さを感じるはずです。特に、肩を引く必要がある人が大半です。後頭部を壁につけるとアゴが上がってしまう方も多く見受けられます。左右のバランスが整っている人もごく少数です。理想的な姿勢を取った際に不自然さが強い人ほど、丸まるクセや左右非対称のクセが根深いことになります。

背中の丸まりが強いために、理想的な姿勢を取りづらいという方は、以前このコーナーで紹介した「どうして背すじを伸ばし続けるのは大変なのか」を元に、人間は日常生活を送っていたら、丸まってしまう生き物であることを説明し、「埋め合わせ=背中を反らす動作」の必要性を伝えるべきです。

次に、左右が非対称になってしまっている人に対しては、日常生活におけるどの姿勢習慣が左右の歪みに関係しているのか突き止め、改善のためのアドバイスができたほうがいいでしょう。荷物の持ち方、立ち方、座り方、脚組みや横座りなど、左右の歪みをつくってしまう要因は様々です。

どんなに素晴らしいアジャストをしても、姿勢習慣が悪ければ必ずサブラクセーションを引き起こしてしまいます。施術の効果を維持させるためにも、姿勢指導は不可欠と言えます。

最近つくづく思うことは、「いい姿勢」を身に付けるということは、一生の宝を手に入れることになるということです。それは、「いい背骨」を手に入れることになるからです。私も姿勢の見本であることを心掛けています。皆様も今回解説したことをぜひお役立てください。

碓田 拓磨D.C.(うすだ たくま)
1967年 長野県生まれ
1992年3月 早稲田大学社会科学部卒業
1992年4月 (株)リクルート入社
2001年3月 米国アイオワ州パーマーカイロプラクティック大学卒業
2002年2月 虎ノ門カイロプラクティック院開業
2005年4月 早稲田大学オープンカレッジ「姿勢と健康」講師
2010年 一般社団法人日本姿勢教育協会理事
「健康な人はなぜ姿勢がいいのか」(主婦の友社)
「即効1分間キャットレッチ 肩こり・腰痛 こんなにラクになるなんて(青春出版)
テレビ出演
となりの子育て(NHK教育)
世界一受けたい授業(日本テレビ)
ホンマでっか!?TV(フジテレビ)
あさイチ(NHK)
はなまるマーケット(TBSテレビ)
首都圏ネットワーク(NHK)
あげるテレビ(フジテレビ)

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