第15回 姿勢と精神の関係カイロプラクティックジャーナル

  第15回 姿勢と精神の関係

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いい姿勢でいこう 第15回 姿勢と精神の関係2015.08.15

第15回 姿勢と精神の関係
カイロジャーナル75号(2012.11.4発行)より

私は以前から、姿勢が精神的に深く関係しているのではないかと思っていました。そこで昨年、江戸川大学の橋本空先生からアドバイスをいただき、姿勢と気持ちの関係についてアンケートを行いました。そのアンケート結果を交えながら、「姿勢と精神」の関係について解説したいと思います。

「肩を落とす」という表現があります。今から「肩を落とす」ということがどういうことなのか実感していただきたいので、ご面倒でもやってみてください。

まずは背すじを伸ばし、肩を体の真横まで引きます。そのままの姿勢で肩を「真下」に下げようとしてみてください。肩を一度上に上げれば落とすことはできますが、背すじを伸ばした姿勢では肩の位置を真下に下げることはできません。

そこで、いわゆる「肩を落とす」姿勢をとってみてください。肩を落とすと肩が前にきて、同時に背中も丸まったはずです。肩を落とすとは、肩が下に移動するのではなく、肩が前にきて背中が丸まった状態なのです。

さて、人はどんなときに肩を落とすでしょうか。失敗したとき、勝負ごとに負けたとき、悲しい出来事があったときなど、そんなときに人は肩を落としがちになります。「落ち込んだ」精神状態です。

肩が前にきてて背中が丸まっている人は、肩を落としているように見えるので、他人には「落ち込んでいる」印象を与えます。

そのように姿勢によって他人に与える印象も変わりますが、問題は「自分の気持ちにも影響する」ということです。この体の表情が精神に影響することを「身体性(しんたいせい)」と言います。

姿勢も体の表情です。つまり姿勢が精神に影響するのです。では、姿勢がどれほど精神(気持ち)に影響するかということを、平成23年6月から12月の半年間に、10代から80代までの206人に実施した「姿勢と気持ちの関係アンケート」の集計結果を交えながら解説したいと思います。このアンケートの中から、代表的な2項目にわたって、姿勢と気持ちがどれくらい関係しているかを説明していきます。

① 背中を丸めて「やる気マンマンです」と言ってみる

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② 背すじを伸ばして「もう最悪です」と言ってみる

という2つの項目に対し、以下の番号に○印を付けていただきました。

  1. 不自然に感じる
  2. どちらかというと不自然に感じる
  3. どちらとも言えない
  4. どちらかというと自然に感じる
  5. 自然に感じる

では、各質問に対してどのような結果になったか説明していきましょう。

①の設問に対し、「不自然に感じる」と答えた人が206人中135人(66%)、「どちらかというと不自然に感じる」と答えた人が62人(30%)いました。合計すると197人(96%)の人が、背中を丸めて前向きなことを口にすることに対し、程度の差こそあれ不自然さや矛盾を感じるということです。因みに「自然に感じる」と答えた人は一人もいませんでした。

別の言い方をすれば、姿勢が悪いときは「前向きな気持ちになりにくいとき」と言えます。

姿勢が悪いと前向きな気持ちになれないと言っているのではありません。姿勢が悪くても前向きな気持ちにはなれます。ただし、姿勢が良いときに比べ、前向きな気持ちの程度が下がるということです。前向きな気持ちではあるのだけれど、マイナスの方向に引っ張られている状態と言えるでしょう。

以前この話を聞いた女性が私にこんなことを話してくれました。「ダイエットが上手くいかない理由は、ダイエット法にあるのではなく、『ダイエットをする』という前向きな気持ちが続かないからではないでしょうか」と。確かにそう思えてしまいます。

前向きな気持ちを維持するには姿勢が大切だということです。

②の設問に対し、「不自然に感じる」と答えた人が86人(42%)、「どちらかというと不自然に感じる」と答えた人が83人(40%)いました。合計すると169人(82%)の人が、背すじを伸ばしてネガティブなことを口にすることに対し、矛盾を感じるということです。

別の言い方をすれば、姿勢が良いときは「後ろ向きな気持ちになりにくいとき」と言えます。

姿勢が良いと後ろ向きな気持ちにならないと言っているのではありません。姿勢が良くても後ろ向きな気持ちになってしまうことはあるでしょう。ただし、姿勢が悪いときに比べると、後ろ向きな気持ちになりにくくなるということです。後ろ向きな気持ちにはなるのだけれど、プラスの方向に引っ張り上げてくれる力が働くと言えるでしょう。

この身体性を利用して、私は落ち込んだときにこそ背すじを伸ばすようにしています。背すじを伸ばして「俺、今落ち込んでいるよなぁ~」と口にするのです。すると、心の中で「そんなことないよ~」という声が聞こえてくる感じがするのです。

落ち込んだときにこそ、背すじを伸ばす。実践してみてください。

以上、姿勢と気持ちの関係について書かせていただきました。日常生活を送る上で、背中を一切丸めずに生活することは不可能です。だからこそ、丸まる必要がないときに丸まらないことが大切なのです。

姿勢を決めるのは背骨です。背骨の状態が「肉体的健康」にどれ程影響を及ぼすかは皆様が知っている通りです。そればかりではなく「精神的健康」にも姿勢が関係するのです。

「体」と「心」の健康のためにも、いい姿勢でいきたいですね。

碓田 拓磨D.C.(うすだ たくま)
1967年 長野県生まれ
1992年3月 早稲田大学社会科学部卒業
1992年4月 (株)リクルート入社
2001年3月 米国アイオワ州パーマーカイロプラクティック大学卒業
2002年2月 虎ノ門カイロプラクティック院開業
2005年4月 早稲田大学オープンカレッジ「姿勢と健康」講師
2010年 一般社団法人日本姿勢教育協会理事
「健康な人はなぜ姿勢がいいのか」(主婦の友社)
「即効1分間キャットレッチ 肩こり・腰痛 こんなにラクになるなんて(青春出版)
テレビ出演
となりの子育て(NHK教育)
世界一受けたい授業(日本テレビ)
ホンマでっか!?TV(フジテレビ)
あさイチ(NHK)
はなまるマーケット(TBSテレビ)
首都圏ネットワーク(NHK)
あげるテレビ(フジテレビ)

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