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  第10回 どうして背すじを伸ばし続けるのは大変なのか 2

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いい姿勢でいこう 第10回 どうして背すじを伸ばし続けるのは大変なのか 22015.08.10

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第10回 どうして背すじを伸ばし続けるのは大変なのか 2
カイロジャーナル70号(2011.2.25発行)より

今回は前回に引き続き、理想的な背骨の状態(負担の少ない姿勢)を維持しにくい7つの理由について、残り4つの解説をします。

背中が丸まりやすい理由

4.座る姿勢は脚を前に出さなくてはならないため。

解剖学を学んだ方ならおわかりのように、横から見た脊柱は「ゆるやかなS字」を描いています。頚椎と腰椎は前側に緩やかに膨らんでカーブしているべきです(図1)。

図1

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私たちは通常、脚を前に出して座ります。つまり大腿部を前に伸ばします。股関節が骨盤の下の方についているため、脚を前に出して座ると大腿骨に引っ張られる形で、骨盤が後傾しやすいのです。骨盤が後傾するということは、骨盤の上に乗っている腰椎は後弯することになります

図2

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5.座った時のバランスの悪さを解消するため。

背すじを伸ばして座る姿勢(図3)は、片側にしか支えのないブックスタンドみたいなものです。つまりL(エル)字の形になるので、倒れやすく不安定な状態と言えます(図4)。

それに対して、背中を丸めて座る姿勢(図5)は手元を照らす電気スタンドに似ています。このタイプの電気スタンドは、土台に対して土台の後ろ端から支柱が伸びています。この構造にすることで安定するからです(図6)。それと同じことが人体にも言えます。座った姿勢は背中を丸めた方が安定するのです。

4番目の理由で挙げた「座る姿勢は脚を前に出さなくてはならないこと」と、5番目の理由「座った時のバランスの悪さを解消するため」の2つの理由から、猫背は座った時にひどくなると言えます。これは、私が今まで千人以上撮影してきた「何気なく立った時」と「何気なく座った時」の写真を比べても明らかです。

座る姿勢で唯一、背すじを伸ばしたまま座っても安定した座り方があります。それが「正座」です。正座をすると僅かではあるものの足の指先が後ろに出ます(図7)。前後に支えができるので安定するのです。

図3

図4

図5

図6

図7

6.背中を丸め続けていると、筋肉がその状態に慣れてくるため。

普段から背中が丸い人は丸まっている姿勢が「楽」に感じます。これは丸まる姿勢が染み付いてしまった筋肉の習慣(クセ)によるものです。丸めておいたポスターと同じ原理です。

興味深いのは、多くの人(特に姿勢が悪い人)が背すじを伸ばす姿勢を「楽ではない」と感じることです。これは猫背に限らず、体の左右の歪みにも言えることです。

つまり「理想的な姿勢=体に負担の少ない姿勢」と「楽な姿勢」は別ということです。

7.背中を丸め続けていると、背骨の関節が反りにくくなってしまうため。

例えば、腕を骨折してギプスで数週間固定しておくと、ギプスをはずした直後は手首や肘の関節は通常通りには動きません。つまり、関節は動かさないと動かなくなるのです。背骨も関節でつながっていますので、これと同じ現象がおきます。

前号で書いたように、日常生活には首や背中を反らす動作がほとんどないため、体を反らす方向に関節が動きにくくなってしまうのです。

以上、前回と今回の2回にわたり、どうして背すじを伸ばし続けるのは大変なのかについて説明しました。このことからもおわかりいただけるように、人間は丸まりやすいのです。繰り返しになりますが、だからこそ健康な背骨を維持するために姿勢に対する「意識」を持ち、「埋め合わせ」をする必要があるのです。
私たちは重力のもとで生活をしていますので、姿勢が悪いと「物理的に」体に負担をかけてしまいます。これは避けられない事実です。そのことに気付かず、根本的な解決が実現できない多くの方のために、このコーナーが少しでも役立てば幸いです。

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