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  第9回 どうして背すじを伸ばし続けるのは大変なのか 1

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いい姿勢でいこう 第9回 どうして背すじを伸ばし続けるのは大変なのか 12015.08.09

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第9回 どうして背すじを伸ばし続けるのは大変なのか 1
カイロジャーナル69号(2010.11.3発行)より

多くの人が「悪い姿勢はよくない」と思っているにもかかわらず、どうして姿勢が悪くなってしまうのでしょうか。以前、「先生の授業を取れば、無意識にいい姿勢を取っていられるようになるんですよね」と言われたことがあります。気持ちはわかるのですが、そうはいかないのが現実です。なぜなら「人間は背中が丸まりやすい動物」なのです。その理由が7つあるのですが、今回はそのうちの3つについて解説し、だからこそ猫背に注意しなくてはいけないということをご理解いただきたいと思います。

背中が丸まりやすい理由

1.手元の作業は下を向かないとできないため。

われわれが日常生活で頻繁に行う作業は、ほとんどが手元の作業なので下を向くことになります。字を書く、書類を読む、ハンコを押す、電卓を打つなどの「デスクワーク全般」。アイロンがけ、裁縫、料理、トイレや風呂、床掃除などの「家事全般」。ポータブルゲームや将棋、碁、オセロなどのボードゲーム、ものづくり、読書など「室内で行なうスポーツ以外の趣味全般」なども手元の作業です。これらのことを、正面を向いたまま行うのは不可能か、できたとしても非常に効率が悪いでしょう。

どうしてこのようなことになるかというと、人間の目が頭のてっぺんに近いところにあるからです。正面を向いたまま(背すじを伸ばしたまま)作業をしようとするなら、視線だけを落とす(目だけ下を向く)か、腕を持ち上げて作業自体を視線の高さでやることになるからです。これはどちらも現実的ではありません。つまり、手元の作業は下を向くことになるので背中が丸まるのです。

2.腕が前に来ると背中が丸まりやすくなるため。

手元の作業は必然的に前方でします。体の後ろで字を書いたり料理をつくったりする人はいないでしょう。腕を前に伸ばすと、自然に肩も前にきます。肩が前にくると、背中が丸まりやすくなるのです。日常生活において、腕を前に伸ばす(手元の作業をする)機会に比べて、後ろに伸ばす機会は圧倒的に少ないので、「埋め合わせ」が不十分になってしまうのです。

「日常的」ということで考えて、手を後ろに回さなくてはできない動作を挙げてみます。体の後ろ(背中・後頭部)をかいたり洗ったりする、ベルトを通す、エプロンを結ぶ、ネックレスの留めはずし、女性であれば、スカートのジッパーの上げ下ろし、下着のフックの留めはずしなどでしょう。そこで、これらの動作を行っている回数や時間を考えてみてください。デスクワークや家事をする回数や時間は、1日の中に結構な割合であるにもかかわらず、体の後ろで行う動作は回数も時間も圧倒的に少ないはずです。ベルトを通すのに10分もかけたり、背中を何十分も洗い続けることはないでしょう。つまり、腕を前に伸ばす動作が多い分、肩が前にきやすく、背中が丸まりやすいのです。

3.下を向く機会に比べ、首や背中を反らす機会が圧倒的に少ないため。

言うまでもなく下を向く動作は背中が丸まりやすくなります。逆に上を向く動作は首や背中を反る動作になります。日常生活において、下を向く(手元の作業をする)機会に比べて、上を向く(頭上の作業をしたり、真上を見上げたりする)機会は圧倒的に少ないので、②と同様「埋め合わせ」が不十分になってしまうのです。

「日常的」ということで考えて、首や背中を反らす動作を挙げてみます。うがい、目薬を差す、空を見上げる、高いところの物を取ったり置いたり、電球を交換するといったところだと思います。

これらの動作は下を向いて行うのに比べ、回数も時間も圧倒的に少ないはずです。うがいだって、せいぜい数分。目薬を差すのは数秒です。電球を替える作業だって、普通の人は数カ月に一度程度ではないでしょうか。空を見上げるといっても、10分も見上げ続けるということは稀でしょう。

つまり、下を向く(丸まる)動作が多い分、背中が丸まりやすいのです。

今回は背すじを伸ばし続けるのが大変な理由を3つ解説いたしましたが、次回は残りの4つについて解説いたします。冒頭に述べた通り人間は丸まりやすい動物なのです。私自身、起きている間中背すじを伸ばし続けていることは不可能です。だからこそ、健康な背骨を維持するために、姿勢に対する「意識」を持ち、肩を後ろに引き、首から背中を反らす動作を実践することで「埋め合わせ」をする必要があると言えます。

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