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選択理論を治療に生かす 小野永一


カイロジャーナル83号 (2015.6.28発行)より

新連載

選択理論を治療に生かす
第1回 小野永一

小野 永一(おの えいいち)
小野カイロプラクティック(青森県五所川原市)院長。日本カイロプラクティック師協会(JSC)顧問。「Drケリーの治療を考える勉強会」を主宰。

身体の不調改善に役立つ選択理論心理学
痛みの原因」は

4年前、初めて選択理論心理学と出会い学び始めた。学びの中で、人の行動のメカニズムについて詳しく触れている。この考え方を治療に取り組めたらと面白いと思った。

選択理論心理学とは、1965年アメリカの精神科医ウイリアム・グラッサー博士が提唱した心理学である。当時、薬を使って治そうと言う考え方に疑問を持ち、薬を使わないで精神患者を治すリアリティ・セラピーというカウンセリング技術を確立した。リアリティ・セラピーを理論的に進展させたものが選択理論心理学と呼ばれている。

選択理論心理学は、特に身近な人との人間関係を大切にしている。私たちは親や先生から教わってきた考え方で、身近な人と接するのだが、あまり上手くいっていない気がする。夫婦関係、親子関係、上司と部下の関係など、なぜかギクシャクしているケースが多いはず。なんと殺人事件の50%は家族間で起きているという。

治療院に来ている患者の多くは、身近な人との人間関係が上手くいっていなくて症状が発症しているのではと思うようになった。

毎日、患者の痛みと向き合い治療していく中で、痛みの出ているところは結果であり、他に原因があることは頭で理解していた。ここ数年間Drケリー・ダンブロジオの筋膜系のセミナーを受講することでメカニズム的に理解できるようになり、治療でも効果が出せるようになった。

私はこれまで、多くの患者で何かが満たされておらず、その脳の在りようが体に現れているのではないかと感じてきた。良くストレスが原因だと言うが、ストレスの85%が人間関係の問題で、あとの15%は経済的問題などがあげられる。患者は多くの方が不幸とまでは言わないが幸せだと感じられない状態にあるのでは、と思う。

その例が、私の友人が椎間板ヘルニアで整形外科に入院した聞き、見舞いに行ったときの出来事である。数回ブロック注射を打ったが改善がみられないので手術をする予定だという。そこで友人と話し合った。仕事で頑張っているが、周りから正しく評価されないことに悩んでいた。「すべての人に認められたいですか? それとも一人でも認めてくれる人がいたとしたら悩む必要がなくなりますか?」と質問した。後者の答えが返ってきたので「私があなたの頑張りを一番知っている」と話した。

1カ月後、彼は手術することなく腰の痛みも痺れも消えて退院した。見舞いのお礼に来た友人の顔は別人のように明るかった。友人は、私と話して私を信じてみようと思ったら体が軽くなって改善していったという。彼の満たされていない願望が満たされたのかもしれない。

改めて選択理論心理学をもっと深く学ばなければと思うようになった。私たちは、何を満たそうとして行動しているのか。どうしたら満たせるのかを知ることで、患者を痛みの軽減だけでなく幸せにできる。ハッピーな治療院として貢献していきたい。

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