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タイ仏僧 プラユキ師 静かに語る

カイロジャーナル82号 (2015.2.23発行)より

特別講演会「今ここ」開催
心に余韻残して

カイロジャーナル創刊25周年の昨年、科学新聞社は記念のイベントラリーを開催した。そのファイナルを飾る特別講演会「カイロプラクティックと仏道の融合“今ここ”」が、11月30日、東京・港区の会場で行われた。参加者たちは日頃のセミナーとはひと味違う3人の講師のそれぞれの話に引き込まれたようだった。講演終了後もすぐには立ち去り難い雰囲気の中、講師を囲み、また参加者同士での談笑が続いていた。

午前中は本社主催の勉強会で、本紙医の連載でもおなじみの、中川貴雄、榊原直樹氏による「カイロプラクティック・セッション」が行われた。そして午後は、本紙前号、前々号の2回にわたって榊原氏との対談を掲載した、タイ仏僧のプラユキ・ナラテボー師による「今ここ」の講演と、榊原氏との対談形式による質疑応答が行われた。

プラユキ師は、埼玉県の一般家庭に生まれたが、1988年にタイの上座部仏教のスカトー寺に出家した。現在はその副住職を務めており、日本から仏道を求めて来る人や心身の健康に悩む人を積極的に受け入れ、瞑想指導をしたり相談に乗ったりしている。医療や福祉関係者からの相談が比較的多く、これまでも日本に帰国した際に、特に医療者向けの講演会を行ったこともあるという。

5つのポイント

今回の講演会は、日々瞑想を実践している榊原直樹DCがプラユキ師に直接申し出て実現したもの。上座部仏教の教えを日常生活と臨床に生かすヒントが散りばめられた貴重な講演となった。講演内容の中から、臨床コミュニケーションの5つのポイントを紹介する。

「身体の治療を行うという場合、治療セッションを短時間でより効果的にしたいと考えるでしょう。悩み苦しみのある人とのコミュニケーションで活用できる技術を5つ挙げます。

  1. オープンハートで信頼関係をつくる:これは苦しみからの自由になる起点です。話を聞くときや、質問を投げかけるときは、前提を持たず、何が起こってもOKという態度でいます。オープンハートの心象で、あるがままの現象を受け入れます。 
  2. 純粋な好奇心を持って相手にコミットしていく:相手が自分の症状を恐れているとき、こちらがそれから学ばせてもらいたいという心構えでいれば、相手は症状というものを興味深いものとして見るようになっていきます。そして心と仲良しになり始め、より客観的になります。
  3. 心を“今ここ”にとどめて気づいていく:自動反応である心のくせのままに行動するのではなく、今ここで気づくことで、次の一歩を選べます。心がここになければ、相手との場は深まりません。
  4. 相手を受容する:例えば、“怒り”というものにも、その奥には“~であってほしい”という願い、期待があります。そういう心の奥にあるものを受け止めて、それに対応していきます。
  5. 方便を使う:“嘘も方便”という慣用句とは少し違って、方便とは、その人個人に合ったふさわしい方法で、真摯に対応をしていくことです。相手に応じて様々に姿を変えて人々を導いた“仏教界のコスプレ”観音様は方便の達人です」。

講演後の質疑応答の際のプラユキ師は、まさにこの1~5を実践で示していた。オープンハートな態度と好奇心を持って相手の話を聞き、受容的で、その場で信頼関係が築かれるのが参加者にも感じられる印象的なものだった。

手動瞑想も体験

手動瞑想という独特の瞑想も参加者全員で体験した。これはタイの高僧が編み出した新しい瞑想法で、“今ここ”に気づくのによい手法としてプラユキ師が積極的に紹介している。普段瞑想を実践している人にとっても、初めての人にとっても、貴重な体験となった。

やる気、希望、静かな感動を呼び起こし、心に余韻を残すような講演会だった。カイロジャーナル記念イベントの最後を成功裡に締めくくることができ、主催者も2015年からのカイロ事業へ向け、気持ちを新たにしたのだった。

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