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岡井健DCのI Love Chiropractic ! <第29回>目指せ! 発展的世代交代2015.01.09

カイロジャーナル81号 (2014.10.1発行)より

教育の担い手は業界の中堅

皆さん、お元気ですか? 私の一番好きな季節、秋の到来ですね! 一年の大半は素晴らしい天気が続くカリフォルニアで暮らす私が、日本の気候を実に羨ましいと思うのがこの秋です。気候がいいので秋はイベントなども多いようですね! きっと皆さんも忙しく過ごされていることでしょう!

私も10月の体育の日にソウルナイトに参加するために東京へ行ってきました。2006年に始まったカイロプラクティック・ソウルナイトも9年目を迎えました。今回は「New Era~新たな時代へ~」というテーマでした。私のほかにも5名のフレッシュなスピーカーが登壇し、大変いい話を聴かせてくれました。

ソウルナイトには、団体、出身校、学位、テクニック、フィロソフィーの垣根を越えた集まりを持とうという主旨があります。読者の皆さんの中には、一度も参加したことがない、また、ずいぶん参加していないな、という方が結構いらっしゃると思いますが、ぜひ次回は参加してみてください。来年はいよいよ10年目です。盛大に盛り上げて業界の活性化のお役に立ちたいと思います。来年登壇することになるのはあなたかもしれませんよ!

さて、今回のソウルナイトのテーマも「新たな時代へ」でしたが、カイロの業界にもいよいよ本格的な世代交代の波が押し寄せてきているのではないでしょうか? 戦後アメリカで学んで帰国されたDCの先生方もかなり高齢になってきました。多くの先生が未だに現役で頑張っていらっしゃいますが、そろそろ身の引き方を考えておられる方も多いことでしょう。そしてバブル世代前後の私に比較的年齢が近い先生方も、もう若いとは言えない年頃になってきました。われわれの世代やその上の世代の先生方は次世代にバトンを渡し、それをサポートすることを考える時期になってきたのだと思います。何かと目立ちたがり屋が多いわれわれが、上手く次世代の良いところを引き出し新たな発展を求めて世代交代を行うべきなのです。なにも引退という話ではなく、業界の牽引の大きな役目を次世代に任せていかなければいけないと思うのです。

横の意識が希薄

日本のカイロ界は戦後になって大きく発展した新しい業界です。カイロ自体の歴史でさえ、わずか119年です。われわれの世代より上の先生方は一生懸命カイロプラクティックを日本で普及させてきました。その貢献度は高く評価されるべきだと思います。しかし、業界には負の遺産も多く残されてきたことも同時に認識する必要があります。

業界のパイオニアとして強烈な個性で多くの人を惹きつけてきた先生方は、横の繋がりや強調ということに関しては意識が希薄であったと思います。戦後の経済成長期からバブル期で一気に財産や名声を手に入れたものの、その後の経済の不況とともに業界が勢いを失ってしまいました。業界では今まで様々な団体が誕生しては消えていくということを繰り返してきました。その大きな理由が協調性のなさです。その結果、未だに法制化は見えないし、団体間の交流もほとんどありません。教育基準もそれぞれが勝手に定めて行ってきて、業界のスタンダードは変わらず低いままです。勉強熱心な一部の人と、そうでない人の格差は広がっているようにさえ見受けられます。

私が10年ほど前から日本の皆さんと交流を持つようになった当初は、皆さんのカイロに対する熱意に感心したものでした。ところがより深く知ってみると、熱意の割には勉強不足の方も多いということに気づかされました。もちろん驚くほど勉強している方もいるのですが、業界の大部分の意識レベルは意外と低いのです。これは私が改めて言わなくても日本の皆さんの方がご存知でしょう。勉強熱心、研究熱心な方も、自分の興味のあることばかりに目がいっているので知識の幅が狭いのです。そんなところから学校教育の意味を考えることになりました。学校では幅広い勉強をしますので、興味がないことや苦手なことも勉強しなければなりません。それによって幅広い知識と様々な事象への理解力や考察力、そして判断力が身に付くのだと思います。これは何もカイロの世界だけではなく、一般の教育でも同じことでしょう。それは常識です。だからカイロプラクターになるための基礎教育も、とても大切なのです。

正真正銘の実力

これからの世の中は膨大な情報量へのアクセスが容易になり、一般の方でも医学的知識がかなり高くなっていますので中途半端なカイロプラクターでは、どんなに取り繕ってもやがて実力のほどが知れてしまいます。アメリカからDCを取得して帰っても、実はまだ駆け出しの新人なのに、日本ではDCだとひな壇に祭り上げられてしまい、本当はまだまだ自分が学ぶ時期なのに、人様に隈本 吉則教授することになってしまいます。自分の実力をしっかり付けることにひたすら没頭すべき時期に、教えることに一生懸命になるのは成長を押さえてしまうことになります。臨床で実際に患者の治療をして結果を出し、治療院を経営していくという当然のことができなくなってしまうことになりかねません。人を教えることは自分の勉強にもなりますが、やはりそれには適切な時期というものがあります。これからの時代は、せっかくDCが日本へ帰国したのなら、彼らをしっかりと育てるシステムがあればと願うのです。そして、揺るぎのない知識と技術、そして倫理観、経営力を持ったDCへ成長してもらい、そのあとで日本のカイロプラクターの皆さんへの教育で、いかんなく力を発揮してほしいものだと思います。

日本で学位のない先生方の中にもヤル気のある方、実力のある方はたくさんいます。その方々を学位がないという理由で切り捨てることは非現実的です。なぜなら業界のマジョリティーが学位のない先生たちなのです。学位のある先生たちが一方的に、認めないと見下しても痛くも痒くもないわけです。しかし、学位のない先生たちも、やはり心のどこかでは学位持ちの先生にコンプレックスを抱いていると思います。いくら口で否定しても、心の中では少なからずコンプレックスを感じてしまうのではないでしょうか。 それが正常な人間の心理だと思います。私は優秀な人材にコンプレックスを持たずに教育を受け、正真正銘の知識と実力を身に付け、日本の業界で共通の学位を取得し、胸を張って生きていけるような現実的な教育システムができるべきだと思っています。

私が言っていることは夢物語なのでしょうか? これからの日本の業界では、これまでのように強烈な個性を持ったDCの登場はもうないと思いますし、それが悪いことではないと思うのです。これからの業界をリードしていくべき立場の先生たちが横のつながりを強くして、「自分が一番じゃなきゃ」というような考えを捨てて組織だって活動すべきだと思っています。そのときに一番考えなければならいことが、今の自分たちの利益や保身ではなく、「次世代のための業界づくり」です。そのためには教育が大切で、それを実践していくのが今業界で中堅となっている先生方です。特にDCの先生や国際基準の学位を持っている先生は、まず自分をしっかり磨き業界を本当の意味でリードしていける人間、そしてカイロプラクターになって欲しいと思います。そうすればスムーズな世代交代ができます。いくら業界の重鎮たちが世代交代をしたいと思っていても、人材が揃ってなければ上手くいきません。私は既に多くの優れた中堅の先生方がいると思っています。必要なのは自覚と横との連携です。

次世代のために

われわれは日々の多忙な生活や、悩み、不安、そしてエゴや自己顕示欲と戦って生きています。どうしても、自分が業界のために何をすればいいかということを見失ってしまいがちです。そのとき、ぜひ皆さんに、この言葉を思い出して自分自身に問いかけていただきたいと思います。「次世代のために自分は何ができるか?」ということです。そこには私利私欲や自己顕示欲が入り込む余地はありません。皆がそういう考えを持てれば何事も夢物語ではなくなります。エゴとエゴのぶつかり合いや、自己顕示欲が今まで業界の発展の足かせとなってきました。自分の考え以外受け付けられないような小さな人間にならないように皆さんにお願いしたいのです。多くの人がいれば、その数だけ違った考えや行動があります。ある程度それを認め合い、皆で「自分のためではなく、次世代のために」とエゴを捨てて考えて業界全体の発展を願うならば、きっとこの業界は変わる! 私はそう信じているのです。発展的世代交代や次世代のために皆で一緒に頑張っていきましょう!

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