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  IACEが教育の質向上に邁進

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IACEが教育の質向上に邁進

 国際カイロプラクティック評価機関(IACE)は、脊椎サブラクセーションを根幹とするカイロプラクティックの概念と実践を普及し、教育の質の向上に取り組む団体である。2012年に組織や役員が刷新され、塩川満章DC(東京都・塩川カイロプラクティック治療室院長)がアジアから初めての役員として新たに加わった。サブラクセーション中心のカイロの質の確保と向上を図るため、今後は教育の公式認証(アクレディテーション)を行うことを目指し、準備を進めている。

IACE理事長
マイラン・ブラウンDC

サブラクセーションを教育の根幹に

当初は南米での認証

IACEは2001年に米国アイオワ州で非営利法人登録し、活動を開始した。初期の具体的活動は、南米のアルゼンチンでサブラクセーション・ベースのカイロ教育の質を確保するためのものだった。アルゼンチン・カイロ協会の委託により、カイロ教育カリキュラムのアドバイスし、認定試験を作成し、実施した。後にペルーでも同様の活動が行われた。

2012年に設立時から役員だったマイラン・ブラウンDCが専任の理事長となり、塩川DCを始め、新たな理事も加わった。このころにはカイロプラクティック教育協議会(CCE(※))のサブラクセーション軽視の傾向が顕著となっており、米国内でサブラクセーション中心のカイロ教育の認証制度の確立を求める声が高まっていた。IACEは顧問団による調査を行い、それに基づきIACE自らが認証機関として機能していく決意を表明した。

IACEの掲げる使命

 IACEは自らの使命を次のように説明する。

  • 「DDパーマーが脊椎サブラクセーションと、それによる神経系統合が阻害を発見したことがカイロプラクティックの始まりである。
  • 安全で効果的な分析とアジャストメントは偉大なヘルスケアの方法であり、サブラクセーションはカイロ専門職の根幹を成す。
  • サブラクセーション中心のカイロ卒後教育プログラム機関は多数あるが、それを鑑定し、特性を明らかにする認証機関が存在しない。
  • サブラクセーション中心のカイロ存続のためには、質の高い生涯教育と一般の人々への情報の普及が必要である。IACEはこの空白を埋めるために、卒後教育の認証とそれに関連する教育の評価を探求する」(要約)

現在の活動

IACEは認証業務開始の最終段間にいる。現在、認証業務に携わる人員の確保やその研修を行っている。また、認証業務の骨子はホームページ上でも公開しているが、まだ制度面や事務的業務を詰めていく必要がある。準備が整い次第、認証申請の受け付けを開始する。

認証機関として政府や公的機関にどのような形で認められるべきかという課題もある。これについてブラウン理事長は「米国の連邦および州政府は、基本的に新しい組織が機能的に何を達成したのかを見てから決断を下すものである。実質的な認証機能を持つことが先だ。優れて信頼できる実績を示せば、政府の認可は自ずとついてくる。IACEは優れた人材を抱えており、政府から適切なステイタスを受け取れることを核心している」と自信を見せる。

米国には初めて道筋をつくったもの、実績を積んだものが公的権威を獲得できる政治文化があるし、カイロ界にも、実績から権利を勝ち取ってきた歴史がある。IACEもまたその歴史に名を刻むのかもしれない、

CCEとの関係

現在正規のカイロ教育機関と認められるためには、CCEの認証(アクレディテーション)が必要である。IACEはCCEに代わる機関を目指すのではなく、サブラクセーション・ベースの教育の質確保のための認証を目指す。ブラウン理事長は「複雑な現代社会で単独で機能できる団体などない」と言う。

米国のカイロ大学は、CCE単独ではなく、最低でも2つ以上の機関から認証を受けている。しかしサブラクセーション中心のカイロ教育の質を、政府、社会、そして将来の学生に対して保証するものは何もない。IACEがその機能を発揮しようというのである。

IACEはシンクタンクを通してCCEがサブラクセーション中心の教育を評価するための能力と関心があるかを調査し、話し合った。その結論が、独自の認証を行うことだった。IACEはサブラクセーション中心のカイロに焦点を当てた唯一の評価機関であるので、CCEその他の評価機関とも敵対、競合はしない、とブラウン理事はいう。

しかしCCEの教育方針には次のように批判する。「CCEは症状中心のメディカル・モデルを採用する誤ったイデオロギーで、カイロプラクターがプライマリーケア・カイロ医となる道を狭めてしまっている。サブラクセーションを特定を特定してアジャストするための知識と技術が欠く卒業生を量産している」。このままではカイロ専門職の将来の持続性を阻害すると警笛を鳴らす。

WHOガイドラインも改定を

WHOの「カイロプラクティックの基礎教育と安全性に 関するガイドライン」(2005年発行)に対する印象をブラウン理事に聞くと「優良な教育と安全保障が最も大切なのは言うまでもない。しかしここにもサブラクセーション中心のカイロの概念が全く含まれていないことは明らか。将来の改訂版ではカイロの本質部分が組み込まれ、適正化することが望まれる」と述べた。WHOの掲げるカイロ教育の標準化は、CCEの流れを組んで、メディカルな知識とそれに関連づけたカイロ技術の習得に焦点を当てている。

 

カイロの本質を求めて

カイロは独自の科学、芸術、哲学を掲げて発展してきたが、CCEではこれらを全く対象にしてこなかった。この結果、カイロ科学・芸術・哲学は、カイロ史の授業でのみ取り上げ、実践と全く結びつけないCCE認証校もある。これは米国だけでなく世界的な傾向である。そのような状況を憂うカイロプラクターも決して少数派ではないので、今後IACE認証制度実現に向けて、世界の関心と期待は高まっていくだろう。

IACEはサブラクセーション中心のカイロ教育のスタンダードを提示し、教育機関・課程の認証することを目指して前身している。完璧な客観性を担保するのは困難かもしれないが、カイロの本質を継承するための偉大な取り組みであろう。

(※)CCE:Council on Chiropractic Education. 日本語訳をカイロプラクティック教育審議会と訳す場合があるが、政府諮問機関ではなく、カイロ教育を独自に規定する自治権のある団体なのでカイロジャーナルではCouncilを協議会と訳している。

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