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岡井健DCのI Love Chiropractic ! <第27回>「カイロプラクターになれ!」2014.02.22

国際基準の前にまず国内基準必要
カイロジャーナル79号 (2014.2.22発行)より

日本の皆さんお元気ですか? 日本の冬は寒さは厳しく大変なことでしょう。でももうすぐ春がやってきます。寒さに負けずに頑張っていきたいですね。私もアメリカでDCとなって22年以上が経ちます。本当に時が経つのは早いものでうかうかしているとあっという間に一年が過ぎていきます。ただ日々を懸命に生きるだけでなく、大きなしっかりとした目標を持っていないと何年たっても大した成長がないということになりかねません。ところで日本のカイロプラクティックはこの20数年でどのような成長をしてきたのでしょう。日本社会もバブル経済の崩壊による長い長い不景気で元気がなかったのに同調してカイロ業界も総体的に観ると今一歩元気がなかったように感じます。このところ日本経済も明るさが増してきて東京オリンピックへ向けてさらに良い流れが加速しているように思われます。アメリカの経済も比較的好調なのでこの勢いに乗って日本のカイロ界も新たなステージへステップアップしなければいけないと思います。

優秀な人材育てよう

どこの世界にも折角の運気が訪れているに、その勢いに水を差すような慎重論者、はっきり言えばネガティブ思考の方もいます。それはそれで貴重な意見で冷静な判断で暴走を止める大切な役目もあります。しかし、私はこのようなチャンスは思いっきり活用するべきであり暴走はいけないけれど勢いは大切にしたいというタイプです。今このチャンスに乗って今までできていなかったやるべきことを実現させていくべきです。まず、一番は優秀なカイロプラクターを増やすということです。ここでのポイントは「優秀」という言葉です。ただカイロプラクターの数が増えても、知識も技術も心も未熟なものが増えれば、それは業界や患者にとってマイナスとなります。優秀なカイロプラクターを大量に育てなければならないのです。そのことによって業界の評判も上がり、カイロプラクター全員に恩恵があるというものです。

優秀なといっても非常に抽象的な表現になりますが、何が優秀かという定義についての私なりの考えを述べさえてもらいたいと思います。いくつかのカテゴリーがありますが、大切なのは何より一定水準の教育を受けていてカイロプラクターとしての知識のある者です。JACが長年訴えていた国際基準は確かに素晴らしいものですが、国家資格もない日本のカイロ業界では私はそこまでは求めていません。しかし、多くの二年制のカイロ専門学校の教育が優秀なカイロプラクター養成に十分な教育かというと残念ながら否というしかないでしょう。二年制のカイロ専門学校を卒業した優秀なカイロプラクターや盛業している先生は確かにいますが、卒業生の中でのその割合を見ると稀有な存在と言えるでしょう。カイロプラクターとは名ばかりでサブラクセイションをアジャストするというカイロプラクティックでは当たりまえのことさえ行っていない方もいます。

盛業していれば優秀な先生かというとそれはまた別の話でもあります。目先が効いてコミュニケ―ション力の高い人なら、大した技術や知識がなくてもその演出力と営業力で十分に盛業となることができます。ところが、そのような人は短期で成功することができても長年患者や業界の仲間から尊敬を集めて活躍することはかなり難しいでしょう。多くの優秀なカイロプラクターを育てるにはやはりそれなりのしっかりとした継続的教育プログラムが必要なのです。

JACの重要な責務

その次に大切なのは日本医師会のようにその業界で絶対的リーダーシップをとることのできる協会の存在です。日本ではJACがその役目を担うべきだと私は思っていますが、今のままではだめです。人気も実力も不足していますし、リーダーシップがあるとはお世辞にも言えません。ですが、これからに私は大いに期待しています。今存在する様々な団体に消えてなくなれというのではなく、そのような団体に属している人も当たり前のように同時にJACにも属するようになって欲しいということです。要するにカイロプラクターと名乗るものは全員JACのメンバーになるのが当たり前という自然な流れができることが大切です。そのためにもJACに所属できる資格を持つカイロプラクターが増えなければなりません。これから実施されるであろう再教育プログラムを二年制の学校を卒業した先生がどんどん受講して試験に合格していけば、当然JACにも入会できるはずです。JACは会員の利益を保護するためにあらゆる活動をしていかなければなりません。日本には国際基準の前にまずは国内基準が必要なのです。それがものの順序というものです。国内基準を満たしたカイロプラクターにはJACは積極的にセミナーをはじめ卒後教育に力を入れるべきです。国内外の優れた先生のセミナーをリーズナブルな費用で受講できるようにするべきです。そして成長した優秀な人材は二年制の学校の卒業者でもJACの役員へもどんどん登用するべきです。やがて日本国内でカイロプラクティックが国家資格として認められる場合は、JACが認めた国内資格が最低条件として必要となるはずです。

二年制には問題あり

そして、忘れてはいけないのが教育機関が足並みを揃えることです。柔道整復師や鍼灸の学校は半日の授業で3年制です。それと同程度に揃えるべきです。それ以下でもそれ以上でもなく同じようにするべきです。国家資格でもないカイロが他の国家資格と同じ難易度なら学生は国家資格のあるほうへ流れるのではないか? という考えのもとに二年制の学校が出来上がったと思います。お手軽さを売りにしたのです。ところが現状はどうでしょう? たとえ手軽な二年制であっても魅力のない業界には学生は集まらないのです。今、どこのカイロ専門学校もほとんど生徒がいないのです。私に言わせればマーケティング不足以外の何ものでもありません。私が自分の人生を賭けるキャリアを選択するときに、誰もが楽になれる職種よりも難しくてもやり甲斐がある道を選びます。優秀な人間を集めるのにお手軽な道は役に立ちません。難しいことだとは思いますが、教育機関が他の国家資格を持つ代替医療の専門学校と同等のプログラムで足並みを揃えることが必要で、数カ月の短期教育や他の医療専門学校で選択科目の一つとして学べるものでは決してないのです。

私の注文はDCや国際基準を持つカイロプラクターにも及びます。自分の道を極めるということも大切ですが、同時に業界の発展に貢献するのも大切な仕事です。自分たちが学んだ知識と技術を業界の発展のためにも使って欲しいと思います。そこで心が養われていくと思うのです。もし自分たちは学位があるので二年制の学校を出た人たちと一緒にしてほしくないというような思い上がりがあるのなら、人間が小さいとしか言いようがありません。それより業界の大多数を占める学位のないカイロプラクターを育て、彼らが堂々と活躍できる業界を作っていかなければなりません。国内基準を作り、やる気のある者がそれを取得できるシステムを作っていくのです。国際基準やDCを持つ人たちだけでこの業界は成り立ちません。自分たちはマイノリティーであるのに業界で高く評価され用いられていることに感謝し、自分のためにではなく業界のために周りと力を合わせて、優秀なカイロプラクターを増やす事を考えて欲しいと思います。

「整体」の看板外す覚悟を

今回最後に言いたいことは、カイロプラクターとしてのアイデンティティーを自分自身でしっかり持つということです。カイロプラクターとして生きていく覚悟をし、自分自身をカイロプラクターと呼ぶのであれば、世の中に向けて堂々と私はカイロプラクターだと宣言するべきです。それによって得られる自信はきっと今より一つ上のレベルへ皆さんを引き上げてくれるはずです。よくカイロプラクターの名刺や看板に整体という文字を併記している方が多いのに驚きます。カイロプラクターとして生きるのならこのような中途半端な気持ちを公に出すべきではないと思います。整体という言葉を使うと一般にわかりやすいとか集客につながると思っているのかもしれませんが、私はそうは思いません。整体とカイロという言葉を混合させることで余計に一般の方を惑わせカイロを分かりにくいものにしています。私は自信をもって断言します。皆さんがもし自分を整体師ではなくカイロプラクターだと思っているのなら今すぐ名刺や看板から整体の言葉を取ってみてください。今より患者が増えることはあっても減ることは絶対にありません。皆さんの覚悟と自信が熱意となって人を惹きつけるのです。

この業界は優秀なカイロプラクターをたくさん必要としています。厳しい事を言っているのは分かっています。しかし今のままではこれまでと同じように何も変わらないということも分かっています。私もできる限り日本の皆さんのお手伝いをしたいと思います。まず、我々一人ひとりが自分はカイロプラクターなんだという自覚を持ち、業界の発展のために何をするべきかを考えてみてはいかがでしょうか。

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