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  ジェイ・ホルダーD.C.「カイロプラクターがサブラクセーションをケアしなくて、誰がサブラクセーションをケアするのでしょう」

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<第15回>ジェイ・ホルダーD.C.「カイロプラクターがサブラクセーションをケアしなくて、誰がサブラクセーションをケアするのでしょう」

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ジェイ・ホルダーD.C. ジェイ・ホルダーD.C.

トルクリリース・テクニックとオリキュロセラピーのセミナー講師として、米国フロリダ州在住のドクター・ジェイ・ホルダーDCが8月に来日した。中毒症/依存症の専門病院を経営し、独自のカイロプラクティック治療と代替医療を組み合わせた治療により、中毒症/依存症からの離脱に大きな効果を上げ、異色のカイロプラクターとして注目を集めているホルダーDCにお話を伺った。
(聞き手:カイロジャーナル編集部 櫻井京)

世界初の依存症に対するカイロ・ケア

ホルダー先生はカイロプラクターとして初めて中毒症/依存症の治療に取り組み、政府からの依存症治療のための助成金や医療保険給付金でカバーされる治療プログラムを実施する病院を経営されています。それはどのような病院なのですか。
フロリダ州マイアミで350床規模の依存症専門病院を運営しています。自分の家から10分で行ける距離です。通常の病院と同じように、標準の依存症治療プログラムであるカウンセリングやグループセラピーも行っていて、それにトルクリリース(ホルダーDCの開発したカイロ・テクニック)、オリキュロセラピー、アミノ酸療法を取り入れています。アメリカ以外に、イスラエルでも同様の病院を開設しています。今後、世界に広げて行けたらと思っています。
カイロプラクターが依存症治療にどのようにかかわるかは各国の医療制度事情もあり、様々です。オーストラリアでは、カイロプラクターの個人クリニックが依存症プログラムを行っているので、ホルダー・リサーチ・インスティチュート・オーストラリアが中心となって依存症プログラムを推進しています。
先生は、病院の運営以外にもセミナーの開催や研究で多忙ですが、病院での臨床はどの程度やっているのですか。
病院には、週2回だけ行っています。心理学者、精神科医、看護師、カウンセラーなど100人以上の従業員がいるので、普段は私なしで運営されているわけです。カイロプラクターは、私以外には1人だけで、すべての患者に必要なカイロ治療を行っています。トルクリリース・テクニックなら、無理なく1日で300人の患者を診ることができます。私の来院日にはなるべく臨床をするようにしていますが、病院運営の仕事と研究もあるので、いつも患者に会えるわけではありません。
病院ではカイロプラクターは、トルクリリースによるカイロ治療のみを行い、オリキュロセラピーとアミノ酸療法は、看護師やカウンセラーが行っています。

教育活動

トルクリリース・テクニックの教育活動はどの程度行われているのですか。
ホルダー・リサーチ・インスティチュートとして国内だけで年に40回ぐらいセミナーを開催し、その他に海外で6、7回のセミナーを行っています。
アメリカの大学では、最も規模の大きなカイロ大学であるライフ大学で、最近授業のカリキュラムの一環としてトルクリリース・テクニックが教えられるようになりました。イギリスでは、マクティモニー・カイロ大学で教えています。来年にはカリフォルニア州のライフウエスト大学、そしてメキシコの大学でもカリキュラムが始まります。
先生の出身校のナショナル健康科学大学などの関心はどうでしょうか。
そういったオファーはありませんね(笑)。多くのカイロ大学は、カイロの伝統を守るというよりは、カイロと医学の融合を図ることを重視しているようで、私のようなサブラクセーションを中心に据えたカイロは受け入れがたいようです。
多くのカイロ大学では、サブラクセーションを単にカイロ史上の概念としてのみ教えているようです。世界カイロプラクティック連合(WFC)なども同じような路線です。このような傾向をどう思われますか。
カイロプラクターがサブラクセーションをケアしなくて、誰がサブラクセーションをケアするのでしょう。トルクリリース・テクニックはサブラクセーション、プライマリー・サブラクセーションを除去するためのみにあります。カイロは疾患や臨床症状に対処するためにあるわけではありません。
多くの大学や団体は、カイロを発展させたいし、サポートしたいと思っているのですが、彼らはカイロが何かということを理解していないのです。彼らはカイロをメディカルにしたいのです。日本は、そのような団体からは距離を置くべきです。何がカイロかということを原点に立ち返って日本自身で決めてほしいと思います。
先生は、医師、看護師、その他の医療の専門家を雇い、また交流もありますが、彼らはカイロを理解してくれますか。
はい。私はアメリカ医師会の指導的地位の人々と働いていますが、彼らはカイロが好きだし、私たちはメディスンが好きです。しかし私たちのカイロとメディスンは違うものです。メディスンは必要だしカイロも必要。カイロプラクティック・メディカルドクターというものはいらないのです。それぞれが専門性を持っていればよく、一人の人がすべてを行うべきではありません。
カイロの団体が医師の領域に踏み込んで、メディスンを脅かすような言動をすれば医師からは嫌われます。現に主要な団体がそのようなことをしています。国際カイロプラクターズ協会(ICA)のように、カイロプラクターの役割を明確にし、メディスンを脅かすようなことをしなければ、医師と何の問題も起こしません。私たちカイロプラクターがメディスンをやりたいわけではないということがはっきりわかれば、メディスンは、「OK、カイロには何の問題もないじゃないか」となるんですよ。カイロでありさえすればいいんです。

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先生は、かなり小さい頃から大学で研究を行っていたと聞いていますが、なぜカイロに興味を持ったのですか。
研究は13歳のときから始めて、14歳のときに最初の学術論文を発表しました。その頃からマイアミ大学の医学部で、正規学生ではなかったですが、研究の場を提供してもらっていました。しかし、将来は研究者ではなく医師になりたいと思っていました。
大学生だった19歳の時、深刻に健康を害しました。そのとき父がカイロプラクターのところに私を連れて行ったのです。私は行きたいと思わなかったのですが、行ってみて、1回のアジャストで奇跡が起こりました。症状がよくなったのです。それでカイロに興味を持ち、勉強したくなりました。ナショナル大学は、アメリカで最初にアクレディテーションを取ったカイロ大学で、アカデミックでメディスンを重視していて、カイロを学ぶのに一番よい大学だと思って選びました。しかし入って間もなく、それが間違いだったとわかりました。私にとってそこは、よいカイロ・スクールというより、よくない医学部でした。しかしもう遅かったので、とにかく卒業して資格を取り、その後医学部に進学しました。
医学部でももちろんカイロが何かということはわかりませんでした。その後独自でカイロ哲学を勉強したことと、何人かのメンター(師匠)に会ったことで、カイロの本質が理解できるようになりました。
メンターはどのような方々ですか。
多くの人から学びましたが、特に影響を受けたのは、シャーマン大学の学長だったガイ・リックマン先生。お会いしたのは30年ぐらい前で、多くのことを学びました。それから、ライフ大学の学長を長く務めたシッド・ウイリアムズ先生です。そしてフロリダ在住で今は亡くなられたイアン・グラッサム先生です。
DDパーマー、BJパーマーは、もちろん会う機会はありませんでしたが、偉大なメンターです。

研究開発

先生はカイロや臨床のための様々な機器を開発されています。どのような方法で開発にこぎ着けるのですか。
アイディアがあったら、その道の専門家に相談するようにしています。インテグレーターは、世界トップの歯科機器メーカーのミルテックスに直接交渉し、自分の希望条件のモデルを製造してくれたら、画期的なカイロのアジャストメント器具として必ず成功するからと力説して、自己資金の初期投資なしで製造することができました。オリキュロセラピーのスティムレーターは、香港の知り合いのエンジニアに試作品をつくってもらいました。臨床研究によるデータとアイディアがしっかりあれば技術的なことを知らなくても、全く問題なく必要な機器を開発することができます。
最近も新たな診断用の機器を開発されました。
P300という新しい診断機器で、脳の状態から個人の現在の健康度を測定するものです。うつ、脅迫性障害、注意欠陥・多動障害などの診断に使え、カイロプラクター、臨床心理療法の専門家に使ってもらえるものです。これまで私の病院での臨床と、その他の機関での6年間の研究の積み重ねでついに製品化できたものですので、日本でも多くのカイロプラクターに興味を持ってもらえればと思っています。
先生は、研究開発、臨床、病院経営、教育活動と忙しいスケジュールをこなす中で、来年2月にはまたの来日を予定されていますね。先生にはトルクリリース・テクニックはもちろんのこと、カイロ哲学について、まだまだ教えていただけることがたくさんあると思います。またの来日を楽しみにしています。
私のミッションは、カイロの原理を伝え広げることだと思っています。カイロの最もすばらしい科学研究を普及させることです。カイロの原理を伝え続けなければ、カイロはいとも簡単に消失してしまうでしょう。そしてまた私は教えることが好きで、日本によりよいカイロの情報、カイロの本質の原理を伝えたいと思っています。
本日はありがとうございました。どうぞお体にお気を付けてますますご活躍ください。

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取材を終えて

敬虔なユダヤ教徒であるホルダー先生は、普通の日本の食事が食べられなかったり、土曜日のセミナーは安息日なのでいろいろ戒律があったりと、たいへんそうに見えるのですが、ご本人は日本滞在と日本でセミナーを行うことをとても楽しんでおられたようです。「日ユ同祖論というのがあるんだよ」と先生から言われたときにはびっくりしました。私は日本人によるトンデモ説だと思っていたのに違ったのですね‥。ビルの看板の文字を指して「そういえばこの文字もヘブライ語に似ているように見えるよ」とおっしゃっていました(しかしそれは漢字でした!!)。またの来日を楽しみにしております!


トルクリリース・センター・ジャパン公式ページ
    http://www.torquereleasejp.biz


Dr. ホルダーのトルクリリース・テクニック
ホルダー・リサーチ・インスティテュート 編
遠藤光政D.C. 訳
B5判並製59ページ+24ページ
科学新聞社

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