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  カイロジャーナル75号

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カイロジャーナル75号

  • 75号(12.11.4発行)
  • 第14回徒手医学会学術大会
  • ロンドン・オリンピックでカイロプラクターが活躍
  • 「世界最速」ボルト選手もカイロケア
  • 年に1度“真剣な祭り”

第14回徒手医学会学術大会

関心集めた講演・発表

復興進む仙台で盛大に9月22、23日、日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC、中川貴雄会長)の第14回学術大会が、震災の復興著しい杜の都、仙台で盛大に行われた。大会長は、仙台を中心に東北一円で精力的な営業活動を展開する、DCおよびPhD(医学)の肩書きを持つ小倉毅氏。1年にわたる準備を経て、統率の取れた見事な大会運営を行った。学会会員が全国から、また被災地優遇割引によって東北および茨城から、150人を越す参加者が集い、盛大な復興セレモニーとなった。会場となったのは、仙台駅前に位置するAER(アエル)5階の仙台情報・産業プラザ、これまでにないロケーションの中で行われた。初日9時、小倉氏率いるスタッフは点呼もそこそこに、それぞれの担当部署に就き準備が始まった。特に目を引いたのは会場の設営である。公的施設のため、すべて自分たちの手によって準備をしなければならかったにせよ、一糸乱れぬその光景は実に小気味のよいものであった。午後1時、開会式を経て、まず学会理事である山本尚司氏の震災復興ボランティアの活動報告が行われ、それに続き一般講演が始まった。今回3セッションに分け一般講演が9題、初日、2日目と同じ内容を繰り返すポスター講演が3題と計12題の発表が行われたが、さすがに14回目ともなると、発表者たちの事前の心構えがだいぶできてきたのか、これまでの発表経験者、昨年からの連続発表者、初めての発表者、それぞれがこれまでの研究、調査の内容を堂々と発表していた。発表後、何人かに感想を求めると「緊張した」「上がった」などと口々に言っていたが、なかなかどうして、板に付いた立派な発表ばかりであった。

基調講演は、小倉氏が東北大学大学院に在学中、担当教官だった田代学教授(東北大学サイクロトロンRIセンター)が、「代替医療の臨床研究で用いられる画像診断技術」と題して行い、続いて昨年からの連続登場となった、東北大学出身で現在も同大学院医学系研究科に席を置く榊原直樹氏が、「発達運動機能学的概念に基づく治療法による異常な運動パターンの改善について」と題して実技を交えワークショップを行った。この後、ポスター発表、学会の総会を経て、これもデリバリーによる手づくりの懇親会が大盛り上がりで行われ、散会を惜しみながら初日の日程を終えた。2日目は9時半から、一般講演、ポスター発表と続き、今回、学会評議員である福岡の馬場信年氏が中心となって「子どもの村 福岡」の応援をしていることから、同氏の発案によって、福岡と同様の活動を推進する「子どもの村東北」を紹介するための時間が設けられた。当日は日本小児神経学会の理事長を務められた経験もある、東北大学名誉教授・飯沼一宇(かずいえ)理事長が登壇し、その活動内容を紹介した。午後からは最後の一般講演3題を経て、これも今回の特別企画の一つ、一般の方を含めて誰でも参加自由の公開講座となった。まず登場したのは、東北大学大学院医学系研究科教授・大隅典子女史。「いくつになっても脳細胞はつくられる!」と題した特別講演は、質疑で一般の方から質問が飛び出すなど、大隅教授の人気と関心の高い内容を物語るものとなった。

そして最後は中川会長によるワークショップ。カイロプラクティックを一般の方にももっと理解してもらおうと、「腰痛を防ごう!」という、より一般向けのテーマを掲げ時間を延長しての熱演で、2日間にわたる各講演の日程を終えた。どれを取っても思い出に残る素晴らしい大会であった。

次回、第15回大会は再び東京に戻り、吉岡一貴氏が大会長に就任、「徒手療法の役割」をテーマに、11月9、10日、品川区立総合区民会館(きゅりあん)で行われる。

ロンドン・オリンピックでカイロプラクターが活躍

素早く現地に適応今年の夏のロンドン・オリンピックでは、アスリートのベスト・パフォーマンスを目指し、多くのカイロプラクターが活躍した。今回は、当地のオリンピック委員会(LOCOG)が運営するポリクリニック(多様な医療を提供するクリニック)で28人のカイロプラクターが活躍し、スポーツカイロ界での大きな軌跡となった。オリンピックでのカイロプラクターの活動方法は大まかに3つに分けられる。それらは(1)個別に選手やチームと契約してサポートする(2)各国の公式メディカルチームに所属する、そして(3)オリンピック委員会が運営するポリクリニックに所属することである。ポリクリニックにカイロプラクターが受け入れられたのは、2010年のバンクーバー・冬季オリンピックが最初。歴史は浅く今回が2回目だが、英国カイロプラクティック協会のメンバーを中心に大きな活躍を見せた。ロンドン大会のポリクリニックは、オリンピックとそれに続くパラリンピックのための24時間の救急医療体制を備えたクリニックである。一番多い受診は、筋骨格系の怪我や不調などだが、眼科や歯科も万全の体勢が整っている。

オリンピック選手はもちろんのこと、そのサポート・スタッフにも無料で医療が提供された。カイロ治療は、オステオパシー、スポーツ・マッサージとともに理学療法の中の一部門として提供された。オステオパシーは、開催地のオリンピック委員会の運営するクリニックでのサービス提供は今回が初めてという。

LOCOGのカイロプラクター代表のドクター・トム・グリーンウェイは「最も心配したことは、カイロプラクターはみんなそれぞれ少しずつ違ったアプローチで治療するので、それによる混乱がないかということでした。しかし彼らは、素早く現場に適応して、できる限りの最高のパフォーマンスを示しました。自営で働くということが、カイロプラクターを“何が最も必要とされているか”に気づく力を養っていると思います」と述べている。理学療法チームの中で働くことについて、英国スポーツカイロ評議委員会代表で、ポリクリニックで活動したドクター・カーラ・ハウは「カイロプラクター、オステオパス、理学療法士という様々な専門家が症例について話し合って治療するということは、治療を受けるアスリートにとってとてもよいことだし、それぞれの専門家にとってもすばらしい機会でした。多分野の専門家の統合的なマネージメントはヘルスケアの将来像です」と述べた。オリンピックの歴史では、理学療法が重要視されてきたので、理学療法のチーム医療として、カイロやオステを提供していくという流れは続くかもしれない。その中で、カイロの有用性や独自性を示していくことは、治療を受けたアスリートに大きなインパクトを残すだろう。

「世界最速」ボルト選手もカイロケア

ロンドン・オリンピックの陸上男子100メートル、200メートル、400メートルリレーで優勝し、一世を風靡したジャマイカのウサイン・ボルト選手は、カイロプラクティック・ケアを定期的に受けている。フロリダで開業するドクター・マイケル・ダグラスは、1996年からジャマイカ・オリンピック・チームの公式カイロプラクターとして活躍しており、アサファ・パウエル、ベロニカ・キャンベルなど、屈指の陸上選手のケアをしてきた。ドクター・ダグラスは、自営のクリニックでも、神経学とスポーツ医学の知識と経験を生かし、痛みのマネージメントとパフォーマンス向上のための治療をメインにしている。ドクター・ダグラスがボルト選手をアジャストしている写真は、ネット上でカイロプラクターたちの大きな話題となった。本紙には掲載できないが、興味があれば、Usain Bolt, chiropractic careなどの検索語でネット検索してみてください。カイロプラクターがトップアスリートのすばらしい実績をサポートしてきたという事実は、何にも増してカイロのすばらしさを世の中に伝えるインパクトがあるだろう。

年に1度“真剣な祭り”
マイプラクティス

「実践的内容」岡井氏が伝授アメリカ在住で日本にもファンの多い岡井健氏が、自らの知識、技術、経験を日本の若いカイロプラクターたちに伝えようと始まった「マイプラクティス」、4回目となる今回は、10月13日、東京・港区の日本赤十字社ビルで行われた。これまではどちらかというと、カイロプラクターが持ち合わせるべき治療および経営のためのフィロソフィーについて、座学中心の講義形式で行われてきたが、今回は「ケースマネジメント」、岡井氏が常々行っているプラクティスをそっくりそのまま持ってきたような、デモをふんだんに取り入れた、より実践的な内容となった。岡井氏は長旅の疲れも見せず、マイプラクティス後に行われるソウルナイトの記念Tシャツを着込み、1年に一度のお祭りを楽しむように、充電していたものを一気にはき出すように、講義にデモに終始エネルギッシュに参加者に訴えかけていた。講義の切れ目ごとに随時休憩を挟んではいたが、岡井氏がほとんど会場を離れず参加者たちとの交流に当たっていたため、昼休み以外は会場の出入りの少ない、とても珍しいセミナー風景であった。岡井氏は今回のマイプラクティスを行うにあたって、「私が日本に来るのは、これまで見知った連中、仲間に会いたいからです。彼らにたまに会って、彼らの成長を見届けたいからです。だから今回も、何も珍しいもの、特別なものをお見せしに来たわけじゃありません。私のプラクティスは、単純なことをその瞬間、瞬間に、どれだけ精度を上げて発揮できるかということを心がけているだけです。私のデモを見て、自分に合った、自分の力を発揮できるテクニックを身につけ、常にそれを磨くことを実践してほしいですね」と語った。これまでは岡井氏の都合に合わせ、土曜日を利用しての開催だったが、新たな参加者、仲間を求め、来年以降は羽田空港発着の深夜便を利用するなどして、日曜日に開催することも視野に入れている。ソウルナイト
「core」をテーマに再出発マイプラクティスが終われば、同会場のセッティングを変えての「ソウルナイト」である。当初「啓蒙」をテーマにこれまでと同様のスタイルで行うことにしていたが、啓蒙の言葉の意味を考えたとき、テーマとしては相応しくないのではないか、ということになり、急きょ「Core」という言葉をテーマに、「カイロプラクティックのこころ討論会」として、ディスカッション形式で行うことにした。啓蒙はその中の一つのトピックとして取り上げることにした。当日、パネリストとして壇上に挙がったのは、DC、ノンDCにかかわらず、現在それぞれの立場で活躍する、大陰幸生、熊澤大輔、榊原直樹、前田彰、山本元純(50音順)の5氏。討論をまとめるモデレーターには岡井氏、総合司会には碓田拓磨氏、ソウルナイトの顔の2人が進行役を務めた。取り上げられたトピックは、「カイロプラクティック教育」「廃業率」「啓蒙」「法制化」の4つ、どれも日本でプラクティスを続けていくためには、避けては通れないものばかりである。参加者の中には、岩上友紀、上村高史、太田創、佐藤智子、塩川貴士、田中稔久、藤原邦康、矢島敬朗氏など多くのDCが顔を揃え、これらの問題の関心の高さを物語っていた。終了後、何人かの参加者に感想を聞いてみると、「これまで、あまり真剣にこれらの問題を考えたことがなかったが、今日はとてもいいタイミングでこれらの問題に触れることができ、これから真剣に向かい合っていかなければいけないとつくづく感じた」など、概ね同様の意見だった。あとはこれらの問題をどういう行動をもって支えていくかである。これまでとは、ひと味もふた味も違ったソウルナイトは、間違いなく参加者に何かを投げかけるものとなった。この後は恒例の芝公園での打ち上げである。東京タワーのイルミネーションを受け、用意した100缶以上のビールはあっという間に空になった。その後、居酒屋へ場所を移しての宴は、最後は翌朝の4時過ぎまで続いた。

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