痛み学NOTE<第24回>「「痛みの悪循環説」と侵害受容性疼痛の機序」 | カイロプラクティックジャーナル

  <第24回>「「痛みの悪循環説」と侵害受容性疼痛の機序」

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痛み学NOTE <第24回>「「痛みの悪循環説」と侵害受容性疼痛の機序」2011.10.28

カイロジャーナル72号 (2011.10.28発行)より

これまで侵害受容性の痛みと神経因性の痛みについて触れてきたが、両者の機序はどのように違っているのだろう。その舞台を覗いてみることにしよう。

さて、1943年にリビングストン(英)が発表した「痛みの悪循環説」は、その後も多くの支持を得てきた理論である。侵害受容性疼痛の機序は、この説でよく理解することができる。

組織が侵害されると受容器が痛みを中枢性に伝達する。この痛みの持続は交感神経を緊張させるところとなり、局所に血流の循環不全が起る。その部位は虚血、乏血状態となって、組織の酸欠と栄養の欠乏状態となる。この事態は、その部位に発痛物質が分泌・遊離されることとなり、それを受けてさらに受容器は興奮する。こうして痛みの悪循環がはじまる。痛みの伝達は脊髄反射によってさらに組織の拘縮をつくり、それがさらなる組織の虚血を生むということで悪循環を修飾する。

この悪循環説には逆循環のルートがある。サーノのTMS理論などが、この逆回りルートからの痛みを主張している。要するに最初に作動するのが脳の不安情動系だというわけである。怒りや不安といった情動的なストレスは交感神経を介して細動脈などの血管を収縮させる。そして組織の酸欠状態がつくられる。

こうしたストレスが習慣化され、あるいは条件付け反応が起ることで、副腎が刺激される。いわゆるストレス反応が起ると、やはり血管が収縮して酸欠組織ができあがり、発痛物質が分泌・遊離されて侵害受容器は興奮し痛みが伝達されるのである。脳の不安情動系から起動した痛みのサイクルは、リビングストンの悪循環説のルートに戻り、痛みのサイクルの悪循環が回りだす。こうして圧痛点もつくられることになる。


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