<第6回>「警告系の起源は「うずまき反射」カイロプラクティックジャーナル

  <第6回>「警告系の起源は「うずまき反射」

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痛み学NOTE <第6回>「警告系の起源は「うずまき反射」2009.10.16

カイロジャーナル66号 (2009.10.16発行)より

誤って熱いやかんに手を触れたり、尖った金属に触れたりすると反射的に手を引っ込める。これは逃避反射と呼ばれるものだが、同時に痛みを感じることで身体に危害が加わったことを知る。このことからも痛みは警告系とされている。

実験的には、侵害受容器への入力により呼吸・循環系に大きな反射性修飾作用がある、との観察報告がある。刺激の強度に依存して、呼吸が促進したり抑制されたりする、というのである。

このことは、痛みが単に警告系のみならず、内因性オピオイドを介した液性の調整による防御抑制系であることも示している。だから炎症や免疫反応も起こる。痛み系には、他の感覚系とはやや違った様相があるようだ。こうした液性の反応も重要な身体情報系の働きであるが、神経活動に由来する痛みの情報系で最も原始的な警告系は逃避反射なのだろう。

研究者は、椎骨動物の元祖である原索動物のナメクジウオが見せる「うずまき反射:coiling reflex」を、最も原始的な警告系としている。からだの一部に加えられた刺激から遠ざかるようにクルリとからだを巻き込む、いわゆる侵害逃避反射である。

痛みが警告系を離れて神経系が可塑的に変化し、痛みという実体だけを残すようになると、それは「病としての痛み」となる。では、なぜ痛みの神経系には可塑的な変化が起こりやすいのだろうか。

発生学的にみて、「うずまき反射」という原始的な起源を基にヒトの神経系の働きが構築されているのだとしたら、胡乱な現象だと片付けられないテーマである。神経系の中で、痛み系こそ原始的で未分化であり、未分化であるからこそ変化の自由度も高いということになる。つまり可塑性が高く、他の神経系とも連結しやすい。

前にアロデニアについて触れたが、触れただけで痛むということは通常ありえない。触覚神経は痛みを伝える神経ではないからである。ところが、痛み系が触覚神経と連結する病態が出来上がったのがアロデニアである。また、痛み系が自律神経系と結びつくと、気圧や寒冷などの変化によっても、あるいは本来は痛みと関係がない身体状態によっても痛みが起こり得る。

そう考えると、印象的にではあるが「うずまき反射」といわれるヒトの警告系の起源を掘り下げることも、痛みの重要な解決策のひとつなのかもしれないと思えてくる。


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