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カイロジャーナル65号

65号(09.6.29発行)
「It’s CHIRO! 2009」始動
Chiropractic In The World 世界の話題?徒手医学会学術大会

「It’s CHIRO! 2009」始動
4月3~5日のDr.ケリー・ダンブロジオ・ワークショップによって、「It’s CHIRO! 2009」の幕が切って落とされた。同26日には栗原修氏による今年度の「AK勉強会」、ゴールデンウイーク真っ直中の5月3日には新企画、榊原直樹氏による「スポーツ・カイロプラクティック」、10日にはAK同様、今年度の「栗原ゼミ」と3週連続でそれぞれが順調なスタートを切った。そして「It’s CHIRO! 2009 Spring」を飾る5月23、24日の岡井健氏による「マイ・プラクティス」、30、31日の大阪でのDr.シュレットによる「アジャストメント・セミナー」へと入っていった。折からのインフルエンザ騒ぎで、大阪でのDr.シュレットによる「アジャストメント・セミナー」は延期せざるを得ない状況となり、結果的に一枚欠けての「Spring」となってしまったが、満を持しての岡井氏の登場は、迫力十分、主催者が掲げるカイロプラクティック事業開始40周年を十二分に感じさせてくれるものであった。昨年秋、岡井氏により『カイロプラクティック経営成功哲学』(小社刊)が上梓され、発売以来、これまでの岡井氏のテクニック・セミナーを望む声に輪をかけて、フィロソフィー、オフィス・マネージメント、マーケティングなど、岡井氏のプラクティスの全貌を紹介して欲しいという声が日増しに強くなっていた。そのニーズに応え、さらに今後の岡井氏のセミナー活動をも併せて考えた結果、これまでのセミナーとは一線を画す形での今回の開催となった。セミナーは2日間、約10時間にわたって、岡井氏のプラクティスの実際を余すことなく伝え、その確かな内容と溢れるパワーで予想通り参加者を魅了した。また「アジャストメントの理論と実際」のコーナーでは、約1時間にわたってテクニックのデモが行われたが、ここでも岡井氏ならではの、ダイナミックさの中にも常に患者の状態を優先させる細やかな洞察力が披露された。講義、デモともスキのない安定感のあるものであった。2日目午後からは特別ゲスト、小柳公譽氏による「シンクロ矯正法」。このテクニックは、昨年ジャパンライム社から同名のDVDが出たことでその名が世に出たが、小柳氏によるこのテクニックのルーツは古い。昨年10月に行われた「ソウルナイトPlus」でも、そのサワリというか考え方が紹介されたが、今回のゲスト講演を引き受けるにあたり、小柳氏は「さらに進化した姿をお見せする」と、このテクニックのアタリの良さを日々実感し、自信満々での登場となった。講義は小柳氏のいつもながらの朗々とした話し方に、自信の弁を裏付けるような実技がふんだんに盛り込まれ、正に目からウロコ、充実の内容であった。なお、新型インフルエンザの余波を受け、それも最も多くの感染者が出た関西地区での開催であったことから、延期の判断を下したDr.シュレットによる「アジャストメント・セミナー」は、8月29、30日、北大阪急行・緑地公園駅の駅ビル8階会議室に会場を移し、仕切り直しをして開催する。Dr.シュレットは、春を飾ることはできなかったが、大阪の夏を、世界有数のスピーカーとしての実力を遺憾なく発揮して、最高のプレゼントをしてくれるはずだ。秋から冬にかけても記念イベントが目白押しである。来年1月のラスベガス・ツアーまで、科学新聞社から目が離せない。

Chiropractic In The World 世界の話題
カイロ・プログラム 米国の一般大学で開講-イリノイ州で9月から-ナショナル健康科学大学(イリノイ州)は、フロリダ州のセント・ピーターズバーグ・カレッジ(SPC)と提携し、新たな学位(DC)プログラムを実施すると発表した。この教育プログラムはすでにアクレディテーション機関であるシカゴの高等教育委員会の認定を取得しており、今年の9月から開講する。カイロプラクティック専門教育のアクレディテーション機関であるCCEにも、現段階で用意できる書類は提出済みで、できるだけ早いCCE認定を目指している。SPCは80年以上前に短期大学としてフロリダ州に創立した。歯科衛生士、看護師などの健康分野の専門資格コースも早くから開設していた。2001年からは学士プログラムを開設し、4年制大学となった。北米のカイロ大学には、これまで一般大学でのカイロ専門教育プログラムの実施を試みたが、実現しなかった歴史がある。2002年にフロリダ州立大学でカイロ学科開講が決まったときには、900万ドル(約8億6千万円)の予算が付いたにもかかわらず、大学内の教授らが猛反対。500通以上の反対の請願書が集まり、賛成する教員は失職の危機にさらされた。さらに地元医師会の反対にも遭い、大学側が決定を撤回してしまった。カナダでは、カナディアン・メモリアル・カイロ大学(CMCC)がオンタリオ州立ヨーク大学と提携するという計画があり、1990年ごろから10年越しで話し合いが重ねられていた。しかし、ほとんど決定したと報じられた後、ヨーク大学内の反対者の猛反撃を受け、2000年には頓挫してしまった。カイロ教育に対する偏見は、北米に根強くあることがうかがえる。アメリカ、カナダのカイロ教育の歴史は、有志のカイロプラクターがカイロ学校を設立し、後継者らが教育の質を高め、専門大学へと発展させてきた。各カイロ大学の質は、大学教育のアクレディテーション機関と、カイロ教育アクレディテーション機関であるCCEにより、質が保証されてきた。しかし、公立大学、一般私立大学との結びつきがなく、研究などの基盤が弱いと言われている。今回の提携により、南米やオーストラリアのようなカイロ・プログラムの一般大学での開講が、アメリカで実現した。大学間の研究交流など、さらなる協力関係への発展も期待される。カイロは理学療法にあらず ブラジルでカイロ勝利の判決ブラジル連邦裁判所は今年3月、「カイロプラクティックとは専門職であり、テクニックではない。理学療法の権力者たちはカイロが理学療法の一専門分野であると主張することはやめるべきである」との見解を示した。これにより、数年間続いた理学療法士(PT)によるカイロプラクターの職権侵害に一応のけじめがついた。ブラジルのカイロプラクター団体でWFC加盟団体であるABQはこの決定を受け、「我々にはまだ長い道のりがあるが、法制化へ向けての大きな弾みとなった」と喜びを語った。判事は次のような趣旨の判決を下した。「カイロは神経筋骨格系の診断と治療、症状の予防、および一般的健康に関わるヘルスケア専門職である。アジャストメントを含む徒手テクニック、またはサブラクセーションを特別に重視した関節マニピュレーションに特別な焦点を当てる。アメリカ、カナダではカイロを業とするには4200時間以上の勉学が必要であるし、世界の他の国でも試験合格と免許取得が義務づけられている。カイロはテクニックではなく、専門職であり、それ故に、理学療法協会のCOFFITOはカイロを監視、指導するという役割を担わない。ブラジルのカイロは法的にあいまいであるとの理由で業務外の仕事を監視する特権があるという主張は認められない」。ABQはこれまで、カイロ法制化のための活動を続けてきた。WFCからの全面的支援も受け、法制化委員会を結成し、政府に働きかけてきたが、未だ実現していない。一方、COFFITOはカイロを理学療法の一部門とする法律を成立させようと政治的な働きかけを開始していた。07年にカイロ技術の週末セミナーを開始し、100-300時間のコースにより“カイロプラクティック修了証”の発行もしている。08年には、ABQの訴えにより、裁判所はこの短期コースの差し止めを決定した。しかしその後も、パーマー大学(アメリカ)主催のカイロの無料施術会を違法と訴えたり、開業したDCに対してPTの職域を犯しているとの書面にサインするよう強要するなど、正規カイロプラクターを否定する暴挙を繰り返していた。今回の判決はこのような行為を強く牽制するものとなった。

徒手医学会学術大会
10月、東京ビッグサイトで「ココロと身体」テーマに日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC・会長=中川貴雄)第11回学術大会は、「ココロと身体」をテーマに、10月11日(日)、12日(月・祝日)の2日間、東京ビッグサイトで開催される。大会長は、運動連鎖アプローチ研究所主宰でJSCC理事の山本尚司氏が務める。基調講演は、清泉クリニック整形外科(静岡県駿東郡)スポーツ医学センターの脇元幸一氏で、「レントゲン画像から診る心身機能評価と治療の実際」と題し、脊柱画像から脊柱彎曲運動の機能的評価法を紹介する。清泉クリニックは、個々の患者に合わせたユニークなリハビリが注目されている。理学療法士である脇元氏からは、理学療法的観点からの脊柱分析、臨床アプローチなど、興味深い話が聞けそうだ。特別講演は、東邦大学医学部教授の有田秀穂氏で、運動やリズミカルなタッチがセロトニン神経を活性化させるといった新たな研究成果を基に、ネガティブな気分を改善させることで注目されるセロトニン神経について解説する。ワークショップは、仙台徒手医学療法室の本田尚人氏、古武術研究家の甲野善紀氏、日本生体咬合研究所の中村昭二氏、キネシオテーピング協会会長の加瀬建造氏と多彩な顔ぶれだ。様々な立場の研究者と臨床家が、心と身体へのアプローチを語る。多くを学べる学術大会となるだろう。

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